令和の和は「和らぎ(やわらぎ)」、古代から脈々と繋がる日本の心ですね。
2019年4月9日 更新

令和の和は「和らぎ(やわらぎ)」、古代から脈々と繋がる日本の心ですね。

新元号「令和」発表は国中が注目した出来事でした。この和は「やわらぎ」を表します。古代日本で「和」といえば17条憲法の「和を以て貴しとなす」ですが、17条憲法の全17条、ご存知ですか?

781 view
2019年4月1日、同月30日の天皇の退位を前に、「平成」に代わる元号として「令和(れいわ)」が発表されました。

新天皇の即位日となる2019年5月1日に改元が行われますが、この語源が結構話題になった気がします。まず、近代以降の日本の憲政史上初めて、天皇の生前退位による皇位の継承に伴って改元が行われること。そして、それまでの元号は中国の古典を典拠としてきた中、初めて日本古典、つまり日本人が作った書籍から作った点などからです(確認できる限りの話として)。

新元号「令和」

「令和」は日本最古の歌集『万葉集』の巻5、梅花の歌32首の序文にある
「初春の令月にして、気淑(よ)く風和らぎ、
梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」
から二文字をとって命名されました。

この序文は、天平2(730)年の正月に大伴家持の父、大伴旅人が大宰府で開かれた宴で詠まれた「梅花の歌32首」の序文なので、大宰府市の盛り上がり感たるや、もう。

そして・・・天平文化というか、当時の日本人にとって花といえば梅でした。桜ではなく、梅なんです。『万葉集』にも梅を歌ったものが多く見受けられます。大陸(中国)文化の影響もあったことは確かですが、さておき、新年から花を愛でる心は今も昔も同じだと思います。何の花を愛でるか、ではなく「花を愛でる」心は古代も今も日本人の心として受け継がれているかな、と。

そんなこともあるのかは分かりませんが、さておき、『万葉集』を選んだ理由について「1200年余り前に編纂された日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります」と安倍首相は説明しております。

新しい時代がどうなっていくのか、楽しみです(笑顔)
…と、文章を締めるつもりは毛頭なく。今回は「和」について。

「和を以て貴しとなす」

古代日本で「和」といえば、おそらく歴史の授業で誰もが習ったであろうフレーズが。
「和を以て貴しとなす」。
これ、一度は聞いたことがあると思います。おそらくは。

さらには、おそらく「ワをもってとうとしとなす」と教わっている気がします。しかし、コレ、実は「ヤワラグ」と読みます。や・わ・ら・ぐ。だから新元号「令和」の語源となった序文も「和らぐ(やわらぐ)」なんです。

厩戸皇子(うまやどのみこ、うまやどのおうじ)=聖徳太子(この呼び方は、厩戸皇子の死後から)が制定した十七条憲法(じゅうしちじょうのいつくしきのり)の第一条に出てくる言葉です。時代にして推古天皇12年(604年)。令和の元ネタの梅花の宴(730年)から126年前!

そんな和を持ってナントヤラ・・・17条全部を知っている人は少ないかと思います。というか17条憲法って何?という人の方が多いと思います。ここでいう「憲法」は、現代のような「法律」という意味合いではありません。「みんなで守る決まりごと」みたいな意味なんです。

