みんなが憧れた80's洋楽の華、ニュー・ロマンティックとは?
2017年1月16日 更新

みんなが憧れた80's洋楽の華、ニュー・ロマンティックとは?

80年代、MTVの登場により、華やかなヴィジュアルでファンを魅了するアーティストが多数生まれました。中でも、ロンドン発のニュー・ロマンティックと呼ばれるムーヴメントからは、デュラン・デュランをはじめ、派手な衣装やヘアースタイル、メイク、を施した、まるで少女漫画に登場する王子様のようなスターも続々と登場。今回は、そんなニュー・ロマンティックのスターたちをご紹介します!

28,641 view

ニュー・ロマンティックとは?

ニューロマンティック(ニューロマンティックス、ニューロマンティクス)とは、1970年代後半のロンドンで、ニュー・ウェイヴシーンから派生した音楽ジャンルのひとつ。イギリスでYMOを最初に紹介したとされるスティーヴ・ストレンジが主宰していたクラブ・ビリーズで開催されていた「デヴィッド・ボウイ・ナイト」が発祥と言われ、スティーヴ・ストレンジのバンド“ヴィサージ”が元祖ニューロマンティックであり、後にデュラン・デュラン、カルチャー・クラブなどが登場してきた。 ニューロマンティックのサウンド面は、基本的にはシンセサイザーを多用したエレクトロ・ポップが主体であるが、生演奏主体のバンドも多く存在するため音楽性は様々である。 ルーツとしては、デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック系等のグラム・ロックの流れからのダンディズムが構築されていったとされる。 巧みなビジュアル戦略により、1980年代前半のアメリカで第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれる一大ブームを巻き起こした。日本では、後のヴィジュアル系等にも影響を与えることとなった。

David Bowie - Ashes To Ashes

ニュー・ロマンティックの源流は、70年代グラム・ロック期のデヴィッド・ボウイ。1980年にリリースされた「Ashes to Ashes」のPVには、元祖ニュー・ロマンティックのスティーヴ・ストレンジ(ヴィサージ)が出演。まさに、ここから本格的にニュー・ロマンティックが始まったと言えるのではないでしょうか。
 ニュー・ロマンティックというムーヴメントは、エレ・ポップを中心とした音楽のジャンルとも言えますが、上記wikiからの引用でも分かるように、音楽的な共通点よりも、むしろ化粧やヘアメイク、ファッション、などのヴィジュアル面で語られることが多いジャンルのように思えます。

 そのせいか、純粋に自分たちの音楽を評価してほしいと感じているミュージシャンの中には、ニュー・ロマンティックに分類されることを嫌がる人も、いたりしますね。

 今回は、本人たちがどう感じているかはともかく、一般的に「ニューロマンティックだよね!」と言える、80年代前半に活躍したUKアーティストたちをピックアップしてみたいと思います。

VISAGE(ヴィサージ)

Visage Outside The Blitz Cl...

Visage Outside The Blitz Club 1980

 まずは元祖ニュー・ロマンティック、スティーヴ・ストレンジ率いるヴィサージを聴かないことには始まりません!1978年に結成され、1980年にシングル「Fade to Grey」が全英8位のヒットとなり、一躍スターとなったわけですが、スティーヴ以外のメンバーが次々と他バンドでの活動に専念するようになってしまい、メンバー交代が頻繁に行われ、残念ながら全盛期は長くは続きませんでした。1985年に解散してしまいます。

Visage - Fade To Grey

 その後、ヘロイン中毒などを乗り越え、2002年に活動を再開したスティーヴ・ストレンジ。2013年には29年ぶりに充実の新作を発表、さらに2014年には来日公演が実現!80年代と変わらぬニュー・ロマンティックなシンセ・ポップを聴かせてくれたのでした。

 まさに、これからの活躍が期待された矢先、2015年2月に心臓発作で死去。華麗なる復活を遂げた直後だけに、その55歳という若さでの訃報は信じられませんでしたが、最後までニュー・ロマンティックを体現したスティーヴ・ストレンジ、さすがです。

