NHK少年ドラマシリーズ『なぞの転校生』 1975(昭和50)年
主役の広一役で当時の女の子たちの人気を集めた高野浩幸さん。
彼は、子役時代に特撮ドラマ「超人バロム1」の主役を務め、少年ドラマシリーズ『赤い月』などにも出演したが、実は当初、高野さんが典夫役を、典夫役の星野利晴さんが広一役をやる予定だった。
しかし直前に、演出のディレクターが星野さんに「お前、高野より背が高いし、変な顔をしているから、お前が宇宙人をやれ」と言って、入れ替わったという。
岩田広一のクラスに山沢典夫が転校してきた。以降、次々と引き起こされる事件、深まる謎…
広一のクラスに転校してきた山沢典夫(演:星野利晴)
広一やみどりのクラスに転校してきた謎めいた少年。美形の上に成績優秀でスポーツなど何事にもずば抜けているが科学の文明を嫌悪している。
ドラマ版では典夫は超能力の持ち主であり、典夫自身が不良の上級生にリンチされている所を逆に超能力で気絶させ撃退するシーンや、マンションの屋上で追ってきた広一を同じく気絶させるシーンが追加されている。
原作では典夫は東京の千代田区から大阪に転校して来たという設定である。しかし、ドラマ版では東京都の港区から武蔵野に転校して来たという設定に変わっている。
(出典:Wikipedia「なぞの転校生」)
抜群の学力と超能力を持った転校生の山沢典夫(演:星野利晴)
なぞの転校生の正体は…
やがて、典夫の家を訪ねた広一は、典夫の父や同じ星形のマークをつけた仲間たちと対面。そこで、真実が告げられる。彼らは、別の次元の宇宙から来た人々であること。そして、彼らの母星である“D3世界”は、核戦争で滅亡、次元を越えて“D6”という別の世界に脱出したものの、そこでも核戦争で典夫の母や兄妹をはじめ多くの仲間を亡くし、放浪の末に“D15世界”=この地球に流れ着いたことを。
『なぞの転校生』は、核の問題を真っ正面から描いた作品だった。
核への恐怖を訴える典夫
「原子爆弾、水爆、ニュートロン爆弾、ミサイル。そいつらがいつ爆発するかわからないこの地球にいて、君たちはよく平気でいられるものだよ。この“D15世界”じゃ科学は確かに少し遅れている。でも、30年前に広島と長崎で、君たちはあの恐ろしい放射能を浴びたはずじゃないか!」
『なぞの転校生』は、少年向けSFドラマのスタイルながら、核の問題を真っ正面から描いた作品だった。
漂着した地球でも核兵器が大量に蓄えられ、核戦争の恐れがあると知った典夫たちは、次の世界へ去っていく。
そして、1か月後。広一たちはケガをして倒れている典夫を教室で発見する。
典夫たちは、たどりついた次の“D26世界”で迫害にあい、地球に逃げてきたのだ。
典夫たちは地球に永住することを決心するものの、広一たちの前から去り、大阪へ転校していく。
みどりは広一に「少し大人になった気がする。きっとあれが私の初恋だったのよ」と話す。
少年ドラマシリーズ なぞの転校生 | NHK名作選(動画他)
NHK少年ドラマシリーズ『七瀬ふたたび』 1979(昭和54)年
NHK少年ドラマシリーズ『七瀬ふたたび』 1979(昭和54)年
1972年10月から1974年10月にかけて『別冊小説新潮』『小説新潮』に連作の形で発表された。「邂逅」(初出時は「七瀬ふたたび」)「邪悪の視線」「七瀬 時をのぼる」「ヘニーデ姫」「七瀬 森を走る」の5編からなる。
NHK少年ドラマシリーズの一作品として、1979年8月6日から18日、18:00 - 18:29に放送された。全13話。
読心能力を持つ火田七瀬の様々な超能力を持つ仲間との交流や敵対者からの逃亡を描く。
原作『七瀬ふたたび』のあらすじ
人の心を読む能力を持つ20歳の火田七瀬は、超能力者であることを悟られることを恐れ、家政婦の仕事をやめて母の実家へ帰ることにする。その途中、夜行列車内で同じ人の心を読める能力を持つ幼い少年ノリオと出会い、さらに予知能力を持つ青年恒夫に出会う。恒夫は列車が事故に遭うことを予言し、七瀬らは途中の駅で降りる。
その後、他にも超能力者と出会って仲間に加えたり、時には対決する。超能力者たちは迫害されることを恐れ、その能力をみな隠している。北海道でノリオと念動力を持つ黒人青年ヘンリーと生活を始めるようになった頃、超能力者抹殺をもくろむ刑事たちの集団に存在を知られる。
(出典:Wikipedia「七瀬ふたたび」)
他人の心が読めるテレパス能力を持つヒロイン・火田七瀬(演:多岐川裕美)
火田七瀬(ひた ななせ)
人の心を読む力を持つ超能力者(テレパス)の美貌の女性。1話目では20歳になったばかり。家政婦をしていたが母の実家へ帰ろうとする列車でノリオと出会う。アパートでノリオと暮らしながら高級バーを転々としながら1年間のホステス生活で黒人バーテンダーのヘンリーと知り合う、水商売で貯めた金で北海道に土地と家を購入、3人で生活を始める。気苦労の多いホステスを辞めて、超能力を使ってカジノで生活費を稼いだことから超能力者抹殺集団にその存在を知られてしまう。
本作は「少年ドラマシリーズ」末期の傑作として熱烈に支持された。
ヒロイン・火田七瀬を演じた多岐川裕美は、お嬢さん風の雰囲気に、時どきクールな憂いと妖艶さがあり、稀代の当たり役となった。
多岐川はSFとの相性の良さを買われて1980年、小松左京原作による角川映画のSF大作『復活の日・映画』のヒロインに起用された。
また、石堂淑朗脚本は、七瀬と彼女を慕うエスパーの一行の逃避行の中から、少数民族への抑圧の哀しみをエッセンスとして抽出して評価される。
(出典:Wikipedia「七瀬ふたたび」)
1975年11月17日 - 12月3日に当時人気のあったNHK少年ドラマシリーズの1作として放送された。全9話。内容は、原作とほぼ同じ。翌1976年12月27日 - 31日に再放送されている。
少年少女向きの物語だが、核戦争や科学の進歩の功罪など深いテーマを扱っている。NHKが所持していたマスターテープは他の撮影に使い回されたため、本作の映像は保存されていなかったが、家庭用VTRで録画された映像が全話現存し、NHKに寄贈され、NHKアーカイブスに保管されたため、再び視聴することが可能となった。
VHS、のちにDVDで商品化(ソースが家庭用VTRである旨断りが入る)されたほか、2006年9月からミステリチャンネルにて再放送された。
岩田広一(演:高野浩幸)
この物語の主人公で大阪の阿南中学校に通う運動好きの2年生の少年。やがて転校生典夫の正体に疑問を抱くようになる。
原作では大阪が舞台だったのに対して、ドラマ版は東京の武蔵野が舞台となっている。
(出典:Wikipedia「なぞの転校生」)