70年代と80年代は、ここが違う!男たちの身体を熱くしたモノ:エロ本の歴史
2016年6月1日 更新

70年代と80年代は、ここが違う!男たちの身体を熱くしたモノ:エロ本の歴史

70年代に子供だった私は、当時高校生の親戚の兄貴の家に遊びに行くのが楽しみでした。そこは、大人の新鮮な娯楽が満載でした。70年代前半は劇画や青年・成人向け漫画があり・・・80年代に入ると・・・(透け透けの)ビニ本・・・。数冊持って帰りました。こっそり見た深夜番組も大人な番組だらけ・・・そういう昭和な男たちの身体を熱くしたエロ本の思い出を振り返ってみましょう。

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上村一夫「同棲時代」(漫画アクション連載 1972 - 1973年)、「修羅雪姫」(週刊プレイボーイ連載、原作:小池一夫 1972 - 1973年)

上村一夫・画「同棲時代」

上村一夫・画「同棲時代」

上村一夫・画「同棲時代」原画/『Weekly漫画アクシ...

上村一夫・画「同棲時代」原画/『Weekly漫画アクション』1972年8/31号/上村一夫オフィス蔵

日本経済が飛躍的に成長を遂げた1970年代初頭。
その高度経済成長期に、日本のメディアを席巻していたのが「劇画」でした。

大人がマンガを読む時代に描かれた「劇画」の題材は、極めてリアリスティックな社会であり、私小説的な人間関係です。

その中で、なまめかしい女性像と独特の美学を確立して一世を風靡したのが、月産400枚以上という驚異的な執筆量をこなし、45歳で急逝した人気漫画家・上村一夫でした。
修羅雪姫

修羅雪姫

上村一夫・画/小池一雄・原作「修羅雪姫」原画/『Wee...

上村一夫・画/小池一雄・原作「修羅雪姫」原画/『Weeklyプレイボーイ』1972年3/7号/上村一夫オフィス蔵

修羅雪姫「因果応報!」

修羅雪姫「因果応報!」

劇画ブームの終焉

だが、1972年のあさま山荘事件などの左翼の過激化で学生運動が退潮したと同時に、革命をテーマに若者らに支持されていた劇画業界も冷え込んでいった。

劇画は「重く」「暑苦しい」ものとして若者らから敬遠されるようになり、それまで人気を誇っていた劇画雑誌は1970年代中頃より急激に部数を落としていった。

ヤングコミックの編集者であった岡崎英生によると劇画雑誌の衰退は、三流劇画誌(エロ劇画誌)の流行や、1979年6月に創刊された「週刊ヤングジャンプ」(小学館)や1980年7月に創刊の「週刊ヤングマガジン」(講談社)といった新しい青年漫画雑誌の影響が大きいとしている。 ニューウェーブ漫画を含む、劇画の手法を取り入れた新しい漫画の登場で、従来型の劇画は淘汰されていった。

『漫画エロトピア』(1973年に創刊) エロ劇画・官能劇画誌ブームの先駆け(現在では、「成人向け漫画」の分類)

『漫画エロトピア』(1973年に創刊)

『漫画エロトピア』(1973年に創刊)

最初の官能劇画誌と言われる『エロトピア』は1973年(昭和48年)の発行。

その後2-3年のうちに創刊された雑誌の数は優に20誌を越えるという。しかし成立して間もないジャンルにおいて雑誌の急増は内容の低下を引き起こし、官能劇画誌は大人が読み捨てにする雑誌としての地位を築くに至った。
成人向け漫画(せいじんむけまんが)は、成人(日本では18歳以上)を対象にした漫画型式のポルノである。18歳未満の青少年への販売については、出版社・販売店により自主規制が行われている。

なお、「成人漫画」、「成年漫画」、「アダルト漫画」、「18禁漫画」、「エロ漫画」などとも呼ばれる(「漫画」は「マンガ」と表記される場合もある)。また「漫画」のかわりに「コミック」とも呼ばれる(例:「アダルトコミック」など)。

成人向け漫画の内容は、ほとんどが異性(または同性)とのセックスを描いたもので占められている。男性向けの作品でレーティングを付与した作品は成人向け漫画とされるが、女性向けの作品の場合はレディースコミックとも呼ばれる。一般的に「成人向け」として発表される著作物の場合、映画・オリジナルビデオやテレビゲームでは性描写と残虐描写それぞれがレーティングの対象となるが、漫画の場合は残虐な描写のある作品(著名な作品を例に挙げるならば『ベルセルク』・『北斗の拳』・『バガボンド』・『ゴルゴ13』等)に関しては、出版業界では基本的に規制を行っていない。但し、自治体によって有害図書指定される場合がある。