Whitby Goth Weekend - Visage - 'She's Electric' Live

ULTRAVOX(ウルトラヴォックス)

ultravox

ultravox

 1975年に結成されたウルトラヴォックスですが、バンドの創設者であるジョン・フォックスが脱退し、前述のヴィサージのメンバーだったミッジ・ユーロが加入してから、ニュー・ロマンティック色を強めていくことに。

 1981年にシングル・カットされた「ヴィエナ」が全英2位のヒットとなり、バンドはブレイクしたのですが、その後は徐々にニュー・ロマンティック色を弱めてしまい、ミッジ・ユーロが脱退した1986年に一時解散する事態に。

Ultravox - Vienna

 2008年、ミッジ・ユーロがバンドに復帰。2012年にリリースされたアルバム『Brill!ant』はニュー・ロマンティックの雰囲気が感じられる傑作となりました。Visage亡き後、ニュー・ロマンティックを表現できるのはミッジ・ユーロ=ウルトラヴォックスなのかもしれません。

Ultravox - Brilliant , the full album sampler

ABC(エービーシー)

ABC

ABC

 1980年に結成、1982年リリースの1stアルバム『The Lexicon of Love』が全英1位のヒット、シングル「The Look of Love」が全英4位、全米18位のヒットとなり、ニュー・ロマンティックを代表するバンドとなりました。

 しかしながら、あまりに1stアルバムが好評すぎたためか、2作目はイマイチ売れず、それ以降はニュー・ロマンティックというより、ソウル・ミュージック色を強めた作風でアメリカで成功することになりました。その後、セールスは下降線をたどり、1992年に活動休止。

ABC - Poison Arrow

1982年リリース、全英6位のヒット。
54 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【80's洋楽PV】「ビリー・ジーン」に「テイク・オン・ミー」!スゴイぞ、スティーヴ・バロン監督!

【80's洋楽PV】「ビリー・ジーン」に「テイク・オン・ミー」!スゴイぞ、スティーヴ・バロン監督!

80年代、MTVの登場により、音楽のプロモーションに欠かせない存在となったのが、プロモーション・ビデオ(PV)。ただ歌っているだけ、演奏しているだけの映像ではなく、最先端の技術を使って斬新な演出をしてみたり、映画顔負けのストーリー性を持たせてみたり、視聴者の目が釘付けになるような仕掛けがいろいろと試されました。中でも、特に印象的なPVを多数手がけていたのが、スティーヴ・バロン監督。そんなMTVには欠かせなかった、バロン監督が手がけた代表的PVをご紹介します。
Gaffa | 9,613 view
あの洋楽アーティストも出ていた!80's懐かCM!

あの洋楽アーティストも出ていた!80's懐かCM!

洋楽がお茶の間レベルにまで浸透し、人気のあった80年代。多くの海外アーティストたちが、日本のテレビCMにも登場しました。まだYouTubeやDVDなどが無い時代、憧れの海外アーティストたちが動く姿を見ることが出来る貴重な機会でもあった、懐かしいCMを振り返ってみましょう!
Gaffa | 14,665 view
【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、約40年前の1983年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。
izaiza347 | 453 view
デビッド・ボウイら著名アーティストも使用した電子楽器「Stylophone(スタイロフォン)」が国内販売開始!!

デビッド・ボウイら著名アーティストも使用した電子楽器「Stylophone(スタイロフォン)」が国内販売開始!!

イギリス発の電子楽器ブランド「Stylophone(スタイロフォン)」の日本正規代理店であるGLOBAL SPADEより、Stylophoneシリーズ商品の国内販売がスタートしました。
隣人速報 | 190 view
デヴィッド・ボウイの生誕75周年記念!オフィシャル・ウォッチの販売がスタート!!

デヴィッド・ボウイの生誕75周年記念!オフィシャル・ウォッチの販売がスタート!!

インペリアル・エンタープライズ株式会社より、「デヴィッド・ボウイ 生誕75周年記念 オフィシャル・ウォッチ」が、PREMICOオンラインショップにて現在好評発売中です。
隣人速報 | 356 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト