2018年3月5日 更新
著作権侵害で訴えられた幻のクソゲー『ドラちゃん』は単体のゲームとして見ても中身スッカスカ
「あんなこといいな、できたらいいな」と考えて、つい作っちゃったのかもしれないこのゲーム。1980年、クラール電子がアーケードゲームとして発売してしまった”著作権侵害”ゲームです。皆さん御馴染みのあの主題歌まで流しちゃって、もう言い逃れできません。どうしてこうなった…。
概要
本作『ドラちゃん』は、名作アーケードゲーム『クラッシュローラー』で知られるクラール電子が発売してしまった負の遺産(アーケードゲーム)です。一応。『クラッシュローラー』と同様に開発自体はアルファ電子(後のADK)が行っています…。
問題点が目白押し!
超☆著作権侵害!
まず第一に、小学館に無許可で「ドラえもん」のキャラクターなどを使用しています。
『ドラちゃん』は名前で分かるとは思いますが、ドラえもんの登場するゲームです。
しかし本作はあろうことか、事前に小学館の了承を得ずに勝手に製作しリリースまでされていました。
音楽まで無断で使用されている
本作はステージクリアするごとにボーナスステージが現れるのですが、そこではなんとあの「ドラえもんのうた」が(当時の技術故、音楽のみで歌はありませんが)超大音量かつ超スローで流れてきます。
一度だけハートを画面下から発射してドラえもんに当たるようハートを左右に操作するというつまらないボーナスステージの内容と相まって、プレイどころか見ているだけでイヤな気分になってくることうけあいです。
音楽はゲームを盛り上げる重要な要素です。せめて「ドラえもんのうた」を流すのであれば、アップテンポにした明るい曲調にアレンジしてステージ中で流してくれれば、それだけで本作の印象は多少異なったものとなっていたかもしれませんね。まあ、著作権法には触れていますのでアウトですが。
ゲームシステムも「ドラえもん」である意味がない
レバーで自機である『ヘッドオン』みたいな車?を東西南北に動かして敵から逃げながらドットを集めて画面上部の赤い壁に付いたトゲを取り除き、トゲがなくなって赤い壁にあいた穴を通れるようになったらドラえもんに体当たりしてステージクリア。…以上です。
やる事は本当にこれだけで、ひみつ道具を使ったりのび太達が登場したりといったドラえもんならではの要素は一切ありません。普通にオリジナルでは駄目だったのでしょうか…。
ステージにいる敵キャラは本作オリジナルの犬や猫、猿といった動物で、絵柄も全く藤子タッチではありません。
この敵キャラのデザインは後に『クラッシュローラー』でもカラー化されて背景に流用されています。それだけならまだしも、これらの敵は動きが妙にトリッキーで先を読みにくく、おまけに縦への移動がなぜか8ドット単位で急に動くという雑な仕様なため頻繁にぶつかりやすいです。
なんとかして評価点を…
ドラえもんの絵は1980年という時代にしては良くできている
また、基板には日本語フォントのデータがないにも関わらずタイトル画面で複数の球体を並べて「ドラちゃん」と日本語表記しているのも芸が細かいですね。
…肝心のゲーム内容の方にも力を入れろと言わざるを得ないわけですが。
総評……
-
すべてのコメントを見る (2)
コメントを書く
※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。