人間の身勝手さを感じさせる「平成たぬき合戦ぽんぽこ」は、いつ見ても素晴らしい。
2016年5月6日 更新

人間の身勝手さを感じさせる「平成たぬき合戦ぽんぽこ」は、いつ見ても素晴らしい。

1994年7月に公開された「平成狸合戦ぽんぽこ」は、人間の身勝手さを浮き彫りにさせた社会風刺を描いた映画でしょう。 何年かに一度はTVで放送される映画で、いつ見ても考えさせられる映画です。 豪華キャストで作られた、この映画の記憶に残るキャッチコピー「たぬきだってがんばってるんだよ~」は糸井重里の作品でした。

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権太 : 泉谷しげる

権太 : 泉谷しげる

本名鷹ヶ森の権太。過激派の狸たちのリーダー格。血の気が多く、故郷の森を奪った人間を激しく憎み、人間達を永久追放と抹殺しようとする。ニュータウン開発の妨害行為から凱旋後、不慮の事故で全治1カ年の大怪我を負う。その後、戦いに参加できない事を後悔し、仲間達の生温いやり方を非難した。最期は機動隊を相手に奮戦するも敗北。その後、頭に化け、デコトラに轢かれて死亡した。
玉三郎:神谷明

玉三郎:神谷明

本名鬼ヶ森の玉三郎。四国に旅立ち、後に小春の夫となり金長の跡目を継いだ。男前な狸。
文太:村田雄浩

文太:村田雄浩

本名水呑み沢の文太。二つ岩団三郎狸をたずねて佐渡へ旅立った。終盤で多摩に帰還した際には森の変貌ぶりに落胆していた。その後は人間として生活している。
ぽん吉:林家こぶ平(現: 林家正蔵 (9代目))

ぽん吉:林家こぶ平(現: 林家正蔵 (9代目))

正吉の幼馴染。変化できない普通の狸。怠け者だが、温厚で狸らしい性格の持ち主。
竜太郎:福澤朗

竜太郎:福澤朗

多摩堀之内の変化狐。狸同様土地開発で住処を失い、人間として生活している。金長に接触し狸たちに人間として化け社会に出るように勧める。
他にも、今は亡き名優。芦屋雁之助、清川虹子、落語界の巨匠、3代目桂米朝、5代目柳家小さん、 5代目桂文枝が話の流れを湧き立てるキャラを演じてくれています。

名作を生みだしたスタッフたち

製作: 徳間康快、氏家齊一郎、磯辺律男
企画: 宮崎駿
原作・脚本・監督: 高畑勲
音楽: 紅龍、渡野辺マント、猪野陽子、後藤まさる(上々颱風)、古澤良治郎
画面構成: 百瀬義行
作画監督: 大塚伸治、賀川愛、河口俊夫
美術監督: 男鹿和雄
音響監督: 浦上靖夫
整音: 大城久典
整音助手: 山本寿
制作: スタジオジブリ
配給: 東宝
協力: 井上ひさし、水木しげる、遅筆堂文庫、大映映像、多摩市史編集委員会、柳原書店ほか

平成狸合戦ぽんぽこの評価はいろいろです・・・。

ソイヤッサ!

狸が腹叩くシーンしか覚えてなかったこちらの作品。
意外なメッセージ性の強さと生々しい狸の死活問題をPOPに描いた狸vs人間の熾烈な戦争作品。淡々としているが仲間の狸も人間たちも続々と死者が出るし、狸サイドは政治的かつ組織的に人間との戦いに挑もうとする。

これ意外と子供向けじゃないぞ?笑
五カ年計画とか言ってたし、あのナレーションは子供には難しいだろうなぁ。狸かわいいーだけじゃ済まない自然との共存を考えさせる意外と大人向け?な映画。

故郷を守るために様々な作戦を決行するもそれが微妙に可愛らしくてシリアスさを感じさせない笑。百鬼夜行のシーンは人間に楽しまれてるし、トトロやらキキやら紅豚やら混じってて観客も楽しませてくれる。
でも最後のやっぱり人間には敵わないと言ってアニメ風の絵から急にリアルな絵になったシーン、あのシーンは笑ってはいけない気がした。

