陽気なカウボーイが捲き起こすニューヨークの西部劇『警部マクロード』
2017年5月31日 更新

陽気なカウボーイが捲き起こすニューヨークの西部劇『警部マクロード』

西部の田舎町からやって来たカウボーイが、ニューヨークの街中で馬に乗って暴れまくる。当のアメリカ人たちもビックリの時代遅れの装いで、70年代に刑事コロンボと人気を二分した『警部マクロード』について語っていきましょう。

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デニス・ウィーバーは、シリーズ開始当初40代半ば。並外れた運動神経の持ち主で、馬に乗るのはもちろん、カーチェイスも、馬車の屋根の上での殴り合いも、高層ビル屋上での格闘も、ヘリコプターでの宙吊り移動も、スタントマンを使うことなく、全て自分で演じたそうです。
1959年名作ドラマ「ガンスモーク」でエミー賞を受賞。スティーヴン・スピルバーグの監督デビュー作「激突」の主演でも有名ですね。
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スピルバーグ監督の「激突」
デニス・ウィーバーはマクロードについて、こう語っています。
マクロードの人気の原因は、彼がニューヨーク市警のなかにあって、ことごとく官僚主義を嫌っている点にあるのではないかと思います。その結果、いろんな困難にぶつかりますがね。彼はいってみれば、まあ負け犬の立場にいるんですね。田舎者ですし。でも、それが、つまり彼の忍耐力が最後には勝者となるわけです。
via 二見書房発行/ディヴィッド・ウィルソン著『ニューメキシコの顔』訳者井上一夫あとがきより

ピーター・B・クリフォード刑事部長:J.D.キャノン

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日本語版吹き替えは加藤武さん。マクロード相手にカリカリした様が最高でした。
ニューヨーク市警の官僚的な捜査官で、マクロードの直属の上司で、実は一番の理解者。マクロードの破天荒な振る舞いに対して、ニューヨーク市長や市警本部長から小言を言われるので、マクロードには常にガミガミ言うハメに。しかし全く言う事を聞かないマクロードにカンカンになる、という件のやり取りが、ドラマの人気の一つにもなっています。
J.D.キャノンは「暴力脱獄」や「逃亡者」でも知られていますが、マクロードについて「これほど夢中になれるドラマに出会った事はない」と、熱く語っていたそうです。

ジョー・ブロードハースト刑事:テリー・カーター

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ニューヨーク市警所属の黒人刑事。保守的で真面目な若手のホープという位置づけですが、マクロードと相棒を組んだ結果、騒動に巻き込まれ、失態を晒す事もしばしば。
テリー・カーターは「宇宙空母ギャラクティカ」などで知られていますね。

クリス・コフリン:ダイアナ・マルドー

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マクロードの彼女。コラムニストでニューヨーク警察本部長のいとこ。自立心の強い都会のレディーです。
ダイアナ・マルドーは、「新スタートレック」や「LAロー七人の弁護士」などで知られています。
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キュートでコミカルな婦警さんとして、テリー・ガーも好演。

映画『マンハッタン無宿』との関係

1968年製作、ドン・シーゲル監督、ハーマン・ミラー脚本、クリント・イーストウッド主演の映画『マンハッタン無宿』という映画がありました。
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クリント・イーストウッド演じる、アリゾナ州のクーガン保安官がニューヨークに派遣され、ニューヨーク市警の官僚主義と戦いながら、独自の手法で犯人を追い詰めていくという、大都会のロンサムカウボーイもの。
実はこの『マンハッタン無宿』が、『警部マクロード』誕生の大きな鍵になっているのです。
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