主人公・火田七瀬(演:多岐川裕美)は、自分の持つ超能力に疲れ、ひとりあてのない旅に出た。
予知能力者の岩淵恒夫(演:堀内正美)が発した「列車事故」のイメージを感じる火田七瀬(演:多岐川裕美)
岩淵恒夫(演:堀内正美):予知能力
未来を予知する能力を持つイラストレーターの青年。最終話では24歳。長身で顔は面長。目が大きくやや道化た印象がある。七瀬に好意を寄せており、電話で危機を警告したり身を守るよう拳銃を渡す。初対面時に七瀬に心を読まれたことを恥じており、七瀬に近寄ることが出来ず、再会しなかった。
七瀬たちは他の乗客に「列車事故」のことを警告するが信じてもらえず、やむなく自分たちだけ下車することに。
七瀬と彼女を慕うエスパーの一行の逃避行。七瀬たちは安住の地を求め北海道へ
超能力を隠して生きたいと東京で暮らすことにした七瀬。隠しても隠しても現れてしまう超能力。
北海道行きのフェリーの船上、タイムトラベラーの漁藤子(村地弘美)と出会い、起こるはずだった殺人事件を阻止する。
時間を移動できる能力を持つ女性。大柄でやや肥満しているが、色白でフランス映画の女優のような美人。ノリオが4歳のときに17歳の女子高生だったが、時間遡行をして実際には20年以上を生きている。実父を亡くして、北海道で牧場経営をする叔父に引き取られるため北海道へ行くフェリー上で七瀬たちと出会う。
七瀬たちを追う謎の殺し屋・ゾンビー軍団との最後の戦いに
七瀬のエスパー仲間。5人とも超能力者であるがゆえに愛を知らず孤独なのだ。
ノリオ(新垣嘉啓):七瀬と同じテレパス能力
七瀬と同様に人の心を読む力を持つ少年。1話では3歳、最終話では5歳。4歳のときに10歳程度の知能を持つ頭のいい少年。母親を幼少時に亡くし、継母が面倒を見ていたが、気味悪がられて可愛がってもらえない。七瀬と出会った列車が転覆事故を起こすのがきっかけで、七瀬たちと行動を共にするようになる。
ヘンリー(アレクサンダー・イーズリー):手を触れずに物を自由に操る念動力
念力を使うことのできる2メートル近いハンサムな黒人の青年。七瀬がホステスとして働いている高級バーでバーテンダーをしていた。その念力は車を持ち上げることすら出来るが、強力な念力を使った後は激しく衰弱する。自分の意志では念力を使うことが出来ず父親の命令で使っていた。父を亡くした後に、自分に命令できる上位自我を求めて来日。七瀬と出会って、七瀬の賛美者、崇拝者、召使いであることを自認し、七瀬の命令で念力を使う。
岩淵恒夫(堀内正美):予知能力
漁藤子(村地弘美):時間をさかのぼれるタイムトラベラー
北海道にたどり着いた七瀬たちは、自分たちの出自の謎を解き、永住できる場所を求めてさまようのだった。ルポライターの山村が超能力者を取材するため、七瀬たちを北海道まで追ってくるが、やがて彼は七瀬たちの唯一の理解者になる。
北海道で暮らす土地の購入資金を稼ぐために、七瀬と山村はマカオのカジノに飛ぶが、対テレパスの特殊訓練を受けた暗殺者たちに命を狙われる。北海道まで超能力者たちを追ってくる暗殺者。“安住の地”で最後の戦いが始まった。
少年ドラマシリーズ 七瀬ふたたび | NHK名作選(動画他)
NHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』(1972年) NHK少年ドラマシリーズの記念すべき第1作
NHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』(時をかける少女)
本作品はNHK「少年ドラマシリーズ」の第1作である。原作は筒井康隆の『時をかける少女』。
中学三年生の芳山和子(島田淳子)は人気のない放課後の理科室で、フラスコに入ったラベンダーの香りがする液体の匂いを嗅ぎ、タイムトラベルする能力を身につける。その液体を作ったのは謎めいた男子生徒、深町一夫(木下清)だった。
「タイム・トラベラー」は当時の中高生をとりこにした。とくにこのドラマに飛びついたのは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」などでSF的な嗜好性を培われた少年たちだったという(増山久明・片岡力「NHK少年ドラマシリーズとは何だったか」、『NHK少年ドラマシリーズのすべて』)
芳山和子(演:島田淳子)と ケン・ソゴル(深町一夫)(演:木下清)
やがて和子は、同じクラスの深町一夫が実は700年後の世界からやってきた未来人、ケン・ソゴルであることを知る。ケンは未来に帰るための薬を調合するために、架空の人物に成り済ましていたのだ。ラベンダーはその調合に必要な材料だった。調合途中の薬の匂いを嗅いだことで、和子はタイム・トラベルの能力を持ったと、ケンに告げられる。
和子は、何らかのショックを与えられたときなどに,不意に起きるタイム・トラベルで、過去や未来の世界との間を行き来する。行った先で身近な人に近々不幸なことが起きるのを知ることになるが、どうすることもできない。ケンの言によれば、時間を超えて行き来することは可能でも、過去や未来を変えることは無理なのだ。お互いを助け合ううちに、和子とケンの間には、次第に淡い恋愛感情のようなものが芽生え始める。
やがてケンは、未来に帰るための薬品を完成する。その前に、和子を含めその事実を知る人の記憶を消去しなければならないという。ケンと過ごした記憶を消されることを悲しむ和子。だがケンにも、タイム・ルールの掟を破ることは許されない。ケンは和子を含め、自分にまつわる周囲の人たちの記憶をすべて消した上で未来に帰っていった。
ケンの記憶を消された和子は、高校入試を控えて受験勉強に追われる普通の中学生に戻った。だが彼女のタイム・トラベルの能力はどうなったのだろうか。もしかしたら何かの拍子に、タイム・トラベラーとしての能力を取り戻すかも知れないのだ……。