せつない映画「ベッドタイムアイズ」(原作・山田詠美)と主演の樋口可南子さんにもクローズアップ!
2017年8月24日 更新

せつない映画「ベッドタイムアイズ」(原作・山田詠美)と主演の樋口可南子さんにもクローズアップ!

1987年公開の「ベッドタイムアイズ」は、山田詠美の処女作を映画化した作品です。当時としては少し珍しい黒人男性と日本女性との恋愛を描いたせつないドラマでした。映画の紹介とともに主演の樋口可南子さんにもクローズアップしてみました。

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「ベッドタイムアイズ」とは

小説「ベッドタイムアイズ」(他仁作)

小説「ベッドタイムアイズ」(他仁作)

1985年に文藝賞を獲得してデビューした作家・山田詠美さんの処女作です。
「スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。ただし、それは私の体を、であって、心では決して、ない」
小説「ベッドタイムアイズ」の書き出しが、とても印象的でした。
横須賀基地の黒人兵士スプーンとの恋物語、山田詠美さん独特の視線・感じ方に、ハマってしまいました。
何より、せつないです。哀しいというより、せつなかったです。
原作もとても良いので、ぜひ読んでみてほしいです。
原作者・山田詠美さん

原作者・山田詠美さん

1985年にこの作品「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞しデビュー。
1987年には「ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー」で直木賞受賞。
今(2017年現在)、芥川賞選考委員でもあります。
映画・ドラマ化された作品は、ほかにも「ぼくは勉強ができない」「シュガー&スパイス 風味絶佳」「賢者の愛」などがあります。

映画「ベッドタイムアイズ」

映画「ベッドタイムアイズ」

映画「ベッドタイムアイズ」

この映画もVHSしかなく(2017年現在)、DVDはないのですよ。
ちょっと寂しいです。
日本人女性と黒人男性の激しい愛を描く。山田詠美原作の同名小説の映画化で、脚本は「さらば箱舟」の岸田理生、監督は「離婚しない女」の神代辰巳、撮影は「化身(1986)」の川上皓市がそれぞれ担当。

主なストーリー(あらすじ)

クラブ歌手のキムは黒人のスプーンと出逢った。翌日、彼女は「私、クロと寝たのよ」と告げ、市来の部屋を出て行った。市来はキムが唄っている基地のクラブのバンド仲間で、一年間同棲していたのだ。キムは10年前、この横須賀の町で自分を拾ってくれたマリア姉さんを訪ねた。マリアは黒人としか寝ない女だった
キムとスプーン

キムとスプーン

原作が小説であると、たまにまったく別物の映画になってしまうこともありますね‥‥。
でも、このシーン‥‥原作(小説)の通りだった気がします!
数日後、外国人相手のスーパーでスプーンと再会したキムは、モーテルで再び熱い瞬間を過ごした。だが、二人の乗ったスプーンの自転車が衝突事故を起こし、スプーンの消息はわからなくなった。キムは新しく借りた部屋で、スプーンの猫オズボーンと彼を待った。
あまりたくさん書くとおもしろくないかもしれない‥‥とどこまで記載していいのか迷いますが、その後、ストーリーは哀しい方向へと向かいます。

予告編の動画などがあるとわかりやすいですね‥‥。
やっぱりDVD化されていないせいか、動画も少ないので、ぜひともVHSで、あるいは小説で、せつない気持ちを確かめてみてください。

監督

神代辰巳(くましろ たつみ)

神代辰巳(くましろ たつみ)

神代 辰巳(くましろ たつみ、1927年4月24日 - 1995年2月24日)は日本の映画監督。佐賀県出身。
デビュー作となった『かぶりつき人生』は、日活の衰退期とその内容もあってか、一般作としては日活史上最低の興行失敗となった。そのため、この後の日活の一般作の監督オファーはなかったが、ロマンポルノ路線をとともに監督復帰。大車輪の活躍となる。特に、絵沢萌子は、彼の作品の常連女優であった。1972年『一条さゆり 濡れた欲情』、1973年『四畳半襖の裏張り』でキネマ旬報ベストテン入選。
東映進出で芳しい評価を得られなかった田中に対し、神代は東宝に乗り込んでの1974年『青春の蹉跌』でキネマ旬報ベストテン4位という高評価を獲得。以降は、一般映画でもぐんぐん盛名を高め、ロマンポルノを超えて日本映画の重要監督の一人となっていった、「ポルノ、ピンク出身の巨匠」の、先駆的存在である。
萩原健一は、自分の主演作『もどり川』へ監督のオファーを願い出るほどのファンであり、桃井かおりも「くまさん」と呼び、親しんでいた。(Wikipedia)
監督の神代辰巳さんがとてもおもしろそうな方でしたので、少し紹介させていただきます。
「ベッドタイムアイズ」の映像を知る上でも、他の作品も見てみましょう。
日活で活躍しれていたようですね。
神代監督は、下記、永井荷風、連城三紀彦といった、原作が小説(作家により書かれた)の作品を多く監督されているようです。その辺も興味深い方です。

四畳半襖の裏張り

永井荷風の原作といわれる”四畳半襖の下張り”をヒントに、神代辰巳がシナリオ化した問題作。遊びの限りをつくした中年男と初見の芸者・袖子との床のシーンが映像化され、エロティシズムの原点に帰った本格的ポルノ映画作りに神代辰巳演出も冴えわたっている。人妻役にかけてはNO1の宮下順子が、今までの集大成にと、袖子役に体当たり演技を披露し、中年男にベテランの江角英明が汗みどろの共演するほか、丘奈保美、絵沢萠子、芹明香らの芸者衆が大正時代の雰囲気を盛り上げている。(C)1973 日活株式会社
映画「恋文」

映画「恋文」

出演: 萩原健一, 倍賞美津子, 高橋恵子, 小林薫
連城三紀彦の同名小説の映画化作品。
2003年には同じ原作がTBS系列で『恋文 〜私たちが愛した男〜』としてドラマ化された。
毎日映画コンクール
録音賞(橋本文雄)
主演女優賞(倍賞美津子)
キネマ旬報
主演女優賞(倍賞美津子)
助演男優賞(小林薫)
日本アカデミー賞
録音賞(橋本文雄)
主演男優賞(萩原健一)
主演女優賞(倍賞美津子)
助演男優賞(小林薫)
(Wikipedia)

音楽

「ベッドタイムアイズ」サウンドトラックCD

「ベッドタイムアイズ」サウンドトラックCD

音楽は主に、マンハッタン・ジャズ・クインテットが担当。
クラブ歌手役で主人公の樋口可南子さんの歌声も聴くことができます。
マンハッタン・ジャズ・クインテット MANHATTAN...

マンハッタン・ジャズ・クインテット MANHATTAN JAZZ QUINTET

マンハッタン・ジャズ・クインテット(Manhattan Jazz Quintet)は、アメリカ合衆国のジャズ・バンド。デヴィッド・マシューズ(ピアノ)を中心に結成され、1984年にデビュー。元々は『スイングジャーナル』誌とキングレコードの発案によるプロジェクトで、その後も日本向けの活動を中心としている。(Wikipedia)

80年代、この映画が公開されていた頃も、よく来日されていました!
私の当時住んでいた場所は、とても田舎だったのですが、そんな田舎の公会堂でもライヴをされることに、とても驚いていたことがあります。
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