DRAGON QUEST 「ダイの大冒険」とは
1989年から1996年までの間の7年間に渡り、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』として『週刊少年ジャンプ』にて連載された(全344話)。単行本は全37巻。2003年から2004年にかけて文庫化もされた(全22巻)。また、作品解説書『JUMP COMICS PERFECT BOOK 1』も1995年に刊行。アニメ化(テレビシリーズ、および劇場版作品3本)もされた。
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[冒険王ビィト]10年ぶりにマンガ連載再開 | マイナビニュース
通り名は「おっさん」 獣王クロコダイン
葛藤を捨てられない潔癖な武人
誇りも名誉も失う・・・それだけは耐えられない
あくまでも誇り高いクロコダインはそれを拒むのだが・・・「魔王軍に居場所がなくなるぞ・・・」
その一言に急所を突かれるクロコダイン。誇り高い武人であるとともに、人間くさい部分をもちあわせている。
ザボエラみたいな人っていますよね!クロコダインとて、魔王軍に所属する歯車であることを表している一コマ。汚れ仕事を躊躇う会社員のようでリアルですね。
己に対する怒りを爆発させる!!
「武勲のない武人など張り子の虎同然!何とでも言うがいい!誇りなど・・・とうに捨てたわッ!!」
己の信念に背いてまでも決して失いたくなかった武人としての武勲。生粋からの軍人なんですね。
しかしそんなクロコダインを利用して駒にしようとするザボエラ。
仲間を見捨てて自分だけぬくぬくと生きてるなんて・・・死ぬよりカッコ悪ィやって・・・そう思っただけさ・・・
ポップの言葉に思わず言葉を失うクロコダイン。
こんな無力な少年が、友情のため自らの命をかけて戦っている。それにひきかえ自分は何なのか。
軍人でありながら、卑怯な手を使って・・・と葛藤するクロコダイン。
負けるなよ・・・勇者はつねに強くあれ・・・!
最後は誇り高く、自分らしさを貫こうとする名シーンです。かっこ良い男の引き際を教えてくれるシーン。
クロコダイン再び!
まさかの助っ人が!
なんと死んだと思っていた敵のクロコダインが自らの身を挺してダイを庇うのだった
なぜ元軍団長のクロコダインがダイを庇うのか・・・!理解できず、動揺するヒュンケルに、クロコダインは語り掛ける。
「人間は強い・・・そして優しい生き物だ!ともに力を合わせ喜びと悲しみを分かち合うことができる。
ただ強いだけのオレたち魔物とは違う・・・」
穏やかに説くクロコダインの言葉に、動揺を抑えきれないヒュンケル。
「その素晴らしさが・・・人間であるお前に分からぬはずがない・・・お前は見て見ぬふりをしているのではないのか・・・」
クロコダインの言葉は人間を憎んで生きてきたヒュンケルの胸を抉り、それを振り払うようにヒュンケルはクロコダインに斬りつける。
刃をあえて受ける
言い残して倒れるクロコダイン。
その言葉で揺さぶられた心を必死に押さえつけるヒュンケル。
刃を交えたことで相手を憎むのは簡単である。しかし相手を認め、「その相手のようになりたい」と願える者はどれほどいるのだろう。クロコダインの器の大きさが現れたシーン。
クロコダインはすでに彼が憧れる「人間」そのもの。誰よりも人間らしい心を持つ男だったのである。
伝播する魂
ダイたちを守るため、ヒュンケルは自らの身を挺してマグマに沈む。
人間を憎み、その感情に逃げ込んでいた自分の愚かさを恥じ、最後はせめて彼らを救いたいと心から願う。
「クロコダイン・・・今ならわかるお前の気持ちが・・・!この一瞬だけでいい!お前の剛力をオレに貸してくれ!」
クロコダインが命を懸けて訴えた言葉が、冷たく閉ざされていたヒュンケルの心に届き、伝播した名シーン。
間違った判断をすることもある、けれどそれに囚われてはならない
恩師の助けになるどころか、彼を恨み、魔王軍に入り弟弟子たちを殺そうとしてしまった自分。
いっそあのまま死んでいれば良かったと悔やむヒュンケルに、クロコダインは語り掛ける。
「オレは男の価値というのはどれだけ過去へのこだわりを捨てられるかで決まると思っている
たとえ生き恥をさらし万人にさげすまれようとも 己の信ずる道を歩めるならそれでいいじゃないか・・・」
小さなプライドに拘っていてはダメだと強く、しかし優しくクロコダインは語り掛けます。そうできるのは自分が間違った経験を重ねたから。
人は時に間違うこともある、しかし人はそれを間違っていたと認めることで、その行動を正しいものに変えることができる。おそらくクロコダインは、ヒュンケルがこのままで終わる男でない、ということを心から信じていたのだと思います。だからこそ、こうして言葉を掛けることができた。自分のことだけでなく、周囲にまで心が配れる男の優しさが溢れた名シーン。
ふと気づくと何度も読み返し、話の展開は分かっているのに涙したり、感動したり、何回読んでも新しい発見がある素晴らしい漫画です。
アニメ化されましたが、こちらは残念ながら作画のほうがあまり良くなかった覚えがあります。
残念ながらTV局の改編のため「龍騎衆バラン編」の途中で終了してしまったのですが、再度リニューアルしてアニメ化してもらえないものでしょうかね。今年はドラクエ30周年の年でもありますし、ずっと読み継がれるべき漫画だと思います。三条陸先生&稲田浩司先生コンビの「冒険王ビィト」がこのほど連載再開されるということで、5月31日までダイ130話無料キャンペーンがありました(現在は終了)
ポップがどんどん強くなる過程や、ダイとの友情、敵とのバトルにも重きがおかれているのですが、作中どんどん重みを増していくのが、しぶいおじさんキャラです。「ダイ」は彼らの活躍も大きなウェイトをしめた漫画であり、敵、味方を問わず、魅力的な中年男性キャラが多く登場しました。
彼らを紹介しながら、ダイの魅力をお伝えしていきたいと思います。