著作権侵害で訴えられた幻のクソゲー『ドラちゃん』は単体のゲームとして見ても中身スッカスカ
2018年3月5日 更新

著作権侵害で訴えられた幻のクソゲー『ドラちゃん』は単体のゲームとして見ても中身スッカスカ

「あんなこといいな、できたらいいな」と考えて、つい作っちゃったのかもしれないこのゲーム。1980年、クラール電子がアーケードゲームとして発売してしまった”著作権侵害”ゲームです。皆さん御馴染みのあの主題歌まで流しちゃって、もう言い逃れできません。どうしてこうなった…。

14,231 view

概要

ドラえもん(1) (てんとう虫コミックス)

ドラえもん(1) (てんとう虫コミックス)

念のためドラえもんの画像でも貼っておこうと思って…。
本作『ドラちゃん』は、名作アーケードゲーム『クラッシュローラー』で知られるクラール電子が発売してしまった負の遺産(アーケードゲーム)です。一応。『クラッシュローラー』と同様に開発自体はアルファ電子(後のADK)が行っています…。

問題点が目白押し!

超☆著作権侵害!

まず第一に、小学館に無許可で「ドラえもん」のキャラクターなどを使用しています。

『ドラちゃん』は名前で分かるとは思いますが、ドラえもんの登場するゲームです。
しかし本作はあろうことか、事前に小学館の了承を得ずに勝手に製作しリリースまでされていました。
映画ドラえもん のび太の恐竜 [DVD]

映画ドラえもん のび太の恐竜 [DVD]

ちなみに1980年は映画ドラえもん第1作目「のび太の恐竜」が公開された年でもありました。

音楽まで無断で使用されている

本作はステージクリアするごとにボーナスステージが現れるのですが、そこではなんとあの「ドラえもんのうた」が(当時の技術故、音楽のみで歌はありませんが)超大音量かつ超スローで流れてきます。
ドラえもんのうた (OP)

ドラえもんのうた (OP)

「あんなこといいな、できたらいいな」でお馴染みのアレです。
一度だけハートを画面下から発射してドラえもんに当たるようハートを左右に操作するというつまらないボーナスステージの内容と相まって、プレイどころか見ているだけでイヤな気分になってくることうけあいです。
音楽はゲームを盛り上げる重要な要素です。せめて「ドラえもんのうた」を流すのであれば、アップテンポにした明るい曲調にアレンジしてステージ中で流してくれれば、それだけで本作の印象は多少異なったものとなっていたかもしれませんね。まあ、著作権法には触れていますのでアウトですが。
『クレイジー・クライマー』パッケージ

『クレイジー・クライマー』パッケージ

尤も、当時のゲーム業界全体の風潮であり、同年の『クレイジー・クライマー』でも「ドラえもんのうた」が使用されていましたけども。

ゲームシステムも「ドラえもん」である意味がない

レバーで自機である『ヘッドオン』みたいな車?を東西南北に動かして敵から逃げながらドットを集めて画面上部の赤い壁に付いたトゲを取り除き、トゲがなくなって赤い壁にあいた穴を通れるようになったらドラえもんに体当たりしてステージクリア。…以上です。

やる事は本当にこれだけで、ひみつ道具を使ったりのび太達が登場したりといったドラえもんならではの要素は一切ありません。普通にオリジナルでは駄目だったのでしょうか…。
『パックマン』パッケージ

『パックマン』パッケージ

つまり「ドットイートゲーム」だったわけです。
「ドットイートゲーム」と言えば『パックマン』ですね。
ステージにいる敵キャラは本作オリジナルの犬や猫、猿といった動物で、絵柄も全く藤子タッチではありません。
この敵キャラのデザインは後に『クラッシュローラー』でもカラー化されて背景に流用されています。それだけならまだしも、これらの敵は動きが妙にトリッキーで先を読みにくく、おまけに縦への移動がなぜか8ドット単位で急に動くという雑な仕様なため頻繁にぶつかりやすいです。

なんとかして評価点を…

ドラえもんの絵は1980年という時代にしては良くできている

また、基板には日本語フォントのデータがないにも関わらずタイトル画面で複数の球体を並べて「ドラちゃん」と日本語表記しているのも芸が細かいですね。
…肝心のゲーム内容の方にも力を入れろと言わざるを得ないわけですが。

総評……

29 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • 2019/5/13 11:58

    この記事自体が無断転載レベルですよね

    転載ですか? 2019/4/5 06:47

    内容が某wikiと同じですが
    引用の域を超えてませんかね?
    wiki側が転載したのでしょうか

    すべてのコメントを見る (2)

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

「いっき」はクソゲーと呼ばれながら皆に愛され続ける、微笑ましくもコミカルなアクションゲーム。

「いっき」はクソゲーと呼ばれながら皆に愛され続ける、微笑ましくもコミカルなアクションゲーム。

「いっき」1985年にアーケードゲームで登場し、同年にファミコンに移植されたアクションゲーム。いわゆる「クソゲー」としての知名度が高いゲームでしたが、実際はアクションゲームのヒット作でした。「一揆なのに一人で戦う」とか「一揆なのに相手が忍者」などツッコミ要素が強い作品だった「いっき」について振り返ってみます。
青春の握り拳 | 34,946 view
『ドラえもん』第1巻の50周年記念スペシャル版が発売!豪華ダブルカバー&カラーページ収録&永久保存版別冊付き!!

『ドラえもん』第1巻の50周年記念スペシャル版が発売!豪華ダブルカバー&カラーページ収録&永久保存版別冊付き!!

小学館より、藤子・F・不二雄による国民的作品「ドラえもん」の単行本「てんとう虫コミックス『ドラえもん』第1巻 50周年記念スペシャル版」が現在好評発売中となっています。価格は990円(税込)。
隣人速報 | 182 view
【訃報】「ドラえもん」野比のび太役などを務めた声優・小原乃梨子さん死去。アニメ・声優界から追悼コメントが続々と

【訃報】「ドラえもん」野比のび太役などを務めた声優・小原乃梨子さん死去。アニメ・声優界から追悼コメントが続々と

国民的テレビアニメ「ドラえもん」の野比のび太役などで知られる声優・小原乃梨子(おはら のりこ、本名:戸部法子)さんが12日、亡くなっていたことが明らかとなりました。88歳でした。
隣人速報 | 296 view
1978年~1986年にかけて連載された!藤子・F・不二雄原作漫画「T・Pぼん」のLINEスタンプが登場!!

1978年~1986年にかけて連載された!藤子・F・不二雄原作漫画「T・Pぼん」のLINEスタンプが登場!!

株式会社 藤子・F・不二雄プロ(藤子プロ)より、漫画家の藤子・F・不二雄が描いた「T・Pぼん」(タイムパトロール・ぼん)のLINEスタンプが現在好評発売中となっています。
隣人速報 | 251 view
みんな楽しみにしていた!1980年代に公開されたおススメドラえもん映画

みんな楽しみにしていた!1980年代に公開されたおススメドラえもん映画

ミドルエッジ世代の皆さんはドラえもんと共に育ってきたと言っても過言ではないように思います。子供の頃は週に2度ドラえもんの放送(再放送含む)があり、テレビでも漫画本でも常にドラえもんと関りがありました。そんなドラえもんは映画にも進出します。そこで今回は1980年代に公開されたおススメのドラえもん映画についてご紹介します。
そうすけ | 211 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト