1991年公開 「波の数だけ抱きしめて」
「私をスキーに連れてって」「彼女が水着にきがえたら」に続くホイチョイプロ製作第3弾です。
1982年の湘南を舞台に、若者たちのFM局運営と恋の行方を描く青春ストーリーです。真っ黒な中山美穂、織田裕二、別所哲也、松下由樹たちが我らの青春80年代をほろ苦く描きます。
via d.hatena.ne.jp
モデルは、1983年に湘南に実在した海岸美化を訴えるためのミニFMラジオ局「FM Banana」である(和歌山にある同名のコミュニティ放送とは無関係)。
作品公開前年の1990年、いわゆる湘南地域一帯で開催されたSURF90に於けるイベント放送局のサーフ90エフエム「愛称:ジョーズFM、コールサイン:JOOZ-FM、周波数:76.3MHz」から、本作品中で76.3MHzが使用されている。
ミニFM局が舞台の切ない恋物語
1991年11月。旧友・真理子の結婚式の帰り、小杉と芹沢は車で茅ヶ崎に向かう…。
1982年5月。
大学4年の小杉、芹沢、裕子、真理子は、無線マニアの芹沢の提案で、湘南にミニFM局を開設する。
DJを務める真理子は、間もなく留学のためロスに行ってしまうが、互いに想いを寄せる小杉とは気持ちを伝えられないでいる。そこへ広告代理店に勤める吉岡が現われ、真理子に急接近する。
※冒頭の結婚式シーンはモノクロ映像
新郎はごく平凡な男性
新郎はごく平凡な男性
via ameblo.jp
真理子に一目ぼれした吉岡は、FM放送局の計画を知り、真理子を取り入れる為に中継局作りに積極的に協力しはじめる。
そしてKiwiは二人の男の真理子への思いをエネルギーにして、国道134号線沿いに江ノ島方向へ急速に伸び始める。
そんな時、吉岡は会社の上司から専売公社が森戸にひと夏オープンするアンテナショップで行うイベントの企画を命じられ、茅ヶ崎から森戸まで湘南の海辺をカバーするFM放送局「FM湘南」の設立を提案。
Kiwiは森戸を目指してさらに伸びていく。
同時に吉岡は真理子に9月までアメリカ行きを延ばすよう頼み込み、真理子もそれを了承するのだった。
7月3日、明日が試験放送開始の前日、真理子に「行くな!」という決意をした小杉だったが、真理子は吉岡に誘い出されて行ってしまう。
グレて裕とビールを飲む小杉。
一方吉岡は、真理子の気持ちが小杉にあることをしり、残念な自分の立場を知る。
放送局に帰った真理子は、抱き合っている小杉と裕子を見てしまう。
気持ちがこじれたまま試験放送開始の当日。
スポンサーもその放送を聴きに湘南に向かっている。真理子は現れない。
しかし既に初回放送分の声はテープに吹き込んであった。
ついに放送は開始される。
その放送を聴いて安心した真理子は車で湘南を離れていく。きっと真理子は聴いていると吉岡に言われた小杉は、テープからのプラグをはずしマイクに向かって「好きだー」と連呼する。
しかし、真理子の乗る車は湘南を離れるトンネルのなかにあり、既に電波は届いていなかった。。。。
via ameblo.jp
登場人物紹介
田中真理子 - 中山美穂
都内のミッション系大学に通う女子大生。茅ヶ崎のサーフショップで小杉、裕子、芹沢とともにバイトしている。大手商社のロサンゼルス支店に赴任している両親の元へ引っ越そうとしている。
小杉正明 - 織田裕二
高校時代から真理子のことが好きだが、それをなかなか告白できずに迷っている。
芹沢良明 - 阪田マサノブ
自作のミニFM送信機を作るなどの無線マニアだが、女性には興味はない。
高橋裕子 - 松下由樹
田中、小杉、芹沢の高校時代の同級生。バイクや車の運転が下手、特に停車が苦手。
吉岡卓也 - 別所哲也
大手広告代理店に勤務。愛車のVWビートルカブリオレでデートしている所、偶然ミニFMでDJをしている真理子にひとれぼれをしてしまう。
そんなとき、勤務先で専売公社のサムタイムの湘南キャンペーンを企画しており、真理子がやっている茅ヶ崎のミニFMと結び付けようと必死になる。
91年に82年を再現した映画
番組冒頭の現在がモノクロで、メイン・ストーリーの1982年の部分がカラーという「ちょっと嘘っぽい、ノスタルジックな80年代な湘南(=茅ヶ崎)」が舞台で、初めて見る人には、「91年に82年を再現した映画」だということが判らないだろう。
その頃の風俗(髪型やサーフィンの流行、ホンダCITYカブリオレやマツダのファミリアなんかも登場)が再現されているのを懐かしいと感じた。
ヒロインを演じる中山美穂のJJ的ファッションとメイク、スケボーやサーフィンに熱中する若者、車にフォルクスワーゲン・ビートルを使用し、レコード・プレーヤーなどの小道具にまでこだわって、見事な西海岸文化のディテールを描き出していた。
松下由樹が渋谷のタワーレコードで買ってきたシールドされた新品LPを中山美穂が開封し、匂いを嗅いでしまうあたり、マニアしか気づかない妙味である。ベタでバタ臭くもないが、いかにも当時らしい雰囲気がよく転写されている映画だ
via ameblo.jp