”シュッシュ~ポッポ♪”は過去のモノ?「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51形蒸気機関車。
2016年11月21日 更新

”シュッシュ~ポッポ♪”は過去のモノ?「デゴイチ」の愛称で親しまれたD51形蒸気機関車。

デゴイチの真似をして”シュッシュ~ポッポ♪”なんて掛け声、子供の頃やりましたよね。縄跳びの紐のなかに並んで、みんなで腕を回したものです。あのとき真似したデゴイチは「D51形蒸気機関車」、ミドルエッジ世代は実際に乗ったよりも幼いころにおもちゃで手にした記憶や「銀河鉄道999」のイメージが強いかもしれませんね。

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デゴイチ(デコイチ)

”シュッシュ~ポッポ♪”と縄電車

”シュッシュ~ポッポ♪”と縄電車

”ガタンゴトン”から始まり、クの字に曲げた腕を回しながら”シュッシュ~ポッポ♪”とやりましたね。

デゴイチ(デコイチ)とは国鉄D51形蒸気機関車のこと

”シュッシュ~ポッポ♪”といえば思い出される蒸気機関車デゴイチ。

デゴイチは国鉄の前身である鉄道省が設計、製造した、単式2気筒で過熱式のテンダー式蒸気機関車。
主に貨物輸送のために用いられ、所属両数は総数1,115両とディーゼル機関車や電気機関車などを含めた日本の機関車1形式の両数では最大を記録しました。

ただその最大両数と知名度は、実際のところ戦時体制に伴う貨物機大量需要から来た膨大な量産の結果で、技術的な優位性や産業の勃興というよりも軍需の側面が強かったようです。

誕生の背景は下記ご参照。
1929年(昭和4年)に始まった世界恐慌、その影響で日本国内で発生した昭和恐慌により、1930年代前半の日本における鉄道輸送量は低下していた。そのため、恐慌発生以前に計画されていた貨物用の新形機関車の製造は中断されていた。
その後、景気が好転して輸送量の回復傾向が顕著になってきたため、改めて新形の貨物用機関車が求められた。そこで1936年(昭和11年)から製造されたのが本形式である。C11形のボイラーで実用化された電気溶接技術を応用して製造され、当時の設計主任である島秀雄は「多くの形式の設計を手掛けた中でも、一番の会心作」として同形式を挙げている。
D51 498

D51 498

ミドルエッジ世代は、実際に乗ってなくてもデゴイチの「シュッシュ シュッシュ シュッシュッシュ ポー♪」といった汽笛の音や、もくもくとあがる煙のイメージが強く印象に残っていることでしょう。
デゴイチの構造には、大きく分けて3区分がありました。

その形状から「ナメクジ」の通称で呼ばれた初期形(D51 1~85・91~100)、大半を占める標準形(D51 86~90・101~ 954)、資材節約と工期短縮に重きを置いた戦時形(D51 1001~1161)です。

なお955~1000番は欠番となっていますが、下記の戦時体制下によるものでした。
量産を進める段階で国内情勢が戦時体制へと突入し、貨物機である本形式に対する需要が非常に大きくなったため、国内の大型機関車メーカー5社と国有鉄道の工場(工機部)のうち8工場が製造に参加し、1936年から1945年(昭和20年)までの間に1,115両もの多数の車両が製造されることとなった。そのうちの8両については、国有鉄道の発注ではなく、私鉄の戦時買収や南樺太の内地化にともなって鉄道省へ編入されたもの、外地向けのものが戦況の悪化にともなう制海権喪失により発送できなくなり、国有鉄道籍を得たものである。また、955 - 1000は欠番となっているが、戦時型を1001から付番し番号で区別したためである。そのため、国有鉄道所有機のラストナンバーは1161である。

戦前~戦時中は貨物輸送で活躍、戦後は旅客輸送で活躍したデゴイチ

戦後は軍需貨物輸送の事実上の消滅と食糧難に起因する買い出し等による旅客の激増で、戦時中とは貨客の輸送需要が完全に逆転しました。
常紋峠付近を走る1077号機(1971年4月)

常紋峠付近を走る1077号機(1971年4月)

1970年代にはもう廃車が進んでいましたので、実際に乗れた方は少ないかもしれませんね。

鉄道の電化、ディーゼル化が進む中で役割を終えたデゴイチ

電化やディーゼル化の影響による余剰廃車が本格的に出始めたのは1967年頃からのことで、蒸気機関車の最後の時期まで多くのD51形が残っていた。特に1960年代から1970年代にかけて石北本線、東北本線、奥羽本線、伯備線などの急勾配区間において重連や3重連などで活躍する姿は当時の「SLブーム」の波に乗り、鉄道ファンや写真家、マスコミ関係者などの間で大変な人気を集めた。

【国鉄時代】昭和の国鉄⑦ D51 デゴイチ SL さよなら蒸気機関車 鉄道

ちなみに「SL」は”Steam(蒸気)”Locomotive(機関車)"の略ですね。

デゴイチのイメージ

おそらく私たちの両親世代は乗ったことがあるのではないでしょうか。
私たちは「銀河鉄道999」や、おもちゃのデゴイチを手に取って遊んでいた記憶が強いかもしれませんね。
思い出すのは「銀河鉄道999」でしょうか

思い出すのは「銀河鉄道999」でしょうか

多くの方が、デゴイチと銀河鉄道999のイメージを重ねて記憶していることでしょうね。

銀河鉄道999 OP (TV-STEREO)

手で掴んで走らせました

手で掴んで走らせました

息を切らして”シュッシューポッポ♪”と言ってませんでしたか?
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