カオスとしか言いようのないアルバム「ノー・ニューヨーク」は、坂本龍一がもっとも好きなアルバムだそうで。
2018年3月24日 更新

カオスとしか言いようのないアルバム「ノー・ニューヨーク」は、坂本龍一がもっとも好きなアルバムだそうで。

1978年に発売された前衛的と言っていいでしょうコンピレーション・アルバム「ノー・ニューヨーク」。プロデューサーは、鬼才と言っていいでしょうブライアン・イーノ。カオスとしか言いようのない4組のバンドが収録されているのですが、このアルバムが80年代以降の音楽シーンに大きな影響を及ぼすことになるんです。

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No Wave

70年代も終わりになるとパンクは衰退し、代わりにニューウェーブという新しいムーブメントが台頭してきます。
一方でニューウェーブは商業主義に走り過ぎているとして、フリージャズ、実験音楽、ノイズ・ミュージックなどを演奏するバンドが出てきます。こうしたノー・ウェーブと呼ばれるニューヨークで起きたアンダーグラウンドでの動きにいち早く興味を示した男がいました。
ブライアン・イーノ

ブライアン・イーノ

ブライアン・イーノです。

No New York

ブライアン・イーノといえは、ロキシー・ミュージックのオリジナルメンバーであり、アンビエント・ミュージック(環境音楽)の先駆者です。また、U2やデヴィッド・ボウイ、トーキング・ヘッズなどのプロデューサーとして知られた人物。

そのブライアン・イーノがノー・ウェーブの中心的なバントをプロデュースしたコンピレーション・アルバムが「ノー・ニューヨーク」です。
No New York

No New York

1. Dish It Out
2. Flip Your Face
3. Jaded
4. I Can't Stand Myself
5. Burning Rubber
6. The Closet
7. Red Alert
8. I Woke Up Dreaming
9. Helen Fordsdale
10. Hairwaves
11. Tunnel
12. Puerto Rican Ghost
13. Egomaniac's Kiss
14. Lionel
15. Not Moving
16. Size
同時期にUKにはギャング・オブ・フォー、ワイアー、ディス・ヒート、ポップ・グループという偉大なる基地外バンド郡がいたわけだが、US側にいた連中の音源を集めたコンピ。
「ノー・ウェーブ」とは上手く言ったもので、パンクからも逸脱し、無秩序なジャンク音楽をやっている。
「ノー・ニューヨーク」は、ニューヨークを訪れていたブライアン・イーノが4日間開催されていたロックフェスティバルの3日目に出演していたDNA、ザ・コントーションズ。4日目に出演していたマーズ、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークスという4組のバンドに興味を示し作り上げました。

James Chance and the Contortions

「ノー・ニューヨーク」には各バンド4曲ずつ全16曲収録されています。1曲目から4曲目までの演奏がジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズです。
ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ

ジェームス・チャンス・アンド・ザ・コントーションズ

バンドのメンバーは以下の通りです。

ジェームス・チャンス :サックス, ヴォーカル
ドン・クリステンセン:ドラム
ジョディ・ハリス : エレキギター
パット・プレイス :スライドギター
ジョージ・スコット III: ベース
アデル・バーティ: エーストーン、オルガン

James Chance and The Contortions - I Can't Stand Myself

如何ですか?ちょっと頭痛がする感じでしょうか?因みに本作は坂本龍一がもっとも好きなアルバムと発言しています。

Teenage Jesus and the Jerks

5曲目から8曲目に収録されているのが「ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス」です。
バンドメンバーは以下の通りです。

リディア・ランチ : ギター、ヴォーカル
ゴードン・スティーヴンソン : ベース
ブラッドリー・フィールド :ドラム

Burning Rubber

ブライアン・イーノは、4バンド共にほとんど注文を出すことなく、手を加えることもなかったと言われています。

因みに本作が発売された1978年当時、既にノー・ウェーブはポップ・ミュージックの新しいカタチとして認識されてたんです。驚きですよね。

Mars

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