17条憲法

一に曰く、和(やわらぐ)を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。
二に曰く、篤く三宝を敬へ。
三に曰く、詔を承りては必ず謹(つつし)め、君をば天(あめ)とす、臣をば地(つち)とす。
四に曰く、群臣百寮(まえつきみたちつかさつかさ)、礼を以て本とせよ。
五に曰く、饗を絶ち欲することを棄て、明に訴訟を弁(さだ)めよ。
六に曰く、悪しきを懲らし善(ほまれ)を勧むるは、古の良き典(のり)なり。
七に曰く、人各(おのおの)任(よさ)有り。
八に曰く、群卿百寮、早朝晏(おそく)退でよ。
九に曰く、信は是義の本なり。
十に曰く、忿(こころのいかり)を絶ちて、瞋(おもてのいかり)を棄(す)て、人の違うことを怒らざれ。
十一に曰く、功と過(あやまち)を明らかに察(み)て、賞罰を必ず当てよ。
十二に曰く、国司(くにのみこともち)・国造(くにのみやつこ)、百姓(おおみたから)に収斂することなかれ。
十三に曰く、諸の官に任せる者は、同じく職掌を知れ。
十四に曰く、群臣百寮、嫉み妬むこと有ること無かれ。
十五に曰く、私を背きて公に向くは、是臣が道なり。
十六に曰く、民を使うに時を以てするは、古の良き典なり。
十七に曰く、夫れ事独り断むべからず。必ず衆(もろもろ)とともに宜しく論(あげつら)
ふべし。
・・・多分、この文章では意味分からないと思います。古語だし。
ということで、自分なりに関西言葉的に現代語訳をしたらこうなります。

17条憲法を関西言葉で現代語訳!

① 仲良くせえよ(コレが「和をもって…」)
② 仏教だいじやで
③ 天皇の詔第一や
④ 礼儀を忘れんなや
⑤ 民の声は等しく聞けや
⑥ 勧善懲悪サイコー
⑦ 自分の仕事はしっかりせえ
⑧ 1日しっかりお仕事や
⑨ 真心ってだいじやなあ
⑩ 意見違うの、あたりまえや
⑪ 賞罰は正しくやで
⑫ トップは天皇。勝手すんな
⑬ 仕事サボるな
⑭ 妬むなや
⑮ 公私分けろや
⑯ 時期みて仕事はさせような
⑰ 勝手に決めんな話し合え
案外、現代社会でも通じる内容も多い気がします。古代の「和(やわらぎ)」そして梅花の宴の「和らぎ(やわらぎ)」、そして私たちの時代の「和」。古代から脈々と繋がる日本の心だと思います。

新たな時代が始まります。楽しみです。
15 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

令和と『万葉集』と浦ちゃんと。

令和と『万葉集』と浦ちゃんと。

日本は5月に入り令和元年となりました。令和の語源は日本最古の歌謡集『万葉集』。ということで、今回は万葉集にも登場し現在の私たちの誰もが知っている(であろう)伝説について。
山崎敬子 | 105 view
男性の象徴、その語源は中棒?珍宝??様々の呼び名の語源について。

男性の象徴、その語源は中棒?珍宝??様々の呼び名の語源について。

久しぶりの民俗コネタコラムです。ご無沙汰しております。私は日本の祭礼について大学などで講義をさせていただいておりますが、大人の皆様から一番多く質問されることは「夜這いってあるの?」「祭の日にフリーセックス的なことって本当にあるの?」などなど・・・人間味あふれる疑問についてです。
山崎敬子 | 2,638 view
武道も無形文化財指定を受けるってご存知でしたか?

武道も無形文化財指定を受けるってご存知でしたか?

2020年東京五輪を目の前に、日本の文化そのものへの注目がジワジワ高まるこの頃。地域の祭礼行事を見て歩くと、意外と祭礼と武道が身近なことに気が付きますので、祭礼と武道のコネタをば。
山崎敬子 | 144 view
佐渡・羽茂地区に伝わる「鬼舞 つぶろさし」のコミカルかつセクシャルな舞。

佐渡・羽茂地区に伝わる「鬼舞 つぶろさし」のコミカルかつセクシャルな舞。

本日2月9日、東京は雪が降っております。雪の季節が終われば、春が来ると思いながら、新潟・佐渡にしか伝わっていないセクシャルな鬼をご紹介します。
山崎敬子 | 947 view
ご存知ですか?「地獄に落ちる条件」が多すぎるってこと。

ご存知ですか?「地獄に落ちる条件」が多すぎるってこと。

皆様、学生だったり社会人だったりだと思いますが・・・ピンチのとき「地獄を見た」とか言いませんか?地獄。仏教にもキリスト教にも「天国」と「地獄」はあるのですが、日本人的地獄というと、仏教なのかと思います。が。しかし。よく読むとワチャッとして結構面白いので紹介します。
山崎敬子 | 3,760 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト