【JAPAN】日本から火が付いた英国のバンド、ジャパンを振り返ろう。【シルヴィアン】
2017年3月10日 更新

【JAPAN】日本から火が付いた英国のバンド、ジャパンを振り返ろう。【シルヴィアン】

世界一美しい男と呼ばれたデヴィッド・シルヴィアン率いるバンドJAPAN。日本で熱狂的な人気を誇った後、世界的に知られるようになった途端に解散してしまった彼らの歴史を、曲と共に振り返ろう。

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1974年結成。1982年解散。

1974年結成。1982年解散。

1974年 ロンドンに住むデヴィッド、スティーブの兄弟を中心に結成されたロックバンド。
写真向かって左から
リチャード・バルビエリ(キーボード)
ミック・カーン(ベース)
デヴィッド・シルヴィアン(ヴォーカル、ギター)
ロブ・ディーン(ギター)
スティーブ・ジャンセン(ドラム)

後からバンドに加わったロブ以外、当時は全員10代だった。
David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)

David Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)

ヴォーカル、ギター、たまにキーボードも触る。
作詞作曲も彼による。
バンドの中心的人物であり、日本でのジャパンの驚異的な人気は彼の美貌によるところが大きい。
日本での愛称はデビちゃん。
JAPAN & DAVID SYLVIAN : THE BOYS IN THE BAND (1489972)

DURAN DURAN(デュラン デュラン)のニック・ロウズがデビちゃんに憧れ、真似していることは有名。
デビちゃんが派手な染髪や化粧をやめて久しいが、ニックは今もブレること無くデビコスプレを続けている。

白人によるブラック・ミュージック、バンド名は「JAPAN」って、もうワケがわからない

デビュー当時は派手だが子汚い

デビュー当時は派手だが子汚い

本国イギリスでもアメリカでも全く話題にもならず。
しかし日本では10代の女性たちを中心にデビュー前からファンクラブが結成されるほどの盛り上がり。
日本人ファンの熱狂ぶりはメンバー達の耳にも入り、彼らは
「曲も聴かないで、なんでファンになってくれるんだ?」
と不思議がっていたが、そんなの決まってるじゃないか。
顔だ。

しかしその後発売されたデビューアルバム「果てしなき反抗」は日本だけで1万5000枚売り上げた。

Japan - The Unconventional. This is from a television appearance in Japan from 1978. It´s a complete Video and rare...

デビューシングルはブラックやグラムロックを融合させたような、泥臭いサウンド。
とても女子ウケするとは思えない。
やっぱり顔。
うん、やっぱり顔だ。

うん、やっぱり顔だ。

女性的な男性が好まれるのは日本ならでは。
加えて輝く金髪に青い瞳。
こりゃ勝てるわけない。

Japan (David Sylvian) - Adolescent Sex - YouTube

邦題は「果てしなき反抗」
オレンジレンジの「上海ハニー」がクィーンやジブラヘッドのパクリだと言われていた頃
いやジャパンのパクリだろ、とかつての少女達は密かに憤っていた。

この日本人女性たちの熱狂ぶりを御覧なさい!  Japan Sometimes I Feel So Low and European Son - YouTube

1979年初来日で武道館ライブ。
日本のテレビ番組や雑誌にも取り上げられ、ジャパンの人気はますます高まっていった。
3ndアルバム「クワイエット・ライフ」

3ndアルバム「クワイエット・ライフ」

デヴィッド自身が
「聴くならこのアルバムから後の作品を聴いて欲しい。」
と語っていたように、この作品からジャパンの音楽性と見た目が大きく変革していく。
特徴的なデヴィッドのボーカルもこの頃からである。

これまで恋人だとか踊ろうだとかいう言葉が歌詞から姿を消し、自殺寸前のようなヘタレで暗い歌詞が彼らの曲の最大の特徴となる。

Japan - Quiet Life - YouTube

シンセ・サウンドで軽さを出しながらも陰鬱で内省的な歌詞とボーカルで、「ジャパンは暗い」というイメージが定着した。
耽美派と呼ばれ始めたのもこの頃。

邦題「孤独な影」
長らく日本とドイツ以外では全く知名度がなかった彼らが、やっとこさ本国イギリスで知られるようになってきた。
日本ではうっとおしい音楽と言われていたジャパンだが、ヨーロッパのファンは彼らの曲で踊り出すとか。
以前から馴染んでいなかったロブが脱退し、以降4人での活動を続ける。
まだ仲良しだったデヴィッドとミック

まだ仲良しだったデヴィッドとミック

後にこの二人の不仲が原因でバンドが解散してしまうことを思うと、切なくなる写真。
あなたは兄派?弟派?

