「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」ジョン・ローンとミッキー・ロークが睨みあう‥‥マフィア映画
2020年2月28日 更新

「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」ジョン・ローンとミッキー・ロークが睨みあう‥‥マフィア映画

1985年(日本公開は86年)に製作された映画「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」は、熱い刑事役にミッキー・ローク、クールなチャイニーズマフィアのボス役にジョン・ローンが演じるバイオレンス映画です。またスタッフ陣も監督マイケル・チミノ(「ディア・ハンター」など)、脚本にオリバー・ストーン(「プラトーン」など)‥‥と充実していたことも見逃せない点も多かったです。

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ジョーイ・タイ(マフィアのボス)

ジョン・ローン

ジョン・ローン

冷徹なチャイニーズ・マフィアの若きボス役にはジョン・ローンです。
ジョン・ローンも本作、そしてこの後に主演した「ラストエンペラー」で大ブレイクしましたね!
日本では当時、CMにもよく出ていて、日本でも大人気でした。
私としては「ラストエンペラー」より本作の方のジョンの方が良かったように思います。
何より、存在感がありました。

トレイシー・ズー(女性リポーター役)

アリアーヌ・コイズミ

アリアーヌ・コイズミ

事故や事件現場に赴き勇敢にも現場を実況する女性リポーター、その後、スタンリーの恋人(不倫相手?!)役のトレイシーには、アリアーヌ・コイズミ。
彼女については、モデルとして活躍していた‥‥ということしかくわしいことが、あまりわかっていません‥‥。
お父さんが日本人でお母さんがオランダ人のハーフでアメリカ生まれ。

当時は物議を醸したことも‥‥

この映画には、民族対立を助長するような表現、差別用語( "Chinks"、 "Slant-eyed"、"Yellow niggers"、"Polak" など)の使用、性差別表現などについて、中国系(中華系)を含むアジア系アメリカ人からの抗議が相次いだ。
いくつかのコミュニティからは、この映画がチャイナタウンのイメージを悪くし、経済的打撃を与える恐れがあるという抗議も上がった 。
これらの抗議を受け、オープニングクレジットには以下の注意書きが付け加えられた。
スタンリーとトレイシー

スタンリーとトレイシー

アジア系の多い中でのインタビュー。
今(2017年)、トランプ政権下のアメリカだったら、二倍の講義があったかもしれないですね‥‥。
「人種の坩堝」(人種が混在している)と呼ばれるアメリカならでは‥‥という感じもします。

このような抗議に対するマイケル・チミノ監督の答えもあります。
この映画は人種差別を扱っていますが、それを推奨するための映画ではありません。
このような問題を扱うにあたって、人種差別の傾向を明かしていくことは必要となります。
かつてアメリカに移住した中国人が経験したように、周辺的な地位に追いやられるということは我々にとっても初めてでした。
そのことについて、人々は、あまりにも無知なのです。
実際1943年まで中国人にはアメリカの市民権が与えられなかったことに、現在のアメリカ人たちは驚くでしょう。
彼等は妻をアメリカに連れて行くことすら許されなかったのです。
ハーバートがスタンリーに話したことは、称賛されるべきなのです。
これらの理由から、中国人はこの映画が大好きです。
そして、記者たちの批判は、これらの悪い事実を知られたくないところからきているのでしょう。
もう一つの問題点‥‥。
こういう問題が起こったからでしょうか?
この映画は‥‥
ゴールデンラズベリー賞?!

ゴールデンラズベリー賞?!

アカデミー賞の前日に行われるという、アカデミー賞とは正反対の「最低」映画を選ぶ賞‥‥!?
不名誉な賞です‥‥!
これまた映画の街ハリウッドならでは?!
この映画は、第6回ゴールデンラズベリー賞で最低作品賞、最低監督賞、最低脚本賞、最低女優賞、最低新人賞(最低女優賞と最低新人賞はトレイシー・ズーを演じたアリアーヌ・コイズミに対するものである)5部門にノミネートされた 。
その一方で、セザール賞最優秀外国語映画賞にノミネートされ、ジョン・ローンがゴールデングローブ賞助演男優賞に、デヴィッド・マンスフィールドが作曲賞にそれぞノミネートされた。
「最低」映画に選ばれたり(ノミネート)、はたまた、別の賞では賞賛されたり、吉凶両極端な反応!
スタンリー刑事とマフィアのボス、ジョーイの熱と冷のように、これも正反対!
見る人により、「最低」であり「最高」でもある映画なのかな‥‥とも思います。
対決!

対決!

スタンリー刑事(ミッキー・ローク)「なんで、悪役のおまえがゴールデングローブ賞にノミネートされて、俺には何にもないんだよ?! 消してやる‥‥!」
とは言ってないと思いますが‥‥。

アクション・シーンに残酷バイオレンス・シーン‥‥

「ゴッド・ファーザー」などのマフィアの映画で欠かせないと言えば、アクション場面、そして、トラウマになりそうな残酷なバイオレンス場面がありますね!
涼しい顔して極悪非道なジョーイ!

涼しい顔して極悪非道なジョーイ!

ジョーイが東南アジアの麻薬王との取引に行った時のシーンです。
この後が、トラウマになりました!
何故なら、見た方はわかると思いますが、生首をテーブルの上に置く‥‥?!
クールな顔してやること残酷なジョーイ・タイです‥‥。
銃弾が手に‥‥!

銃弾が手に‥‥!

中国系でもスタンリーの協力者はいましたが、撃たれてしまいます。
この手に銃弾も‥‥リアル過ぎて‥‥!
怒りのスタンリー、ジョーイの襟首をつかみ‥‥

怒りのスタンリー、ジョーイの襟首をつかみ‥‥

怒ったスタンリー、クラブでくつろぐジョーイの首根っこをつかみトイレへ‥‥!
この後、「殴られても『美』!」なジョーイ(ジョン・ローン)を見ることができます。
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