【8ビット御三家】NEC、シャープ、富士通を8ビット御三家と呼んだ1980年代はパソコン黎明期でした。
2016年6月22日 更新

【8ビット御三家】NEC、シャープ、富士通を8ビット御三家と呼んだ1980年代はパソコン黎明期でした。

今でこそパソコンは一般家庭に普及していますが、80年代ではほとんどの家庭にパソコンはありませんでした。しかし、いまのパソコンの原型が生まれたのも80年代。今では考えられませんが、8ビット機が数十万円する時代だったんです。

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オフィス業務では主にオフコンやミニコン、汎用コンピュータ(タイムシェアリングまたは夜間のバッチ処理)が用いられ、CAD/CAMやCGには高性能なワークステーション、文章作成には日本語ワードプロセッサ(ワープロ専用機)などが使われることが多かった。

8ビットパソコンは価格(10万円超から20万円超、当時の新卒労働者の平均月収1~1.5ヵ月分に相当)の割に利用価値が低く、用途に応じて機器を使い分けた方が遥かに作業効率が高かった。

家庭向け市場の開花

MSX

MSX

コンピュータゲーム市場の発展に伴い、ゲームのためにパソコンを購入する層が誕生。

また来るべきコンピュータ時代に期待して、中高生の子供にパソコンを買い与える親も。
これらを買い与えられた子供の方は高価なゲーム機として利用するケースが非常に多かったが、一部はプログラミングに熱中し、後の国内コンピュータ産業の基盤を作っていった。
今日のゲームメーカーやソフトウェア産業における企業創業者や役職付きの人々の中には、当時の「パソコン少年」が少なからず居る。

この過程で、特に顕著なゲーム利用のパソコン市場において、「より人気のゲームの多いパソコン」が生き残り、それ以外が淘汰されていった。

「8ビット御三家」は、同時代の他機種に比べて高性能な画像・音声(FM音源等)処理能力と、優れた設計思想によって市場を確保することに成功した。また、家庭用ゲーム機を上回る表現能力により、高品位ゲーム機としての地位も獲得していた。

後に、安価で高性能なMSX(実際に評価されたのはMSX2やそれ以降)も登場し、1990年代に入るまで8ビット御三家+MSXシリーズの市場が形成されていた。

互換性

当時のパソコンにはメーカーごとの互換性がなく(MSXを除く)、各メーカーがお互いに市場を分割しながら競争を繰り広げ、それぞれの機種に互換性がなかったことから、ソフトウェアメーカーはより多くのユーザーに自社ソフトを売るために、各機種に適合するソフトウェアを個別に開発しなければならなかった。

ゲーム

8bit時代の代表作の一つ「ハイドライド」

8bit時代の代表作の一つ「ハイドライド」

初期のコンピュータRPGゲームやアドベンチャーゲームは、専らパソコン向けのソフトウェアであり、後にポートピア連続殺人事件やドラゴンクエスト等の家庭用ゲーム機向けの物が発売された以降にも、パソコン向けのこれらゲームは、家庭用ゲーム機を遥かにしのぐ表現能力で根強いファンを獲得していた。
パソコンゲームの名作「イース」シリーズ

パソコンゲームの名作「イース」シリーズ

ハードウェアの新陳代謝と人気の集中

普及台数の多いメーカーの機種にゲーム人気が集中

普及台数の多いメーカーの機種にゲーム人気が集中

この時代を通して、技術進歩は今日よりも遥かにゆっくりしており、概ね機種の世代交代は2~3年に1バージョンが上がるという物で、旧機種の寿命も5~8年程度あった。

このようにゆっくりしたハードウェアの進歩の中で、よりソフトウェア(8ビットパソコン市場においては、その多くは実用ソフトではなくゲームソフトであった)が多く発売されている機種へと人気が集中した。

この状況で御三家とされたPC-8000シリーズやFM-7シリーズ、X1シリーズはソフトウェア資産も多く、またソフトウェア制作会社も採算の問題から人気機種に集中してソフトウェアを供給するようになり、遅れてパソコン市場に参入したメーカーが自社製品を市場に売り込むためには、まずソフトウェアメーカーに働き掛けて、自社製品向けにソフトウェアを開発・移植・販売してもらうようにしなければならない程だった。

三機種の初期シリーズの共通点

テキストは80桁×25行表示が基本であり、漢字テキストVRAMは搭載されず、アルファベットと半角カナ、一部の記号のみの表示が可能

グラフィックは640ドット×200ライン、RGB8色表示が基本。一部機種では320×200ドット表示にも対応

ファミコン(同時52色)やMSX(同時16色)は256×192ドット、MSX2(512色中16色)は最高256×192~512×424ドット。

三機種のモデルチェンジ後の共通点

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