あなたは兄派?弟派?

暗くてすぐ帰りたがる兄デヴィッドと、愛想の良い弟スティーブが人気を2分していた。
最後にして最高傑作 アルバム「TIN DRUM 錻力の太鼓」

最後にして最高傑作 アルバム「TIN DRUM 錻力の太鼓」

デヴィッドは中国に興味を示し、曲やPVにもその傾向が色濃く現れている。
サウンドは重く詞は絶望的で、とにかくもうドン底の気分を味わえる逸品。

Japan Ghosts and Cantonese Boy 480p Quality - YouTube

シングルカットされた「gohsts(ゴウスツ)」が突然なぜか全英4位の大ヒット。
一気に世界的知名度が上がり、長年ジャパンを応援してきた日本人ファンは嬉しいような寂しいような。
この動画では坂本龍一と共演している。

Sylvian & Sakamoto - Bamboo Music - YouTube

若い若い坂本龍一とコラボした曲。
坂本龍一との交流は現在も続いている。
土屋昌巳をゲストに加えて

土屋昌巳をゲストに加えて

一風堂の土屋昌巳をサポートギタリストに迎え、最後のライブツアーを行う。
当時土屋は「すみれSeptember Love」が大ヒットしており、棚ぼたでジャパンのメンバーも「ザ・ベストテン」に出演していた。
武道館では仲良しの坂本龍一、高橋幸宏、矢野顕子らも参加し、賑やかに楽しく機嫌よく有終の美を飾った。
ミック・カーン  2011年1月4日、癌のため永眠。享...

ミック・カーン  2011年1月4日、癌のため永眠。享年52才。

ジャパン解散直後、日本のテレビ番組で十朱幸代と手をつないでグルメ番組に出ていた衝撃を、私達ファンは永遠に忘れない。
どうぞ安らかに。
19 件

思い出を語ろう

     
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  • みっち 2020/9/20 13:38

    顔でしょ。金髪でしょ。青い目でしょ。笑

    ステイホーム中に、自分が青春時代に好きだったアーティスト情報をあさり、プレイリストの作成に熱中しました。
    今でも現役バリバリの人もいれば、音楽をやめてしまっていた人もいて、人生さまざまです。
    今から考えると、インターネットも無い中学高校生の頃に、どうやって海外アーティストの情報を得ていたのか自分でも不思議です。ラジオと雑誌のみですものね。
    デヴィッドも渋いおじさまになってますね。

    Tommy 2020/7/8 13:54

    はじめまして。最近JAPAN の良さを再認識しており、(よりによって)初期のアルバムを聴きながらコメントさせて頂いております。いやー、文章がおもしろい! やっぱり顔でしょ(笑) Cheap Trickなんかもそうですし、日本の女の子たちは美に対して反応いいからなぁ。でも初期のルックスもアルバムもわたしは大好きです。先日Adolescent SexのTシャツ海外サイトで購入してしまいましたよ、いい年して。
    『Adolescent Sex』はわたしは捨て曲のない素晴らしいアルバムだと思います。
    JAPAN は暗くて妖しいからこそいいんですよね(笑) むかーし忘れもしない、昭和女子大にデヴィッド…あ、デビちゃんがソロでライブしに来てくれて!会場が昭和女子大だったんです。わたしと友人以外はみんな大人ばかりでデビちゃんが「very quiet」と言って会場には静かな笑いが…
    あの若さで、あの音楽、ビジュアル…その後の活動や作品など、本当に頭が良く、才能のある人なのだなと、ど素人が思うわけです。

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