べェシールを夢中になって集めた…森永「チョコベー」
2017年9月8日 更新

べェシールを夢中になって集めた…森永「チョコベー」

1972年~1978年ごろに販売された森永のお菓子「チョコベー」。「君はチョコベーを見たか」という印象的なTVCMとバリエーション豊かなオマケ「ベェシール」により、当時の子どもたちから絶大な支持を受けたこのヒット商品についてまとめてみました。

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「君はチョコベーを見たか」のTVCMで話題を呼んだ「チョコベー」

札幌で冬季オリンピックが開かれ、日中国交正常化を記念してパンダが来日し、田中角栄の『日本列島改造論』がベストセラーになった1972年。あるお菓子が日本中の子どもたちを虜にしました。その名は『チョコベー』。

『チョコベー』は、棒状のヌガーをチョコレートで包んだシンプルなお菓子。発売初期のころはこれといったオマケもない代わりに、20円と非常に安価でした。このお菓子の流行に大きく貢献したのが、当時放送されていたテレビCMです。
チョコベーCM より

チョコベーCM より

…舞台はとある田舎の小学校。放課後、校庭で両手を大きく広げた坊主頭の少年が、自分の影をじっと見つめています。パッと空を見上げると、そこには自分の影の残像が。しかし、すぐに残像は消えてしまいます。もう一度、影を見つめ直す少年。今度は、ヤジロベーのように片足を上げた状態です。すると、影は遠くに見える山のほうへ向かって、ニョキニョキと拡大しながら伸び始めます。山頂までたどり着いたその影法師は、パッケージイラストのチョコベーに変身!「チョーコべェー…」と、まるでウルトラマンに出てくる怪人のような低いうなり声を上げるのです。そして最後に少年の声で一言。「君はチョコベーを見たか」。

こうしたインパクト絶大な内容だったために、このCMは、日本テレビコマーシャル制作社連盟(JAC)による「昭和の名作CM100選」にも選ばれています。中にはこのCMがトラウマ化しているかつての少年少女もいるとかいないとか…。

なつかしのCM 「森永製菓 チョコベー」

自分の名前入り「ベェシール」欲しさに、子どもたちは駄菓子屋へ殺到した

チョコベーの人気を不動のものにしたのが、1973~75年ごろに同封されていた「ベェシール」というおまけです。

いったいどんなシールなのかというと、「タロベー」「ハナベー」といったように、「○○ベー」の○○にランダムで2文字入ったイラスト入りのシールでした。当時の子どもたちは自分の名前入りのベェシール欲しさに(たとえば、タツヤだったら「タツベー」、ナツコだったら「ナツベー」など)、定価の30円を惜しげもなくチョコベーのためにはたいていったのです。

森永チョコベー(シール付き)

バージョンアップし続けた「ベェシール」

ベェシールは第1弾から第4弾までバージョンアップしていき、いずれもたいへんな評判を呼びます。第1弾は、全50種類。基本縦長のデザインでしたが、中には、パッケージイラストのヤジロベーをモチーフにした横長のデザインのシールも。また、人物のイラストのみだった第2弾以降とは異なり、人型をした動物のシールも存在しました。
ベェシール(モグベー)

ベェシール(モグベー)

第1弾ベェシールいろいろ

第1弾ベェシールいろいろ

ベェシール第2~3弾は、漫画家のとりいかずよしがイラストを担当

シール付きチョコベーのTVCMで「君の名前のあるか知れない」と言っておきながら、中途半端に「モグベー」などの動物系シールを混在させた反省を活かしてなのか、第2弾以降は、シールのイラストを人物のみに限定していきます。

イラスト制作にあたったのは、漫画家のとりいかずよし。週刊少年ジャンプ黎明期の大ヒット漫画『トイレット博士』で知られる同氏は、子どもたちをギャグテイストで描いたイラストを多数提供し、チョコベーを盛り上げました。
トイレット博士(とりいかずよし)

トイレット博士(とりいかずよし)

ベェシール(ミキベー)

ベェシール(ミキベー)

ベェシール(トモベー)

ベェシール(トモベー)

第4弾は、赤塚不二夫がイラストを描いている

1974年発売の第4弾になると、とりいの師匠・赤塚不二夫がイラストを担うようになります。シールには「フジオ プロ(赤塚の個人事務所)」のロゴも刻印されており全50種類。この4弾までがチョコベーの黄金期であり、以降人気は下降線をたどることとなるのです。
ベェシール(タロベー)
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