具体的なセックス描写や性的なオーガズムを描きつつも性器を見せない(具体的に性器を描かない)ことで18禁指定とならない一般(非18禁)作品もあり、週刊漫画雑誌古参の週刊漫画TIMES(芳文社)・ビッグコミック(小学館)・漫画アクション(双葉社)・モーニング(講談社)など30歳代以上を読者層とする壮年向け青年漫画雑誌で発表されるほか(「島耕作」シリーズなど)、『ふたりエッチ』の「ヤングアニマル(白泉社)」・『おくさまは女子高生』の「ヤングジャンプ(集英社)」、「ヤングコミック」「ヤングキング」(少年画報社)など男子高校生を読者層に含むヤング青年漫画雑誌では掲載作品の多くに性描写が存在する。
『女犯坊』(にょはんぼう)は、ふくしま政美画、滝沢解・...

『女犯坊』(にょはんぼう)は、ふくしま政美画、滝沢解・坂本六有原作の成年漫画である。

1974年から1976年まで『漫画エロトピア』に連載された。怪僧「竜水」の傍若無人な活躍を軸として、江戸末期から明治初期にかけての動乱を伝奇形式で描いていく。長らく絶版であったが太田出版より復刻版が出版された後、電子書籍化もあいまって比較的入手が容易である。

寛政八年、女犯の罪で晒された僧侶たちの姿から物語は始まる。主人公竜水は、権力と戒律の癒着を笑い飛ばし、独自の哲学を元に宗教界と政界を蹂躙していく。高僧はおろか、権力者、海外の魔人、果ては妖怪や死ですら彼を止めることはできない。
「ゆくぞ岩松 この世にはびこる悪をぶち殺すのだ!」
竜水「すべてがこの竜水の・・・宇宙の業である。」

竜水「すべてがこの竜水の・・・宇宙の業である。」

竜水
偽経「女犯経」を掲げる怪僧。強靭な巨体と自我を持ち、欲望のままに生きる。
性力、腕力に関しては並ぶ者がなく、馬をも犯し殺すことができる。

また薬物にも博識で、しばしば怪しげな媚薬や毒薬を製造。加えて弁舌に巧みで、政治的駆け引きも軽くこなす。果ては超能力(呪殺、転生など)までも使いこなし、向かうところ敵なしである。

その超人的才覚を駆使し、仏教界、大奥、幕府、キリシタンに明治政府までも手玉に取り、女犯の極みを尽くす。
なお、信仰の根本は観音経であるらしく、これを唱えている姿がよく見られる。
竜水は性力、腕力に関しては並ぶ者がなく、馬をも犯し殺す...

竜水は性力、腕力に関しては並ぶ者がなく、馬をも犯し殺すことができる。

1975年前後の青年向け漫画(青年漫画)

本宮ひろ志「俺の空」(1975年・週刊プレイボーイ連載)

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『俺の空』(おれのそら)は、本宮ひろ志による日本の漫画作品。『週刊プレイボーイ』(集英社)にて連載された。
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ライバルの武尊善行(ぶそん よしゆき)はハーレーを乗り回す無頼漢なキャラで、主人公と人気を二分し、東北の令嬢の争奪戦を行った。

「青年漫画」

扱われるテーマは多岐にわたるが、少年漫画や少女漫画ではあまり扱われない大学生、社会人の生活、社会人向けの実践的な知識、本格的なミステリー、社会問題、経済関連のテーマなどが扱われることも多く、思想的・政治的な表現を盛り込んだ作品もある。

概ね高校生以上の年代層をターゲットとしており、少年漫画と比べてが読者層の年齢が高いことから、ホラー漫画や格闘漫画の傾向による性的・暴力的な描写への制約も薄い。

一般的には少年漫画・少女漫画もしくは女性漫画に比べ表現の制約が少なく作者の自由度が高いジャンルであり、少年漫画や少女漫画から移籍してきた作家も多い。

掲載作品のメディアミックスに関してはテレビドラマ化・映画化の割合が多く、アニメ(TVアニメ作品・OVA作品)化もしくはゲーム化される機会が多い少年漫画・少女漫画・メディアミックス系の漫画雑誌と対比すれば、より広範な読者層の支持が期待される。

「けっこう仮面」(1975年から連載)

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