【ゆとり教育】戦後の「詰め込み教育」の反動!?完全週休二日制、授業時間数削減、内容削減などの「ゆとり教育」、その狙いはなんだったのか。
2016年5月6日 更新

【ゆとり教育】戦後の「詰め込み教育」の反動!?完全週休二日制、授業時間数削減、内容削減などの「ゆとり教育」、その狙いはなんだったのか。

「最近の若いもんは」みたいな感覚で「これだからゆとり世代は」なんて言葉を使ったことありませんか?「ゆとりですが何か」といった言葉もある主に1992年、2002年に施行された学習指導要領による教育。1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれの人を「ゆとり世代」とする、つまり団塊ジュニア世代には無縁だったこのゆとり教育はいったい何だったのか、そして現在はまた「脱ゆとり」だそうですがそれはいったい何を意味するのか、確認してみましょう。

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学んでいる内容がみんな違うとなると、教師や学校の立場からすると同じテストで計れない、評価が出来ない事になります。
「知識」がバラバラでも、それに向かう「関心」「意欲」「態度」は、共通で評価出来るではないか、それを計ればいいということになり、全国の通知表が一斉に変わっていったようです。

「関心」「意欲」「態度」は数量化が難しい、つまり基準点が設けられないという事で、偏差値や5段階評価⇒他人とは比べない個人内評価的「絶対評価」というものが導入

他人と比べずに、一人の子が以前より努力をしたかどうか、関心を持って意欲的に学習に望んだかどうかという事を中心に評価しようという考え方。
例えば漢字1000個書ける子が、学期終わりに1200個書ける事よりも、200個しか書けなかった生徒が、400個書けるようになることを「意欲をもって学習に取り組んだ」と評価するようにしよう事。

こういった流れから「他人と競う」から「他人と比較しない」ことにフォーカスされたのでは?

元々偏差値は、平等主義を標榜する評価法である。これを使えば、地域内格差・学校間格差があっても、その格差を縮小出来る。例えば、東京都と沖縄県の受験学力に差があるとしても、その地域内での偏差値に基づく内申書を重視すれば、沖縄県出身者でも東京の大学に入りやすくなるという効果が期待できる。
しかし、「新学力観」の下では、それは悪でしか無い。なぜなら、偏差値では個人個人の具体的学力内容が問われずに、ある集団の中での順位のみが問題になるからである。それにまた、国による大学入試「共通一次試験」の導入で、地域差を埋めて平等を維持する効果がなくなってしまった。共通一次試験(現在のセンター試験)は、国による全国一律「輪切り」という、偏差値の悪い面だけを浮き彫りにしてしまった。「新学力観」に基づく「偏差値追放」は、国がかつては推進・整備してきた教育政策の積み重ねを打ち消し、大きな転換をもたらすという効果を期待されたものであった。
このような「新学力観」の一側面である「他人との比較を重視しない」点が、向上心やハングリー精神、関心の欠如といったイメージの拡幅とともに「ゆとり世代」のイメージを生み出していったのかもしれませんね。

「ゆとり教育」で具体的に変わったこと

-学校が週5日制に
-主要科目の授業時間が減少
-競わせる相対評価から個性を伸ばす絶対評価に
学校週5日制

1992年9月に公立学校において、第二土曜日が休日となったのから始まり、1995年度から第四土曜日、そして2002年度からは全ての土曜日が休み(完全学校週5日制)となった。このことは、学校教育法施行規則(第六十一条)に決められており、2014年現在改訂されていないため、公立学校において、原則として土曜日は休みである。なお、私立学校では各学校の方針に任せられているため、土曜日の扱いについては学校によって異なり、完全週5日制を実施している学校もあれば、1991年度以前のように週6日制を続けている学校もある。
また、文部科学省は、完全学校週5日制について、生きる力をはぐくむために必要であるとしている。

総合的な学習の時間

1998年の学習指導要領の改正のときに新しくできた科目で、2002年度以降から開始された。総合的な学習の時間は教員や児童・生徒の力量・意欲が高い場合は成功しやすく、そういった要素に左右されるという欠点を持つとされるが、基本的に総合的な学習時間の何を成功・失敗の評価基準とするのかという問題も存在する。実際、総合的な学習の時間を有意義に使う学校もある一方で、単に不足している授業時間の補完など評価基準のはっきりした伝統的科目の学力向上に使うなどというケースも少なくなかった。また、基礎学力が低い生徒は「総合的な学習の時間」の目的とされる、「主体的に考える力」なども低くなる傾向があるという指摘もあった。その後、2008年の学習指導要領が改正され、新しい学習指導要領で、この総合的な学習の時間の授業時間が削減された。

絶対評価

1998年の学習指導要領の改正とともに採用された評価方法である絶対評価については、2014年現在も継続している。
おそらく、子どもたちの自主的能動的な独創性を育みたいという意図による方針が、単なる時間余りと詰め込み不足による強制力への体制弱体化につながったということでしょうか。
学校外で過ごす時間のうち、「宿題をする」時間について、日本の中学二年生は1.0時間と答えている。
国際平均の1.7時間と比べて、大幅に少なく、調査した45カ国・地域の中で最下位であった。(07年調査でも日本の数値は変動せず、国際平均は1.6時間となり、同様の傾向。順位アルジェリア、チェコ、韓国、スロベニアと続き、下から5番目。トップはシリア2.6時間)
ゆとりある教育による有意な人材教育、というよりも子供自体がゆとりを持ってしまったと。
いまは脱ゆとり、といわれているそうですが「人格形成」において教育はもっとも大事な要素のひとつ。世代で括られてしまうような低評価の教育プログラムが適用されることこそ残念ですよね。

そして私たち団塊ジュニア世代も、「ゆとり世代だからこうだ」などといった偏見をもたずに、しっかりと向き合うことが当然に求められることのような気もしますね。
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