80年代に起こった!!名門デパートを舞台にした『三越事件』!!
2019年10月2日 更新

80年代に起こった!!名門デパートを舞台にした『三越事件』!!

80年代当時、社長だった岡田茂氏が会社を私物化し独裁体制を確立させた事件。後に社長は愛人と共に逮捕され実刑判決が下り収監され、世間を大いに賑わせた事件。

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1982年6月17日、納入業者に対し三越の商品や日本映画『燃える秋』の映画前売券等の購入を要請(押し付け販売)、協賛金や社員派遣を要請、種々の催し物への費用負担の要請につき、三越は独占禁止法第19条の不公正な取引方法(優越的地位の濫用)に当たるとした審決を受ける(公正取引委員会昭和57年6月17日同意審決)。

30年以上の取引停止

大和運輸(クロネコヤマトでお馴染みの現・ヤマトホールディングス)は、創業直後から三越の契約配送業者だったが、上述した映画前売券などの購入を強要された事に加えて配送料金の値上げを拒否されたことから、三越との配送契約を1979年2月に解除。

ヤマト運輸が三越との取引を再開するのはそれから31年後の2010年4月1日で、三越と伊勢丹が経営統合して2008年に三越伊勢丹ホールディングスが発足した後のこととなる。

贋作問題

三越日本橋本店で「古代ペルシア秘宝展」が開催されたが、出展物の大半が『贋作』であることが、朝日新聞社の報道により判明。
当時はどえらい騒ぎになりました。何故なら出品された一部は既に億単位の値がついていたからだとされています。

社長解任劇

当時、社外取締役であった三井銀行(現・三井住友銀行)の小山五郎相談役は、古代ペルシア秘宝展問題の引責を辞任理由とすれば、岡田氏にあまり傷がつかないとして辞任を勧告したが、岡田氏はブチ切れて辞任を拒否。

以降、小山相談役を始めとする三井グループ各社の幹部や三越内部の反岡田派は、岡田の社長追い落としを図り始めた。
1982年9月22日、取締役会で岡田は腹心の杉田忠義専務に議長を交代した。
配布資料で「その他」とのみ書かれていた。
事前の打ち合わせでは岡田についての風説は事実に反することの確認とされており、それゆえの議長交代であった。
しかし杉田は岡田の社長職と代表権を解くことに賛同する者の起立を求め、それに応じて14人の取締役が起立した。

驚いた岡田は「何だこれは!」と叫んだが、理由を説明する義務はないと突っぱねられた。さらに岡田は「おかしいじゃねえか。議長は俺だ!」と食い下がるが、
小山五郎社外取締役の提案により改めて発議された動議は16対0で可決成立し、その場で岡田は非常勤取締役に降格となった。
流行語にも!
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岡田氏はなおも「違法だ!」「なぜだ!」と怒鳴ったが、顧問弁護士が呼び出され、解任手続きに瑕疵(きず・欠点)がないとの旨を述べた。

この時に岡田氏が発したとされる言葉「なぜだ!」この年の流行語となった。
岡田は小山相談役から「岡田君、もう終わったのだよ」と声をかけられても「なぜだ……」と力なく呟き続けていたという。その後、役員陣は記者会見を開き、岡田氏の解任事態を公表した。

後任には、岡田氏によって左遷された名古屋三越社長の市原晃氏が就任した。
逮捕・起訴・実刑!
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社長解任後、岡田氏と愛人の竹久は19億円の特別背任罪の容疑で、東京地方検察庁特別捜査部(東京地検特捜部)に逮捕された。

岡田には東京高等裁判所で懲役3年の実刑判決が下り、上告中の1995年7月20日に腎不全のため死去(享年80)し公訴棄却。(拘置所で獄中死)

竹久みちは最高裁まで争ったが懲役2年6月、罰金6000万円の実刑判決が確定し、栃木刑務所で1年6ヶ月服役。
出所後、2009年(平成21年)7月24日に、病気のため東京都内の病院で死去。

映画やドラマ

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この三越事件は後に映画やドラマにもなっています。

1983年に、事件をモデルに当時のにっかつがにっかつロマンポルノのひとつとして『女帝』というタイトルで映画化。

テレビ朝日系土曜ワイド劇場『家政婦は見た!』第24作「美貌の女帝とデパートの帝王、昼と夜二つの顔の秘密!愛されて…憎まれて、裏切られてなぜだ!?」(2006年3月4日放送)、同系の朝日放送製作『ザ・ハングマンII』の第23話「女帝と社長の色と欲 ニセ秘宝展をあばけ」(1982年11月19日放送)は、この事件をモチーフにしているそうです。
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