クーデターの発端は
長州力が新日本プロレスの三重県津大会を無断欠場したことだった
その夜、長州は猪木へメッセージを送った
「新日(新日本プロレス)から脱退したい」
「社長、
これは職場放棄ですよ
謹慎処分か退職処分にすべきではないですか」
「そう派手にやってくれるなよ、新間
そもそもは俺が昨年の長州造反を押さえつけなかったことが原因なのだろうが、
長州が今回やったことにしてももう1つ心から怒れない部分があるんだよ
この前もいったように俺も長州と同じことをして自分を主張してきたし・・・」
「いや、ペナルティを科して
それが受け入れられなければ辞めさせるべきです
なんなら馬場さんに言ってアッチ(全日本プロレス)でも使わせないようにしてやる」
「俺は長州を信じている」
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)
それは新間などの背広組に納得できる話ではなかった
「結局、猪木は長州、浜口を野放しにした
同じ釜のメシを食い
同じトイレを使い
肌をあわせ汗を流し
朝起きて夜寝るまで行動を同じくする選手達の絆の強さ
やはり選手は違うんだな
選手のほうが可愛いのかなと思った
しかし処分しなかったことで、山本、藤波ら第2グループは勢いづいた
これなら何をしても大丈夫だ
私たちの知らぬところで着々と手を打っていた」
(新間)
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)
83’サマーファイトシリーズを猪木は欠場した
2人は、
「新団体はない」
「単なる新日離脱だ」
と述べた
別のグループは水面下で動いていた
山本小鉄、藤波辰巳、大塚直樹、永源遙らは
「新団体をつくるためにはタイガーマスクがいる」と考えていた
1983年7月12日、
北海道苫小牧で
タイガーマスクは試合が終え
札幌のホテルの部屋に戻るところで藤波に声をかけられた
「このシリーズが終わったら話がある」
藤波はタイガーマスクが結婚問題で会社に嫌気をさしているということを知っていた
佐山が東京スポーツの記者に口車に乗せられ
「タイガーマスク結婚」とスッパ抜かれたことから始まった
「まだまだタイガーマスクはこれからなのに
佐山はいったい何を考えているんだ
そんな浮ついたことでスター街道が歩めるか」
そして新間はタイガーマスクをリングに上げ
「結婚は3年間しません」
と誓わせた
一部マスコミは「タイガーマスクの人権無視」と非難した
「冗談じゃない
タイガーマスクと佐山聡は別ものだ
タイガーマスクは会社の財産であり
これからまだまだ稼いでもらわねばならないレスラーだ
企業防衛として結婚を打ち消すのは当然のことだ」
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)
大塚直樹(新日本プロレス営業部長)は
タイガーマスク(佐山)をクラブに誘った
大塚はここで初めてタイガーマスクに新団体の話をぶちまけた
「私達は新日本プロレスを辞めて新しい組織をつくります
8月いっぱいで営業の者は突然いなくなります」
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出席者は、
新郎新婦の両親、
猪木、
坂口、
野末陳平、
ジャイアント馬場&元子夫妻
そして私(新間)を予定していた
そんな時、佐山がロスの結婚式に友人を連れて行こうとしているのを耳にした
私は当然怒った
呼びたくても呼べない方がたくさんいるのだ
今回は普通の挙式ではないのだ
それが何故わからぬかと
ところがタイガーはこれがおもしろくなかったらしい
私の秘書が巡業地の函館に電話を入れると
「だったら会社を辞めます」と言った
ちょうど藤波達から誘われていた7月22日のことだった
藤波、永源は新日プロの体質を非難して佐山に会社を辞めさせようとしていた
そのため佐山は自分の結婚式まで管理する会社、腐敗だらけの会社だと思っていた」
(新間)
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)