全米トップ40 American Top40 とは?
音楽チャートを40位から1位まで週ごとに紹介するカウントダウン番組。
アメリカではこの番組の影響もあって、チャート40位以内が、その楽曲が売れたか否かの境界線の一つにもなっている。
アメリカの音楽チャートであるビルボードを世界的に有名にした番組でもあるが、現在のAT40は、ビルボードではなくラジオ&レコーズのチャートをベースに、番組独自に集計したランキングを紹介している。
1970年に放送開始。
1972年10月14日から1986年9月27日までラジオ関東(現ラジオ日本)で、『全米トップ40』というタイトルで放送(ラジオ関西でも遅れネット)。DJは音楽評論家の湯川れい子と同局アナウンサーの坂井隆夫。
全米トップ40と言えば、まずラジオ関東で土曜日の午後10時から3時間の生放送で放送していた時代が特に印象深いです。その後、日曜日午前0時からに時間変更したりしましたが熱狂的なファンの支持が強く研究会まで作られ、70~80年代の日本におけるポピュラーミュージック最盛期とも言える時代と共に幅広いリスナーに聞かれていました。
1976年6月のある週のトップ10
毎回、あの年、あの月のトップ10曲を振り返ったまとめです。今回は1976年6月ある週のチャートから。ソウル,ファンク、ブラコン強し、ディスコブームの前夜とも言える時代。日本ではベイ・シティ・ローラーズのタータンハリケーン吹きすさぶ中、アメリカではバラエティ豊かなナンバーがトップ10を飾っていました。
第10位 ブラザーズ・ジョンソン/アイル・ビー・グッド・トゥ・ユー
The Brothers Johnson:I'll Be Good To You
ジョージ(ギター)とレオン(ベース)兄弟のブラジョンです。’76年にクインシー・ジョーンズのプロデュースでアルバムデビュー。アメリカではゲット・ザ・ファンクとそれぞれシングルカットされましたが、日本ではゲット~のB面として発売されました。アメリカではこちらが最高位3位のミリオンセラーなのに。兄弟共にセッション・ミュージシャンとして数々の作品に参加していますが、弟のルイスは、より多くの有名ミュージシャンとのライヴやレコーディングに参加。特にマイケル・ジャクソンについては、Q・ジョーンズと共に彼無くしては語れないのではないでしょうか。残念ながら2015年5月に60歳で亡くなっています。
The Brothers Johnson - I'll Be Good To You 1976 - YouTube
これを聴くと、ディスコブームがそこまで来ているなって感じます。超絶テクニックよりも、ユルい感じがファンキーです。
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第9位 スターランド・ヴォーカルバンド/アフタヌーン・デライト
Starland Vocal Band:Afternoon Delight
星の国からやってきて、一発屋で星に帰ってしまったのでしょうか?2組のカップルによる4人組、この年のグラミー賞最優秀新人賞に輝いています。同じ年にデビューした、ボストンや前出のブラザーズ・ジョンソンを抑えての受賞だったのですが、その後が続かず解散。2組のカップルも別れてしまったようで、まるでスウェーデンのグループみたいな結末でした。’97年の映画「グッド・ウィル・ハンティング」のエンディングにこの曲が使われて、妙に懐かしかったのを思い出します。そう言えばこの年はもう一つ“スター”の付く一発屋グループがいました、はいスターバックです。
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ママス&パパスを彷彿とさせる編成と、きれいなコーラスが売りだったんだろうけど、ちょっと地味でしたね。
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第8位 アンドレア・トゥルー・コネクション/モア・モア・モア
Andrea True Connection:More More More
元ポルノ女優というプロフィールばかりが、前面に出てしまっていた印象があるアンドレア・トゥルー嬢ですが、この曲を発売したいきさつがこれまた痛快。ヒットして良かったね。残念ながら寂しい晩年だったらしく、2011年11月に心不全で68歳の生涯を閉じました。
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●アンドレア・トゥルー、68歳で死去~「モア・モア・モア」のディスコスター|吉岡正晴のソウル・サーチン
こちらにこの曲をリリースしたいきさつが、詳しく書かれております。それにしても偶発的にヒットしたとは言え、こんなに多数のミュージシャンにカバーされるスタンダード(?)曲になるとは、世の中分かんないモノです。そう言えば、パティ・オースティンも来日した折にこのサビを歌っておりました。
第7位 キャプテン&テニール/ショップ・アラウンド
Captain & Tennille:Shop Around
ビーチボーイズが縁で’75年に結婚、新婚ホヤホヤのうちにデビュー、いきなりヒット。日本ではセカンドシングルの「愛ある限り」が初お目見えとなった、ダリル・ドラゴンとトニー・テニール(元)夫妻によるキャプテン&テニール。’76年に発表したセカンドアルバムからのシングルカットは、ザ・ミラクルズのカバーとなりました。最高位4位。しかし、どのジャケットも2人仲良さげに写っているのに39年目に離婚とはねぇ。
Captain And Tennille - "Shop Around" - YouTube
キャプテンことダリル・ドラゴンは、いつでも、どんな時でも船長帽子を被っています。それにしても、トニー嬢の袖がどんでもないコトになっております。
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第6位 ヘンリー・グロス/シャノン
Henry Gross:Shannon
シャ・ナ・ナの初代ギタリストである、ヘンリー・グロスの唯一の全米ヒット曲。サビのファルセットが印象的なナンバー。あの伝説のフェス、「ウッドストック」にも出演。同名記録映画でも、僅かではあるがライヴ映像を観ることができる。ヘンリーは当時18歳、参加した中で最年少アーティストとして記録されております。「シャノン」は、ビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンの愛犬が亡くなってしまったことに対しての悲しみを歌っているのですが、残念ながら日本ではシングル未発売。
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