今回の番外編で紹介していくのは、シミルボンでもその流れで『伝説巨神イデオン』の作品紹介をするので、その『イデオン』に登場した、主人公ロボットイデオンの様々な立体を中心に、敵役の重機動メカ等も含めてイデオンの立体物歴史を俯瞰してきた番外編も、ついに今回で最終回です!
そこではアオシマというメーカーが、児童向けからティーンズ向けへとイデプラを進化させていく過程が伺えて、それはアオシマの技術革新とも重なり、ガンプラとはまた違う“物語”を、そこで味わうことが出来た……とか言ってる場合じゃない!
いやね。本当にね。「イデオンのアオシマプラモ」を語るなら、コレを紹介しなきゃ意味も価値もねぇだろうっていう、超ド級のトンデモイデオンプラモをまだ、紹介し忘れておりましたよ、市川大河一生の不覚!
今回紹介するアオシマのイデプラは、ある意味作品コンセプトもテーマも、全て粉砕するビッグバンみたいな破壊力がありながらも、ある意味でアオシマというメーカーにしかない「テレビ漫画のロボットのプラモデルとは、子どもの遊び心を創造する依り代としての玩具なのだ」という、そういう深遠な企業姿勢まで垣間見えちゃう、これを見たあなたが、アオシマとイデオンという存在に、幻滅するか、魅惑に取りつかれるか。キャラクタープラモデル界のリトマス試験紙みたいな、もうそういう屁理屈とかどうでもいい! とにかくすごいキットを今回は紹介だ!
イデオンスペシャルデラックス 1981年1月 1000円
まずは、このシリーズの冠「ポケットパワー」の解説からしなければならない。
ポケットパワーシリーズとは、アオシマのロボットプラモデルシリーズの、児童層向けのシリーズで、そこでは二つの特徴がある。
・二つ目は、このシリーズのロボット達には、ベンダーカプセルとしてのギミックが付いているということ。70年代等に流行ったのだが、ベンダーカプセル筐体として、等身大のウルトラマンや仮面ライダーの立像があり、コインを入れるとひざ元辺りから、玩具入りのカプセルを射出してくれる販売機が当時実際にあった。ポケットパワーシリーズは、その機能を手のひらサイズの上で再現してしまおうというコンセプトがあるのか、シリーズ全てのロボットに、直系数㎝レベルのカプセル球体を、仕込む入口(たいてい頭部を展開して入れる)と、カプセルを押しだすレバーと、射出口が設けてあり、中から出てくる球体カプセルには、様々なシュールで謎なアイテムが入っている仕様であった(後述)。
この時期、アオシマのロボットプラモデルには『伝説巨神イデオン』オンリーの1/600 シリーズの他に、「アニメスケール」「合体ロボット」「ポケットパワー」「おやこマシン」等のラインナップを抱えており、それら全てのシリーズに皆勤賞なのはイデオンだけで、アオシマは児童層から思春期層まで広く視野に入れて商品を展開していた。
しかし、世の中何事も「魔が差す」という言葉があるように(笑)アオシマご自慢の「ポケットパワー」と「イデオン」の組み合わせだけは、絶対に「やってはいけない組み合わせ」であったのだ。
考えてみよう。
ポケットパワーシリーズにラインナップされたのは、アニメ版権ロボットの、ダイターン3、トライダーG7、そしてアオシマオリジナルのロボット、シャイアードやジェロード、グレートワゴンなどだ(註・この3つはどれも、下半身は同じ金型から作られている同一のロボット)。
その上で、ポケットパワーシリーズは、今上で書いたように「ロボット形態と、変形形態が他に2種類、その上で、計3種を全て揃えた『スペシャルデラックス』という商品展開」なのだ。イデオンは、3機に分離合体してその3機が3段変形はするが、イデオン自身は他のロボットとは違って、独自変形はしない仕様だ。
この場合、トライダーG7もダイターン3も、アニメ劇中で多段変形をおこなうロボットなので、それを模した商品が成立するのだが……。イデオンにはそんな設定はない。アオシマ、なぜこの枠でイデオンを商品化した(笑)
「そこ」については後半で語っていくのだが。
まずは、この記事を読んだ正統派ガンプラファンの皆さんが、このページをそっ閉じしないように、ゆっくり順序立ててこのキットを紹介していかねばなるまい。
色分けも、この時代にしては優秀。
Taka 2021/12/28 15:28
うっかりこの記事を見てしまったために、「卵を産むイデオン」の奇天烈さが頭から離れなくなってしまい、ついヤフオクで競り落としてしまったじゃないですか、どうしてくれるんですか(笑)しかも意外と高くなかったですよ。こんな素っ晴らしいネタプラモ、絶対に1つはコレクションしたくなるに決まってますよ♪
agat 2019/10/2 17:59
ソロシップイデオン持ってたなー。もともとアオシマの合体シリーズが好きだったし、いつものアオシマじゃんとまったく違和感なし。
いるか本家 2018/7/6 17:11
通りすがりの者です。駿河屋事件当時、ポケットパワーに魅せられましたw
記事中、腰のポケットパワー部分が「押し出し」であるように書かれていましたが、あの箇所には本来スプリングが入っていて、尻のツマミを「引っ張って離す」が正しい遊び方のはずです。
かなりの威力でスッ飛んでいきますよ〜。
2018/4/28 05:20
残りの重機動メカ、戦艦、戦闘機、フィギュアもレビューして欲しかったですね。
ギジェ・猿 2018/4/27 19:59
ミニ合体の1号、カービアンクロッサスに生首が乗った奴もステキでしたね!