私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、
『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、
古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回は、80年代初頭のアオシマが、完全合体を目指して発売した「合体ロボット ザンボット3」と、2017年にガンプラのバンダイが、究極の完全合体を売りにして発売した「スーパーミニプラ版ザンボット3」との、36年の時を経た、徹底比較です!
今回は、80年代初頭のアオシマが、完全合体を目指して発売した「合体ロボット ザンボット3」と、2017年にガンプラのバンダイが、究極の完全合体を売りにして発売した「スーパーミニプラ版ザンボット3」との、36年の時を経た、徹底比較です!
前回も紹介した『無敵超人ザンボット3』だが、その非情かつ妥協のないテーマやドラマ性とは別個に、メカニックとしての売りは、主題歌の歌詞にもあるとおり「3つのメカが一つになって」ザンボット3に合体するというものであった。
単純な3機メカ合体は、既に合体スーパーロボットの元祖『ゲッターロボ』(1974年)が取り入れており、『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976年)からは「合金玩具で再現できる、合体ロボット」が主流になってきていた時代でもあったため、『ザンボット3』ではSF的戦闘機、戦車、偵察機の3種のメカが合体するだけではなく、主人公少年の乗る戦闘機が、独自に単独で小型ロボットに変形し、ガンベルトとライフルにもなるマグナムを武器に、ガンマンのようなビジュアルで活躍しつつ、ザンボット3に合体すると、今度は鎧武者の姿で、太刀等を使いこなして戦うというビジュアル変化が売り要素になった。
この発想と玩具再現は、弱小玩具企業だったクローバーの商品としてはスマッシュヒットを記録して、翌年の『無敵鋼人ダイターン3』(1978年)以降のアニメ制作に繋がっていくわけだが、一方でプラモデル化版権を手にしたアオシマは、むしろ放映終了後の1981年前後から、バンダイのガンプラブームに追従する形で、様々な自社商品枠でザンボット3を商品化。作品の高評価も相まって、同社の『伝説巨神イデオン』(1980年)に次ぐヒットキャラクターになった。
単純な3機メカ合体は、既に合体スーパーロボットの元祖『ゲッターロボ』(1974年)が取り入れており、『超電磁ロボ コン・バトラーV』(1976年)からは「合金玩具で再現できる、合体ロボット」が主流になってきていた時代でもあったため、『ザンボット3』ではSF的戦闘機、戦車、偵察機の3種のメカが合体するだけではなく、主人公少年の乗る戦闘機が、独自に単独で小型ロボットに変形し、ガンベルトとライフルにもなるマグナムを武器に、ガンマンのようなビジュアルで活躍しつつ、ザンボット3に合体すると、今度は鎧武者の姿で、太刀等を使いこなして戦うというビジュアル変化が売り要素になった。
この発想と玩具再現は、弱小玩具企業だったクローバーの商品としてはスマッシュヒットを記録して、翌年の『無敵鋼人ダイターン3』(1978年)以降のアニメ制作に繋がっていくわけだが、一方でプラモデル化版権を手にしたアオシマは、むしろ放映終了後の1981年前後から、バンダイのガンプラブームに追従する形で、様々な自社商品枠でザンボット3を商品化。作品の高評価も相まって、同社の『伝説巨神イデオン』(1980年)に次ぐヒットキャラクターになった。
しかし当時のアオシマのプラモデルラインナップでは、映画化もされて社会現象化していた『イデオン』は、単独のスケールモデルシリーズが別個に設けられて盛り上がりを見せていたが、さすがにそこまでのブームに至っていない『ザンボット3』や『ダイターン3』は、あくまで既存のアオシマの商品枠の中で、それぞれ商品化されるという機会を待つしかなかった。
そして、アオシマの『ザンボット3』模型化展開から36年、テレビアニメ放映から40年が過ぎた2017年になって、ガンプラのバンダイのキャンディトイ事業部から、スーパーミニプラブランドで、ザンボット3が商品化された。
このキットは、同シリーズのイデオン同様、さすがガンプラで技術を蓄積してきたバンダイだけあり、そして最新の技術やマテリアルの進化もあって、確かにザンボット3の模型化としては最高傑作になった。
しかし。
同シリーズのイデオンの回()でも述べたが、バンダイのスーパーミニプラ版は、3種の各形態の設定再現としてはクオリティが高いのだが、合体玩具として見た時には、果たして36年前のアオシマ合体ロボット版と比較して、どれだけのアドバンテージがあるのだろうかと、実物を手に取っているうちに、フッと疑問を抱くようになった。
その上で、アオシマ版とバンダイ版の両者を見比べてみると、様々なところで、バンダイ版が、商品仕様などの点で、36年前のアオシマ版へのリスペクトを取り入れていることも分かった。
なので、今回はこの2つの新旧ザンボット3合体プラモデルを用意して、徹底的に比較検証していきたいと思う。
このキットは、同シリーズのイデオン同様、さすがガンプラで技術を蓄積してきたバンダイだけあり、そして最新の技術やマテリアルの進化もあって、確かにザンボット3の模型化としては最高傑作になった。
