【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!
2024年9月7日 更新

【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、約40年前の1983年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。

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『見つめていたい』

『見つめていたい』は、イギリスのロックバンド、ポリスの最大のヒット曲で、1983年の全米シングルチャートで年間ナンバーワンを達成した楽曲です。第26回グラミー賞では、主要4部門の一つである「最優秀楽曲賞」を受賞しています。リードボーカルはソロとしても活躍するスティング。ミュージックビデオでコントラバスを奏でながら歌う映像は、特に印象的なものでした。

原題『Every Breath You Take』
実際は、

Every breath you take
(君が息をするたびに)
Every move you take
(君が動くたびに)
・・・・・
I'll be watching you
(君を見つめている)

と歌っており、歌詞の主意から邦題では、"I'll be watching you" (君を見つめている) の方を採用した模様です。

歌詞について、のちにスティングは「ラブソングのように聞こえるが、本当は不気味で醜いもの」と話しています。

『見つめていたい』

The Police - Every Breath You Take (Official Music Video)

『今夜はビート・イット』

『今夜はビート・イット』は、言わずと知れたマイケル・ジャクソンの歴史的ヒット曲で、マイケルを世界的スーパースターに伸し上げた楽曲の一つです。本曲を収録するアルバム『スリラー』は、2024年現在、世界で史上最も売れたアルバムとして、ギネス世界記録に認定されています。第26回グラミー賞では、マイケルが史上最多の8部門を受賞。中でも、本曲『今夜はビート・イット』は、グラミー賞最高の栄誉である「最優秀レコード賞」を受賞しています。

原題『Beat It』。原題をそのままカタカナにして『ビート・イット』とすれば良さそうなものですが、当時は、わざわざ日本語で枕詞を付記するようなケースも見られました。同様のケースとして、同年ヒットしたカジャグーグーの『君はTOO SHY(トゥーシャイ)』などがあります。

『今夜はビート・イット』

Michael Jackson - Beat It (Official 4K Video)

『君は完璧さ』

『君は完璧さ』は、イギリスのニューウェーブバンド、カルチャー・クラブの代表曲の一つで、本曲のヒットで世界的な大ブレイクを果たしました。彼らは第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンを象徴するグループで、その後、『カーマは気まぐれ』や『タイム』など多くの大ヒット曲が誕生しています。

原題『Do You Really Want To Hurt Me』で、意味は「本当に私を傷つけたいの?」。当初の邦題は、原題のニュアンスに近い『冷たくしないで』でしたが、シングル化の際に『君は完璧さ』という原題からかけ離れたものに変更したようです。

『君は完璧さ』

Culture Club - Do You Really Want To Hurt Me

『情熱物語』

『情熱物語』は、ドナ・サマーの大ヒット曲の一つ。河合奈保子の『UNバランス』という曲の冒頭が酷似しており、洋楽を聞かない人でも馴染みのあるメロディかもしれません。

原題は『She Works Hard For The Money』で、意味は「彼女はお金のために一生懸命働いている」。なんとも味気ない原題ですが、その続きが「大切な人のために一生懸命働いているんだから、彼女を大切にしなよ」という内容で、このあたりの意味合いから『情熱物語』という邦題になったのかもしれません。

『情熱物語』

Donna Summer - She Works Hard For The Money

『あの娘にアタック』

日本でも、世代を越えて人気の高いビリー・ジョエル。アメリカでは3曲のナンバーワン曲があり、その一つが本曲『あの娘にアタック』です。因みに、"あの娘" は "あのこ" と読みます。

原題は『Tell Her About It』で、意味は「彼女に伝えなよ」。詞は、恋人がいる男性に対し、彼女への接し方を助言する内容です。ところが、"アタック" という表現は、これから告白するような雰囲気があり、若干の違和感があります。

一時期、フジテレビの朝の情報番組『とくダネ!』にて、番組テーマソングとして使用されていました。

『あの娘にアタック』

Billy Joel - Tell Her About It (Official Video)

『プリーズ・テル・ミー・ナウ』

デュラン・デュランは、カルチャー・クラブと同様、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンを牽引したイギリスのロックバンド。中でも、『プリーズ・テル・ミー・ナウ』は、イギリスでナンバーワンを獲得した大ヒット曲です。

邦題は、英語の "Please Tell Me Now" をそのままカタカナにしたものなので、原題も『Please Tell Me Now』と思っている人が多いかもしれません。実際、曲中でも、"Please please tell me now" と連呼しており、そう思うのも無理からぬことです。

ところが、原題はなんと『Is There Something I Should Know?』

実際の歌詞は、

Please please tell me now
(お願いです、今すぐ教えてください)
Is there something I should know?
(知っておくべきことはありますか?)

と歌っており、つまり、
「今すぐ教えてください」
ではなく
「知っておくべきことはありますか?」
の方が原題だったということです。

『プリーズ・テル・ミー・ナウ』

Duran Duran - Is There Something I Should Know? (Official Music Video)

『渚の誓い』

日本でもファンの多い、オーストラリア出身のソフトロック・デュオ、エア・サプライ。本曲『渚の誓い』は、『ロスト・イン・ラヴ』や『シーサイド・ラヴ』などと並ぶ彼ら最大のヒット曲です。

原題『Making Love Out Of Nothing At All』。意味は「何もないところから愛を作り出す」で、邦題の『渚の誓い』とは全く関連がありません。歌詞を見ても、ミュージックビデオを見ても、渚や海に関するシーンはなし。エア・サプライというと海のイメージが強いので、意図して "渚" と付けたのでしょうか。
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