トリプルギターにダブルドラムスという個性的なバンド構成のドゥービー・ブラザーズ
2016年9月28日 更新

トリプルギターにダブルドラムスという個性的なバンド構成のドゥービー・ブラザーズ

バンド内に3人もギタリストが必要なのか?ドラマーが2人というのも多いように思えますよね。しかし、ドゥービー・ブラザーズの音楽を聴いてみると納得です。聴きにくいということは全くありません。むしろ理屈抜きに楽しめる音楽です。そう、彼らのヒット曲のタイトルそのままに「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」です。

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The Doobie Brothers

The Doobie Brothers

The Doobie Brothers

トリプル・ギターにツイン・ドラムというメンバー構成で知られるドゥービー・ブラザーズは、1970年に結成されたアメリカのウェストコースト・ロックを代表するバンドです。当初は、トム・ジョンストン(G,Vo)、ジョン・ハートマン(Ds)、パトリック・シモンズ(G,Vo)、デイヴ・ショグレン(B)という4人組でした。
ドゥービー・ブラザーズは、メンバーチェンジの多いことでも知られており、入れ代わり立ち代わりで総勢14名。サポートメンバーも含めると19名にも上ります。

それにしても、スラングでマリファナを意味するドゥービーをバンド名にしたところにメンバーの性格とその時代を窺い知ることができますね。

1st

1971年発売の記念すべきファースト・アルバムがこれです。
アルバム・ジャケットには典型的なバイカー・ファッションに身を包んだ4人のメンバー。音楽的にはこのジャケットが象徴するようなハードなロックと、フォークやカントリー色の強いアコースティックなナンバーが収められています。
意欲作ではあったものの、残念ながら商業的には成功しませんでした。
ドゥービー・ブラザーズ・ファースト

ドゥービー・ブラザーズ・ファースト

1971年リリース

【収録曲】
1.Nobody
2.Slippery St. Paul
3.Greenwood Creek
4.It Won't Be Right
5.Travelin' Man
6.Feelin' Down Farther
7.The Master
8.Growin' A Little Each Day
9.Beehive State
10.Closer Every Day
11.Chicago
モノクロの表紙の中で、こちらを睨みつけるジョン・ハートマンがおっかないです。普通4人を中心にトリミングするはずなのに、ハートマンの迫力に負けて彼が中心に収まっているデザイン。米国盤には、「ドゥービーは英国出身のいかした新人バンドではなく、スターダムを目指すスタジオ・ミュージシャン達でなく、いわんやワーナー・ブラザーズとは関係なく、本当の兄弟でもない。」と紹介されています。
このアルバムで重要なのは、ドゥービー・ブラザーズが解散するまで付き合うことになるプロデューサーのテッド・テンプルマンと仕事ができたことでしょう。
本作は商業的に成功を収めることは出来ませんでしたが、運命のプロデューサーと出会えたことが一番の収穫といえるかもしれません。

尚、テッド・テンプルマンは、後にドゥービー・ブラザーズ以外にもヴァン・ヘイレンやエアロスミス、エリック・クラプトンなど錚々たるアーティストをプロデュースしています。

Toulouse Street

ファースト・アルバム発売直後に早くもメンバー構成が変わります。先ず2人目のドラマー、マイケル・ホサックが加入し、ドゥービー・ブラザーズの特徴であるツイン・ギターとツイン・ドラムスという5人編成が出来上がります。
しかし、それもつかの間、セカンド・アルバムのレコーディング中にデイヴ・ショグレンが脱退してしまいます。結果的には後任にタイラン・ポーターが加入しベストメンバーが揃うことになります。

こうしたバタバタと慌ただしい中で1972年に発売された「トゥールーズ・ストリート」ですが、ベストメンバーが揃っただけのことはある素晴らしい作品となりました。
トゥールーズ・ストリート

トゥールーズ・ストリート

1972年リリース

【収録曲】
1. リッスン・トゥ・ザ・ミュージック
2. ロッキン・ダウン・ザ・ハイウェイ
3. ママロイ
4. トゥールーズ・ストリート
5. コットン・マウス
6. ドント・スタート・ミー・トゥ・トーキン
7. 希望の炎
8. ホワイト・サン
9. ディサイフル
10. スネイク・マン
ドゥービースの名を世界に知らしめたセカンドアルバムで、大傑作アルバムです。
この作品から「出すアルバムすべてがプラチナディスク何枚分にもなる」超売れっ子になりましたが、一作目はまるで鳴かず飛ばずだったようで、このToulouse Streetが売れなかったら解散しようという、背水の陣で出したアルバムだったとのことです。
曲調は完全にブルース・ロックですが、パットのフォーク趣味、トムのロック趣味やジャズ趣味などが相まって、「ドゥービー節」ともいえる、例の独特の雰囲気を醸し出しています。
シングル・カットされた「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」が全米11位となるスマッシュ・ヒットとなっています。

Doobie Brothers - Listen To The Music

リッスン・トゥ・ザ・ミュージック

The Captain and Me

前作の成功で勢いに乗るドゥービー・ブラザーズは代名詞ともいえる名曲「ロング・トレイン・ランニン」を含むアルバム「キャプテン・アンド・ミー」を1973年に発売し、全米7位とヒットしました。

特筆すべきこととして、後に正式メンバーとなるジェフ・バクスターが、サポート・メンバーとして参加しています。
キャプテン・アンド・ミー

キャプテン・アンド・ミー

1973年リリース

【収録曲】
1. ナチュラル・シング
2. ロング・トレイン・ランニン
3. チャイナ・グローヴ
4. ダーク・アイド・ケイジャン・ウーマン
5. クリア・アズ・ザ・ドライヴン・スノー
6. ウィズアウト・ユー
7. サウス・シティ・ミッドナイト・レディ
8. イーヴル・ウーマン
9. オコーネリー・コーナーズ
10. ユカイア
11. キャプテン・アンド・ミー
ぶった切れた高速道路の下を淡々と行き過ぎる馬車の一行・・・決して懐古趣味ではなく、優れた本物は時代を超えて生き残っていく、ということなのか、彼らの音楽自体がそのことを雄弁に物語っている。

The Doobie Brothers - Long Train Running (official video)

ロング・トレイン・ランニン

What Were Once Vices Are Now Habits

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