2016年5月2日 更新
たった一人の相撲部員、五所瓦が助っ人部員たちと団体戦優勝を目指す相撲マンガ「うっちゃれ五所瓦」を覚えてますか?
かつては名門相撲部だったものの、部員が一人だけとなり廃部が決定したことで、最初で最後の団体戦を目指した最後の相撲部員、五所瓦。助っ人部員となった仲間たちと一緒に団体戦優勝を目指していく、涙と笑いの相撲マンガ「うっちゃれ五所瓦」を振り返ります。
「うっちゃれ五所瓦」とは
マンガ「うっちゃれ五所瓦」は、1988年から「少年サンデー」で連載された、高校相撲マンガです。かつては名門と言われた武蔵山高校相撲部ですが、現在は三年生の五所瓦角(ごしょがわら かく)がただ一人の部員ということで、来年は廃部が決定しています。一度でいいから団体戦を戦ってみたいと考えた五所瓦が、仲間を探し、仲間と一緒に団体戦を戦う姿を描いています。まっすぐに相撲に向き合う五所瓦と、その姿に共感して助っ人となっていく仲間たち、対戦相手のライバルや悪役監督なども登場して、相撲を知らない読者たちを惹きつけ、平成元年小学館漫画賞を受賞しています。
「うっちゃれ五所瓦」のあらすじ
武蔵山高校三年生、五所瓦 角は、たった一人の相撲部員。来年度以降の廃部が決まった相撲部に最後の花を添えるため、インターハイ団体戦で優勝できるメンバーを集めていた。そんな彼の誠意と熱意に、柔道インターハイ制覇した柔道部主将清川薫、プロレスラー志望のレスリング部員関内孝之、ハッタリとコケオドシを得意とする硬派の応援団員難野一平、小心者だがチョンマゲの似合う巨漢の囲碁部雷電五郎、……といった個性的なメンバーが集結する。
彼らは即席チームメイトながらも、五所瓦の熱意に応えるため一致団結し、自分たちの得意技を駆使して、次々と個性的な敵チームを破り、地区予選を勝ち進んでいく。
「うっちゃれ五所瓦」の登場人物
田門 泰造(たもん たいぞう)
黒島高校相撲部主将で、過去2年優勝している高校横綱です。五所瓦と対戦してその実力を認めていますが、冷酷で残忍な性格から、部長とともに「ダーティコンビ」と呼ばれていて、精神的に相手を揺さぶるような手段を選ばないところもあります。他の高校の大将クラスが団体戦メンバーに揃っています。
神田 八十次(かんだ やそじ)
黒島高校の数学教師で相撲部監督です。選手の育成能力や対戦相手の分析など、監督としての能力はありますが、勝つために手段を選ばないところがあり、団体戦のために個人戦でケガをさせるように指示をするなど、教育者としてはいかがなものかと思わざるを得ない人物です。
長谷川 清(はせがわ きよし)
武蔵山高校柔道部部長、柔道5段で国体優勝経験もあるらしい実力者です。教え子を信頼し、清川の意思を尊重して、柔道部から送り出します。こういう指導者が個人的には理想です。
その他にも、杉田工業高校の丙馬一郎(ひのえうまいちろう)や、和樽高校のアルゼンチンからの留学生アントニオ・マルセロなど、個性的な対戦相手がたくさん登場します。
そして、観客の声援や驚き、感嘆の声が、読者の共感を呼びながら、試合をより盛り上げていきます。
五所瓦の活躍を知ったOBや、雷電が所属していた囲碁部の仲間たちの応援もあり、一試合ごとに成長していくチームに、感動とともに声援を送ります。
「うっちゃれ五所瓦」の魅力とは
うっちゃれ五所瓦の魅力は、何と言っても五所瓦のまっすぐに努力していく姿と、その気概に打たれた部員たちが真剣に勝負に取り組む姿です。自分の持てる力を駆使して、優勝を目指していくなかには、「これはないでしょう」と思えるものもありますが、ただの根性物語ではなく、ギャグに笑いながらも青春に涙する感動的なシーンもあり、相撲を知らなくても純粋に楽しめます。
今にして見れば、相撲というマイナーなジャンルに取り組んだのは、当時の若貴ブームに便乗した感じがありますし、正直私も相撲に関してはド素人なのですが、相撲の知識が無くても努力・友情・勝利を綺麗に描いているので、「相撲」が知らなくてもサクサク読めましたし、むしろ「相撲漫画」ではなく「少年漫画」として読むのが正しいと思います。本当にあの最終回は見ていて清々しいものがありました・・・。
-
すべてのコメントを見る (1)
コメントを書く
※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。