『トワイライトQ』とは?
『トワイライトQ』(トワイライトきゅー)は、日本の短編アニメーション集である。バンダイ ネットワーク フロンティア事業部(現・バンダイナムコアーツ)よりオリジナル・ビデオ・アニメーションとして発売された。
シリーズ全6話で構成される予定であったオムニバスの物語。アメリカのテレビドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』、『アウター・リミッツ』や、日本の特撮テレビドラマ『ウルトラQ』の路線を狙った構成であった。
1話目は『魔法の天使クリィミーマミ』からの繋がりで、脚本家の伊藤和典とキャラクターデザイナーの高田明美がアニメ監督の望月智充と組んで、時間テーマの正統派の娯楽SFアニメ『時の結び目 REFLECTION』(ときのむすびめ りふれくしょん)をリリースした。
2話目は原案からタッチした押井が、「訳が分からない作品を作る」と風評が立ったOVA『天使のたまご』や実写映画『紅い眼鏡/The Red Spectacles』といった流れの作家性を強く発揮された作品『迷宮物件 FILE538』(めいきゅうぶっけん ふぁいる ごひゃくさんじゅうはち)をリリースしている。
結局、6話予定だったこのシリーズは、2話で制作が終了する結果となった。だが、2話目で試みられたような、抽象的な映像と難解な長台詞による独白で構成される内容、実際の風景写真を取り込んだ独特の映像手法、テーマなどは、のちに劇場版『機動警察パトレイバー』にて結実する。
そういった構成を考えるなら、アメリカのテレビドラマ『トワイライト・ゾーン』においても、それぞれのエピソードを制作している監督は別人であり、物語の世界観や設定にも統一性はありません。ある意味、アニメ版の和製『トワイライト・ゾーン』という見方もできるでしょう。
しかし、第2話で制作が終了されることになってしまったのは悲しいですね。次項では、その全2話のストーリーについても振り返っていきます。
『トワイライトQ』各エピソードの本編動画・ストーリー
第1話『時の結び目REFLECTION』
海に流され、古びたかのように見えるカメラは、まだ発売されていない商品で、世の中に存在するはずのないものだと知ります。そして、その事実が発覚した直後、カメラは忽然と姿を消してしまいます。不思議な出来事の連続に、真弓は再びカメラを拾った島を訪れるのですが…
第2話『迷宮事件FILE538』
とある探偵が、不思議な親子の身辺調査を依頼されるところからストーリーが始まります。
アパートの窓からよく空を眺めている少女。探偵は彼女がそんな仕草を見せた日に限り、旅客機の失踪事件が発生していることに気付きます。そして、その疑念は、調査に費やす時間が長くなるほどに確証へと変わっていきました。
ある日、親子が揃って外出。またとないどcチャンスに、探偵は親子の身元を明らかにするものはないかとアパートに忍び込むのですが…
『トワイライトQ』の魅力とは?
『世にも奇妙な物語』
放送局 :フジテレビ系列
出演者 :タモリ
(ストーリーテラー役)
『トワイライトQ』はアニメ作品ながらも、ジャンルは確実に『世にも奇妙な物語』と同じ分野にカテゴライズされるコンテンツといえるでしょう。『世にも奇妙な物語』が放送される前に、あくまでOVA作品として制作されたため、日の光が当たることはなくメジャーな存在になりきれませんでした。
クオリティーや内容だけを考えれば、『トワイライトQ』2話のストーリーは、『世にも奇妙な物語』のエピソードにも劣りません。むしろアニメという特異性を活かし、テレビドラマでは再現できないような描写をしているところも、『トワイライトQ』ならではの魅力だと思います。
『世にも奇妙な物語』の内容やテイストがお好きなら、『トワイライトQ』の面白さも理解してもらえるでしょう。『世にも奇妙な物語』の1つのエピソードは、だいたい15~20分の時間にまとめられていますよね。『トワイライトQ』の本編時間は25~30分ほどあって、その分、『世にも奇妙な物語』のエピソードより濃密なのも見逃せないポイントですよ。
当時、ゴールデンの時間帯で地上波放送されていたら…『世にも奇妙な物語』のヒットに合わせて放送されていたら…そう考えてみると『トワイライトQ』の知名度や人気はかなり違っていたのだろうと推測されます。本当に惜しい限りです。
『トワイライトQ』まとめ
トワイライトQ 第1話
— 大空の海原に (@ark197645) June 10, 2019
時の結び目 REFLECTION
監督:望月智充
制作:亜細亜堂
原案:伊藤和典
イラスト :高田明美
アニメV 1987年 2月号 付録(^^;
今でも時々鑑賞してます🎵 pic.twitter.com/mOg0UhJkWj
トワイライトQ 迷宮物件 FILE538 押井守原案・脚本・監督
— たつぼうβ (@junklandZ) October 12, 2018
この頃の押井守が一番乗ってたかな。こっちも好きだったし。でも実写でパトレイバーなんかやりだした日には?しかなかった。新しいアニメ作らないのかな。人の評論したって自分の実績にはならないしね。宮崎御大は心中覚悟だよ。帰ってきて pic.twitter.com/d0ZogEGCo3
『トワイライトQ 迷宮物件 FILE538』(1987年)
— 吉田正高 (@yoshidamasataka) February 22, 2018
トワイライトQシリーズ第2弾は、押井守監督のテイストが前面に出た、前作とはうってかわった不条理ミステリー♪ 頭を空っぽにして、あるいは心を無にして観賞するのが吉☆ pic.twitter.com/0aIvJR0UE8
制作会社:亜細亜堂
ネットワークフロンティア事業部
発売時期:1987年