【制作について】
この映画は1976年に「ボーイズ・ボーイズ/ケニーと仲間たち」という少年視点の映画を撮っているドン・コスカレリ監督が、噂によれば親の金を注ぎ込んでは製作から脚本など何でもやって作った自主製作系の映画なのですが、それにしては興行的にもそこそこ成功を収めていますし、それなりに元もとれて本人も満足できたのではないでしょうか。それはそれでいいのですが、その後ほぼ10年近くを経て突如続編の「ファンタズム2」(1988) を発表したかと思うと、さらに「ファンタズム III」(1994) 「ファンタズム IV」(1998) とシリーズ第4作まで立て続けに作っていきます。しかもキャストは初回「ファンタズム」とほぼ同じメンバーのままで、多分スタッフから何からみんな同じメンバーなのでしょう。
【映画の鑑賞コメント】
何度観てもストーリーを人に説明できない。忘れてしまうのだよ。脈絡がなく、まるで夢を見ているようである。実際に、コスカレリ監督の見た夢をそのまま映画化したものなのだそうだ。つまり、これはアメリカン『ねじ式』なのであり、脈絡がないのも当然なのだ。
純粋に映画として観ていると致命的な欠点が多いことも事実で、そこそこ熱のこもった演技を魅せている出演者たちの努力に対して撮影のコンセプトが曖昧で、特に夜のシーンが多い割りには照明が不自然な箇所が多すぎる点にストレスを感じます。スフィア以外にはこれといった特撮シーンもないのですが、キューブリック作品を思わせる色彩感を重視したセットが撮影的に生かされていないこと、さらに1979年の映画でありながら何と音声がモノラルという点も致命的です。私はロードショー時に観ていましたが、その時のチラシとかには「ビジュラマ方式」という「驚異の新4ch超立体音響システム」での上映と宣伝されていたのですが、あれは何だったのか今でも謎のままです。
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映画『ファンタズム』は、独特な世界観とじんわりとくる恐怖がありました。不思議な感じと驚きがある作品です。是非、ご覧ください。
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