しかし。
同シリーズのイデオンの回()でも述べたが、バンダイのスーパーミニプラ版は、3種の各形態の設定再現としてはクオリティが高いのだが、合体玩具として見た時には、果たして36年前のアオシマ合体ロボット版と比較して、どれだけのアドバンテージがあるのだろうかと、実物を手に取っているうちに、フッと疑問を抱くようになった。
その上で、アオシマ版とバンダイ版の両者を見比べてみると、様々なところで、バンダイ版が、商品仕様などの点で、36年前のアオシマ版へのリスペクトを取り入れていることも分かった。
なので、今回はこの2つの新旧ザンボット3合体プラモデルを用意して、徹底的に比較検証していきたいと思う。
アオシマ 合体ロボット ザンボット3 1981年6月 1000円
この商品を検証していくときに、まず大前提として忘れてはならないことがある。
以前もこの連載で、アオシマ版とバンダイ版のイデオンの比較を行ったが、その時用いたアオシマ版は、『イデオン』独自の商品枠として、対象年齢層をティーンズに上げて展開していた1/600シリーズのイデオンであり、なのでそこでのイデオンも、他のアオシマのイデプラと比較して、一番パーツ構成や構造が、緻密でハイブロウな設計になっていた。
しかし、今回紹介するザンボット3のアオシマ版は、ザンボット3が独自のティーンズ向け商品枠をもっていなかったために、児童層向けの商品「合体ロボット」版を紹介することになる。
以前もこの連載で、アオシマ版とバンダイ版のイデオンの比較を行ったが、その時用いたアオシマ版は、『イデオン』独自の商品枠として、対象年齢層をティーンズに上げて展開していた1/600シリーズのイデオンであり、なのでそこでのイデオンも、他のアオシマのイデプラと比較して、一番パーツ構成や構造が、緻密でハイブロウな設計になっていた。
しかし、今回紹介するザンボット3のアオシマ版は、ザンボット3が独自のティーンズ向け商品枠をもっていなかったために、児童層向けの商品「合体ロボット」版を紹介することになる。
「合体ロボット」シリーズに関しては、「合体ロボット イデオン」の紹介回()で披露しているが、あれと1/600 合体版イデオンを比較してみると分かるように、合体ロボット版はかなり対象年齢を下げて、そこでの合体も簡易的な作りにアレンジされている。
幸いにして、ザンボット3の変形合体は、イデオンほど複雑ではないため、この合体ロボット版でも一通りアニメ通りの合体が再現されているが、バンダイ版と比較する時は、どうか「このザンボット3は、イデプラで言えば『合体巨神 イデオン』に当たるクオリティなんだ」という前提をもって見比べてあげてほしい。
対象年齢を児童層に設定した合体ロボットシリーズは、接着剤に慣れていない児童層でも組み立てられるように、今でいうスナップフィットの概念が取り入れられている。
幸いにして、ザンボット3の変形合体は、イデオンほど複雑ではないため、この合体ロボット版でも一通りアニメ通りの合体が再現されているが、バンダイ版と比較する時は、どうか「このザンボット3は、イデプラで言えば『合体巨神 イデオン』に当たるクオリティなんだ」という前提をもって見比べてあげてほしい。
対象年齢を児童層に設定した合体ロボットシリーズは、接着剤に慣れていない児童層でも組み立てられるように、今でいうスナップフィットの概念が取り入れられている。
しかし、イマドキの洗練されたバンダイのスナップフィットではなく、あくまで当時のアオシマが、当時の児童層へ向けた処理のため、はめ込みあったパーツも密着性や強度を、デザインにはない補助パーツで保持したり、簡易的箱根細工のようなパーツ構成でお互いのパーツを支え合ったりといった構造で成り立っているので、その辺りは今の目で馬鹿にするのではなく、逆に児童層に「組み立てる楽しさ」を知ってもらおうというアオシマの社風を評価すべきだろうと思う(この商品発売の翌月には、ティーンズ向けのアニメスケール大サイズのザンボット3が発売されているので、商品企画と開発は、同時並行だったのかもしれない)。
いつもであれば、2つのキットを紹介する時には、個別にじっくり商品を見ていくのがこの連載のスタイルだが、今回に限っては、あえて両者の紹介を、並行しておこなっていくことで、違いや一致点などを明確にしていければという主旨で展開していくことにする。
いつもであれば、2つのキットを紹介する時には、個別にじっくり商品を見ていくのがこの連載のスタイルだが、今回に限っては、あえて両者の紹介を、並行しておこなっていくことで、違いや一致点などを明確にしていければという主旨で展開していくことにする。
バンダイ スーパーミニプラ ザンボット3 2017年11月 4000円
『戦闘メカザブングル』『伝説巨神イデオン』等の、食玩とは思えぬボリュームとクオリティのプラモデルを開発販売してきたバンダイキャンディトイ事業部による、2017年の新作大作が、このザンボット3であった。
このバンダイ版。なぜ今回、アオシマ版と徹底比較してみようかと思ったかと言えば、もちろん現代最新技術投入のバンダイのプラモデルではあるので、35年以上の時代差を明確化するという目的もあるのだが、その商品仕様が、おどろくほど、そして確信犯的に、アオシマ合体ロボット版のフォーマットを踏襲していると、マニアならすぐ分かる商品構成になっていたからである。