トリプルギターにダブルドラムスという個性的なバンド構成のドゥービー・ブラザーズ
2016年9月28日 更新

トリプルギターにダブルドラムスという個性的なバンド構成のドゥービー・ブラザーズ

バンド内に3人もギタリストが必要なのか?ドラマーが2人というのも多いように思えますよね。しかし、ドゥービー・ブラザーズの音楽を聴いてみると納得です。聴きにくいということは全くありません。むしろ理屈抜きに楽しめる音楽です。そう、彼らのヒット曲のタイトルそのままに「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」です。

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1974年発売のアルバム「ドゥービー天国」は全米4位という大ヒットを記録しました。また、シングル・カットされた「ブラック・ウォーター」が初の全米1位となったほか、「アナザー・パーク」が全米32位、「銀色の瞳」が全米52位と軒並みヒットを記録しています。

その一方で、アルバム発売直前にマイケル・ホサックが脱退し、後任にキース・ヌードセンが加入するというメンバーチェンジが行われています。
ドゥービー天国

ドゥービー天国

1974年リリース

【収録曲】
1. 君に捧げし歌
2. スピリット
3. 53番街の追跡
4. ブラック・ウォーター
5. 銀色の瞳
6. ロード・エンジェル
7. キャント・ストップ・イット
8. お望みのまま
9. ダウン・イン・ザ・トラック
10. アナザー・パーク
11. 砂浜の娘
12. フライング・クラウド
本作の特徴としては、“アルバム通しての完成度の高さ”があげられます。
「ブラック・ウォーター」、「お望みのまま」、「砂浜の娘」など、全体的にパット・シモンズの色がわりと濃く出ているため、
音の澄み切った落ち着いた雰囲気の曲が多く、1曲目の「君に捧げし歌」からラストのインスト曲「フライング・クラウド」まで、流れが絶妙です。

The Doobie Brothers - "Black Water" (Official Music Video)

ブラック・ウォーター

Stampede

ライ・クーダーやマリア・マルダー等がゲスト参加した1975年発売の「スタンピード」は、これまた全米4位となる大ヒット!
本作からも3枚シングル・カットされ「君の胸に抱かれたい」が全米11位、「スウィート・マキシン」が全米40位、「ハングマン」が全米60位となっています。

尚、本作よりジェフ・バクスターが正式にメンバーとなり、トリプル・ギター編成となっています。
スタンピード

スタンピード

1975年リリース

【収録曲】
1.スウィート・マキシン
2.ニールのファンダンゴ
3.テキサス・ララバイ
4.ミュージック・マン
5.スラット・キー・ソキュアル・ラグ
6.君の胸に抱かれたい
7.ハングマン
8.プレシー
9.レイニー・デイ・クロスロード・ブルース
10.おまえに首ったけ
11.ダブル・ディーリン・フォア・フラッシャー
ロックンロールも、バラードも、ソウルも、ブルースもある、曲のスタイルはバラエティーに富むが全て良いし、共通するのはサウンドのスケールの大きさで、豪華キャストが最高のアレンジを披露しテッド・テンプルマンがプロデュース(自身ジャケ登場)したこの音楽は目も眩むほどの楽しさに満ちている。
トム・ジョンストンが、ドゥービー・ブラザーズが、渾身の力を込めて作った70年代アメリカン・ロックの金字塔、そしてこのアルバムでしか聴けない、到達しえない破格の音が鳴っていて私の心を離さない。

The Doobie Brothers - "Take Me In Your Arms" (Official Music Video)

君の胸に抱かれたい

Minute by Minute

「スタンピード」発表前から健康状態が悪化し入院していたメインボーカリストでありヒット曲の多くを手掛けていたトム・ジョンストンは、1976年発売のアルバム「ドゥービー・ストリート」、続く1977年発売の「運命の掟」でもほとんど貢献することなく脱退してしまいます。
入れ替わる形でボーカルを担当したのはスティーリー・ダンのツアーメンバーだったマイケル・マクドナルドです。
トム・ジョンストンとは全く違う音楽性からファンの間では好みの分かれるところではありますが、AORというかスティーリー・ダン色が強いものとなっています。

マイケル・マクドナルドが参加して3作目となる1978年に発売された「ミニット・バイ・ミニット」は、全米1位となりドゥービー・ブラザーズでもっとも成功したアルバムとなっています。
徐々に進めてきたAOR路線が実を結んだ結果ですね。
シングル・カットされた「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」も全米1位を獲得しています。
ミニット・バイ・ミニット

ミニット・バイ・ミニット

1978年リリース

【収録曲】
1.ヒア・トゥ・ラヴ・ユー
2.ホワット・ア・フール・ビリーヴス
3.ミニット・バイ・ミニット
4.ディペンディン・オン・ユー
5.轍を見つめて
6.オープン・ユア・アイズ
7.スウィート・フィーリン
8.スティーマー・レイン・ブレークダウン
9.ユー・ネヴァー・チェンジ
10.ハウ・ドゥ・ザ・フールズ・サーヴァイヴ?
このアルバムは、”いわゆるロックバンド”としてのドゥービーのベスト作品とは言えないかもしれないが、
ジャケットに並ぶこの顔ぶれのドゥービーでなければ作れなかった、
「Adult Contemporaryの超傑作」であることは間違いない。

The Doobie Brothers - "What A Fool Believes" (Official Music Video)

ホワット・ア・フール・ビリーヴス
「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」は、第22回グラミー賞の最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞しました。
商業的に素晴らしい結果を残し、評価もされたわけですが、あまりに急激な変化がいけなかったのでしょうか、やりきったということでしょうか、ジェフ・バクスターとジョン・ハートマンが本作を最後にグループを脱退してしまいます。
体調不良だったとはいえ本作制作前にトム・ジョンストンが脱退してしまったということも残念なできごとです。
その後も強力なサポートメンバーに支えられつつも順調に活動していたドゥービー・ブラザーズでしたが、唯一のオリジナル・メンバーとなったパトリック・シモンズは活動休止を提案し、1982年に解散してしまいます。

その後、1987年に再結成をし、毎年のようにメンバー・チェンジを繰り返しながらも現在も活動を続けています。本当に国民に愛されているバンドなのですね。
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