男女の交わりから獣姦、お笑いまで、自由な表現で人気を博した【春画】の世界
2020年10月25日 更新

男女の交わりから獣姦、お笑いまで、自由な表現で人気を博した【春画】の世界

江戸時代のエロ本、春画とはどんなもの!?男女の交わりから獣姦、お笑いまで、自由な表現で人気を博した【春画】の世界。大名から庶民まで、みんなが愛した春画の歴史を振り返ってみましょう!!

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男女の交わりから獣姦、お笑いまで、自由な表現で人気を博した【春画】の世界

春画とは男女の情交(性交)を描いた江戸時代の肉筆画、浮世絵版画です。春本(しゅんぽん)はそれらを本にしたものになります。今で言うエロ本ですね(笑) 江戸時代以前にも情交のある絵画は存在しましたが、江戸時代に春画は文化として開花しました。

初期の春画は高級品で「嫁入本(よめいりぼん)」とも言われ、女性が当時の大名などへ嫁入りする際に、花嫁にプレゼントする性教育本でもありました。江戸時代になると印刷技術も上がり、手に入りやすくなると庶民の間でも春画が大人気となりました。そしてさまざまな有名絵師たちが競い合いながら男女の情交絵(エロ本)を描いていったのです。
葛飾北斎「富久寿楚宇(ふくじゅそう)より」

葛飾北斎「富久寿楚宇(ふくじゅそう)より」

※トダカユースケ氏よりご提供

一流浮世絵師がこぞって春画を描いたのは自由な表現を求めたから? 古い価値観を打ち破る、江戸庶民たちのパワーが春画ブームを牽引した!?

葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣など、江戸時代に活躍した浮世絵師のほとんどが春画を書いていたと言われています。また当時、井原西鶴という作家が書いた「好色一代男」という作品が江戸庶民から絶大な支持を受け、好色物と呼ばれるジャンルが流行し、春画、春本の需要はさらに増えていったそうです。
井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

※トダカユースケ氏よりご提供
井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

※トダカユースケ氏よりご提供
井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

井原西鶴「好色一代男」(1682年発行)

※トダカユースケ氏よりご提供
井原西鶴の書いた「好色一代男」は1682年(天和2年)の作品です。享楽的な世之介という主人公が7歳にして恋を知り、幾多の恋愛を経て浮世で好色を尽くし、最後は女性だけが暮らしているという伝説のある女護島(にょごのしま)へ旅立つという生涯を描いた一代記です。

この小説(浮世草子)は古くからあった仏教思想や儒教道徳により罪悪視されていた愛欲の世界を、庶民感覚らしい思想や感情で肯定的に描いた作品で、自由を渇望する庶民は熱狂的に受け入れたのでしょうね。
『好色一代男』(昭和36年/大映/監督・増村保造/主演...

『好色一代男』(昭和36年/大映/監督・増村保造/主演・市川雷蔵)

翻案されて映画化もされているようですね。

春画は現代でいう総合娯楽雑誌だった! エッチなものからお笑い、小説まで、様々なジャンルが生まれました

有名画家たちが切磋琢磨して描いていた春画には名画と呼ばれる作品が多数ありました。そもそも春画は浮世絵の一種で、「笑い絵」「枕絵」「秘画」「ワ印」とも呼ばれ、冊子状の春本は「笑本」「艶本」「好色本」「枕草紙」と呼んでいたそうです。

春画と呼ぶようになったのは明治時代以降とも言われています。春画はエロ要素満載の浮世絵であり、今でいう娯楽雑誌みたいなものだったということなのでしょうね。

春画のルーツは医学書!? まるで学生が人体解説図で興奮していたようなものだった?

一般的に知られている春画は江戸時代のものが多いため、春画は江戸時代に生まれた浮世絵作品だと思われがちですが、歴史は古く平安時代まで遡ることができます。

当時は「偃息図(おそくず、えんそくず)」と呼ばれていたそうで、ルーツは中国からの医学書と一緒に輸入されてきた解説図だと言われています。春画は浮世絵版画が有名ですが、初期は肉筆画でした。印刷技術が未熟だった江戸時代初期までは、肉筆画の春画が出回っていました。

肉筆画の春画は複製することができず一点物でもあったので、高価な値段で取り引きされていたそうです。そのため、初期は貴族や大名、武士、裕福な商人などしか見ることが出来ませんでした。

そのうちに木版印刷が普及するようになり、版画の春画が大量に出回るようになると、庶民でも春画を楽しむことが出来るようになったのです。
菱川師宣「見返り美人」

菱川師宣「見返り美人」

※トダカユースケ氏よりご提供
喜多川歌麿「歌満くら」

喜多川歌麿「歌満くら」

※トダカユースケ氏よりご提供

普通に売られていた春画は取り締まりにより絶版に!? 今で言う裏本としてアンダーグラウンド界隈で流通し始めた!

大人気だった春画は江戸幕府からたびたび取り締まられ、発行が禁止されてきました。江戸時代の三大改革といわれる、享保の改革、寛政の改革と天保の改革。

その中でも天保の改革では、贅沢の禁止を謳い文化を統制しようと、庶民の娯楽であった歌舞伎や寄席、浮世絵などに制限をかけました。春画ももちろん禁止となりアンダーグラウンド化していきます。

しかし当時の絵師や江戸の庶民たちは、逆にこの弾圧に勢いづき、さらに活気満ち溢れる創作活動を行うのです。著名な絵師たちは匿名やニックネームを使い、捻りや風刺を込めた春画を描き続け、それがまた人気を得ました。民衆の反骨精神に頭が下がります。
鳥居清長「色道十二番(しきどうじゅうにつがい)」

鳥居清長「色道十二番(しきどうじゅうにつがい)」

※トダカユースケ氏よりご提供

最高峰の絵師たちが技術を駆使して描かれた春画! それほどまでに描きたくなるような題材だったのか!?

47 件

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  • バーボン 2020/10/26 01:57

    不倫は文化かどうか分からないけれど
    エロは文化以上に生活そのものかも。
    エロが無くなれば人類滅亡‥は言い過ぎ?

    すべてのコメントを見る (1)

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