どうでもいいが昔に見た映画だってのと平成生まれのくせして90年代はすでに平成だったっていう事実に違和感をずっと感じているため、タイトルに平成がついてることが不思議でしょうがない笑。自分の中では昭和狸合戦だなと思ってる(意味不明)
人間の業の深さを狸を通じて・・・

「説教くさい映画」などと批判されがちな映画だが、高畑さんの映画はメッセージがストレートに内包されているというか、建築の骨組みが見える映画のような感じなのでこれはしょうがないっちゃしょうがない。だが
万人受けのいい映画には濃密なストーリーの中に宝探しのようにメッセージが含まれている気がする。

まあそのありあまるメッセージについて

映画を見て狸に同情して、里山への郷愁の念を感じることが多いのかもしれないが、この感想を抱いてはならないのかもしれない。

所詮この映画も人間の視点で自然に同情しているもので、ユートピアとして描かれてる里山も元々は人間が開発したものである。

環境保護を謳ってもそれは人間の自己満足に過ぎない。

ならどうすればよいのか?

どっちが各々にとって幸せなのか考え幸せな道を選ぶという形でいいと思う。
都会に暮らしていて、里山に憧れるのであれば、その人にとって都合のいい環境保護に身を投じればいいし、今の便利な暮らしがいい人は、なにもしない。こんなスタンスでいいんじゃないかなあ
他にもこのようなメッセージ性の他に、日本の古い民謡や伝承、農民の気質などが織り込まれていて楽しかった。

特に百鬼夜行のシーンは見事! お化けがお化けではない現代人の反応がリアルだった。
作画もさすが!の一言!

失われたもの、得たものが明確に見えた映画でした
皇居狸、今の人間社会を見て、何を思う?

皇居に狸が現れた…というニュースを聞いて、「平成狸合戦ぽんぽこ」を思い出した人は少なくないはず。
この話題の皇居狸、自然の物なのか、動物園や誰か飼っていた物が逃げ出したのか分からないが、映画のように、まだ近くに自然の狸が居るんだなぁ…と暫し思わせてくれた。

人間は高度な文明で生活を豊かにしているが、狸や他の自然動物から見れば、自然と共存出来ない人間はよほど変に見えるんだろうなぁ…。
しっかりと狸の話ですが、見る人に考えさせてるところが、高畑、ジブリ映画の素晴らしいところだなぁと感じました。

今から見ても、あらためて見ても最高ですよ。

お家でいつでも、ジブリの狸合戦が見れますよ。

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平成狸合戦ぽんぽこのまとめ

人間たちの身勝手さが浮き彫りになったこの映画は、コメディ調が満載ですので、非常に面白く、また考えながら見れる映画だと思います。

狸のキャラを、しっかりと表に出したことで重たくなく見れる映画となり、そんなフランクな狸たちだからこそ、訴える言葉が重く、心にのしかかるのではないでしょうか。
小さい頃から、大人になる今まで、何度もこの映画を見てきました。

見るたびに、映画の雰囲気が変わってくるのです。

最初に見た頃は、まだ子供ということもあって、かわいそうなことをするな。っとごく普通に映画の感想がありましたが、だんだんと年を重ねるにつれて、単純に自然破壊だけの映画ではないのかな。

っと考えるようになりました。
都市伝説のゆおうな話ですが、あの大狸たちは、政治家の大物がモデルになってるとも言われています。

それに、この映画は戦争後にアメリカが日本に押し付けるような話がモデルだとも・・・。

人間がアメリカ国で、狸たちが日本だということで、日本の地に進行して、元々の日本人は追いやられてくるといった話だとも聞きます。

本当のことが、どういった内容なのかわかりませんが、どんな生き物だって普通に暮らしているだけで、誰もえらい人などいないということです。

すぐ、なんでも忘れちゃう狸だって、どんな人でもがんばってるってことです。
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