第1作は父親が主人公
雪衣さんが夢中で観ていたテレビドラマ『娘と私』
— しゃい 🍋1/25上白石萌音ちゃんと武道館へ😆 (@Poo_shaishai) December 23, 2021
フランス人女性と結婚してその妻は一人娘を残して亡くなり、その混血の娘の成長を戦中戦後の混乱と共に描くという内容の朝ドラ
るいちゃんの成長とダブらせてるのか😃
カムカムお得意の「お察し下さい」演出かな😁#カムカムエヴリバディ
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また、主人公は名前がなく「私」と表現されていたのも特徴的なドラマです。
演劇のためにパリに留学した私が、現地で出会って結婚。麻里という娘が生まれるのですが、妻は病で亡くなってしまいます。
父娘2人の生活から父は再婚。そして娘が結婚するまでを描いたストーリーでした。娘を第一に考え、娘のために再婚した父。という父娘の愛情が描かれていました。ダメな要素はなかったと思います。
こちらは獅子文六さんの私小説が原作になっています。原作(実際の獅子文六さん)よりもドラマの父の方が優しく、誰にでも好かれる男性に描かれていたとご本人は語られています。
ここからなぜダメオヤジになっていったのでしょうか。
80年代は頑固な父親が多かった!
1984年に放送された「おしん」では、おしんの父親は貧しい小作農家です。7歳のおしんを奉公にだし、おしんに対して厳しく、冷たく批判的な態度をとってきました。子供目線で見るとダメオヤジ、ではないですがクソオヤジという感じがします。
といっても本当にダメなわけではなく、貧しい大家族を養うために家族に弱みを見せないというしっかりとした意思のある父親でしたね。奉公に乗っていく船を追いかけたり、寝ているおしんをなでたりなど、愛情を感じられる描写もありました。
貧乏だったり金持ちだったり、立場によって多少性格は変わってきますが子供に対して厳しく、表面上はきつくしかるけどそれは子供を想っているからこそ、という父親が多く感じました。
朝ドラは女性が活躍していく物語なので、この時代は父親が娘に立ちはだかる壁として障害の1つになっていたんですね。
「青春家族」では父親の不倫が発覚
こんなところにゴローさん🎵#連続テレビ小説 #青春家族 #稲垣吾郎 #ロケ地 #土肥温泉 pic.twitter.com/l254mndMOW
— チクワ (@chiku_yama) February 23, 2020
こちらは現代劇で、ある家族の1年を描いたドラマ。ヒロインは娘(清水美砂さん)と母(いしだあゆみさん)のダブルヒロインでした。
80年代は太平洋戦争をはさむ女の一代記がおおかかったので現代劇が放送されたのは1981年の「まんさくの花」以来でした。
この作品ではまず、ヒロインの父が東京の製薬会社から左遷され、土肥の温泉ホテル総支配人になります。ついてきてくれると思った妻は付いてこず、娘は結婚式をドタキャンするなどトラブルが。威厳のある父親ではなく、妻や娘に振り回されていきます。
その後不倫をしたり、娘が結婚する予定だった相手は実は母のことが好きだったなどの問題も発生。
当時の現代の父親像に近くなっていったのかもしれませんが、父親像が少しずつ変わっていくきっかけになった作品と言えるでしょう。
90年代は失踪やヒモ同然になる父親も
頑固おやじが時代に合わなくなってきて(ドラマの設定は昔なので頑固おやじでもよいと思うのですが)、父親が障害になるのではなく、父親がいないことでヒロインが苦労するという形になってくるんですね。
そして失踪するという形でヒロインの前から姿を消す父親も。
1996年に放送された「ひまわり」では、20年前に父親が失踪しています。ヒロインに再会しますが最初は気が付かれなかったほどです。毎年母親に離婚届を送っているのですが母親は提出せず、夫の帰りを待っていました。物語の後半で離婚が成立しますが、その後はなぜか復縁を迫っていました。
その次に放送された「ふたりっ子」でも父親が失踪。歌手のオーロラ輝子のファンで、失踪している間偽名で付き人をしていました。じつはこれは父親を演じた段田安則さんの仕事の都合で作られた設定だそうです。それにしても2作連続で失踪するとは、という感じですよね。
1998年の「やんちゃくれ」では父親は「水嶋造船所」という造船所を営んでいたのですが経営不振で一時閉鎖します。妻とは離婚していたのですが、居酒屋の女将のヒモ同然になるという時期がありました。
2000年代以降からダメ父が増える
2001年の「ちゅらさん」ではグータラな父親が登場。小浜島で民宿を営むもうまくいかず、那覇に移住してタクシードライバーになるのですが、すぐにナンパをしようとするなど営業成績は良くなかったです。
ただ、(ちょっと語弊があるかもしれませんが)沖縄の風土もありグータラではあるけれどダメ父という感じではなかったですね。家族への愛情も感じられました。
他にも家出する父親がいたり、逆に妻に出て行かれたり、事業に失敗したり、とダメ父というか父親がトラブルを抱えてくるケースが増えました。
そしてさらに今度は「ダメ親」を通り越して「毒親」になっているといわれるケースも。2012年の「純と愛」では義父から受け継いだホテルを自分が周囲とうまくやっていけないことが原因で破綻させ、売却。家族に対して傲慢で自分の意見を押し付けるという父親が登場しました。
2020年の「おちょやん」では、母親はすでに亡くなっているのですが父親は酒浸りでヒロインが代わりにお金を稼がせていました。その上、8歳のヒロインを奉行に出します。その後もたびたびヒロインに金をせびりに来て、史上最悪のヒロインの父と言われていました。実在の人物をモデルにした作品ですが、父親はどこまで史実に基づいているのでしょうね。
あまりにダメ親、毒親ですと見ている人も気分が悪くなってしまうのでこれ以上悪い父親は出てこないのではないかと思いますが、今後はどんな父親が出てくるのか楽しみです。