とりPOP、定型の完成〜 漫画「クルクルくりん」
2016年11月29日 更新

とりPOP、定型の完成〜 漫画「クルクルくりん」

ギャグ漫画家とり・みき—そのPOPの「完成」をみた作品、「クルクルくりん」。その一端を見てみましょう^^

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第1巻、表紙

連載6作目にしての「完成」

秋田書店の『週刊少年チャンピオン』に1983年から1984年まで連載。全69話。少年チャンピオンコミックス全6巻。なお、最終第6巻にはほぼ同時期「週刊少年チャンピオン増刊 ヤングチャンピオン」[1]にて連載していた『すけこまくん』も収録。

1990年に徳間書店から全5巻で『すけこまくん』も収録する形で新装版が発売。

2005年には早川書房から文庫本サイズ・全3巻で再刊された。ここでは巻末で当時を振り返る描き下ろしマンガが付録されている。

『週刊少年チャンピオン』の2009年32号には、創刊40周年記念企画として、「るんるんカンパニー」の登場人物たちと共演する「クルクルくりんfeat.るんるんカンパニー」が掲載された。
漫画「クルクルくりん」は、デビュー以来秋田書店の漫画雑誌で連載を続けていた、とり・みきの「るんるんカンパニー」「すけこまくん」に続く連載6作目になります。3作目「たまねぎぱるこ」でその萌芽が、4作目「るんるんカンパニー」後半でその洗練がされたとり氏のポップさのひとつの「完成型」がこの「クルクルくりん」だと、とり信仰の筆者は独断偏見で見ております。
前掲の第1巻表紙(以降どの巻の表紙も同様ですが)をご覧にいただくだけでも、その画の側面のとりPOPが完成されていることを見てとれると思います。

多重人格美少女と、その“治療薬”の苦難、、f^^;

さて、おハナシの方は、、

校門前で「やるぞ!」と気合いの男の子、松本イオは、幼馴染みの麻衣とともに背徳学園中等部の新一年生。エキセントリックな校長や理科教師に振り回される登校初日、同じく新一年生の美少女、東森くりんと出会います。
全校男子生徒が一斉に彼女に注目する中、どさくさに紛れて積極性を発揮して彼女の手を引いて殺到する男子生徒と彼女の父で理科教師の東森(玄太郎)先生を撒いて二人きりになりますが、なぜか彼女の性格は一変、〈純真でかわいくて 明るくてちょっぴりオチャメで〉(父談)な性格からスケバンに。
実は彼女には眠っていた秘密があったのです—。東森先生が女性アンドロイドの研究でコンピュータにストックしていた膨大な女性のデータが、研究所の爆発事故の際に、全てくりんに転送されてしまったのでした。それ以来くりんはなにかしらの心理的ショックを受けると別の人格に変わってしまうように、、とはいえ小学校6年間は多重人格が見られることもなく平穏だったのが、イオが彼女の手を引いたことでまた多重人格が再発してしまったのでした。
再びショックを与えれば元の人格に戻るかも—。スケバン人格にすら心理的ショックを与えるには、、いきなりイオがくりんにキスをすると、彼の読み通り彼女は元に戻ったのです。当人はなにをされたか分からず、見ていた東森先生はカンカン!
、、とはいえ彼女の秘密を知るのは父の他は彼のみ。くりんの多重人格が出ないよう見張ることを東森先生から命じられ、しかしいったん多重人格が出てしまえば直す方法はイオのキスだけ。くりんの危なっかしい、イオには受難の日々が始まります—。

登場人物

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東森くりん

これは通常時、元の人格の、くりん。これが、、
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、、こうなる訳ですね^^;

中学初日、現れたスケバンの人格のくりん。

イオが始終心配してくれるゆえか(“監視役”を命ぜられているわけですからね^^;)、好意を寄せるように。
多重人格から戻っていることを知らないイオからキスされ、元のくりんの人格として「キスされる」回も。
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松本イオ

くりんの多重人格再発の元凶にして、唯一の“治療薬”
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麻衣

イオの幼馴染み。イオをめぐって、くりんと恋のライバル。
くりんと出会い騒動となる前は、イオは麻衣のことが好きだったようだが、
“監視役”としてくりんと一緒にいるうちに、、
事情を知らずにイオとくりんのキスの現場を見てしまった麻衣の方は、
〈イオくんとはたんなる幼なじみのつもりだった/あたしもわりとウワキっぽいほうだから大きいこといえないんだけど…/入学以来ああまでみせつけられちゃ/黙ってるわけにはいかないのよねっ〉という心境、、^^;
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東森玄太郎

くりんの父。父娘二人暮らし。背徳学園中等部の理科教師。
多重人格からの唯一の“回復法”、イオのキスにはとうぜん父として黙っていられないが、かといって他に方法もなく、失神したイオを自ら運んでくりんとキスさせたりも、、
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大原まり

イオら三人のクラスの担任。国語教師。
子どもぽく頼りなくぼけていて、生徒の面倒をみるというより、生徒らに心配してもらう愛される先生。
とり作品における“俳優”(とり氏の他作品に関する拙文をご参照下さいませm(_ _)m)の一人といえる。SF作家の大原まり子氏がモデル。
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ダイエットでこんな姿のことも、、

(モデルを目指したのだが、アイスクリームのCMでたくさん食べてもとのもくあみ、、f^^;)
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ジェームス吉田

とり作品における“スター”(とり氏の他作品に関する拙文を、、m(_ _)m)の一人、吉田さんことジェームス吉田。

今作では背徳学園中等部の校長“役”。中味はあいかわらず^^;
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くりんらのクラスメート

左のコマ:鹿野
背が低く、知らないものからは小学生扱いされることも。くりんの遅刻を見逃してやって「ありがと恩にきるわっ/だから鹿野くんって好き!!」の軽い一言を真に受けてしまい、くりんをアタックを繰り返す、、
モデルはサイエンスライターの鹿野司氏。

右のコマ:(右の男の子)関
〈オシャレな関くん〉。眼鏡を外すと美少年という「定番」だが、ほかの部分は元のまま、というギャグにされたりも^^;
モデルは編集者の関智氏。

(左の男の子と女の子)
くりん「なっ名前がおもいだせない!?/そういえば この二人毎回出てくるわりに名前を呼んだことは一度もないよーな気が…」
作者「しまった気づかれたか」
、、名前がつけてありませんでしたf^^;
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くりん、七(以上f^^;)変化

ご案内のように、くりんは多重人格—。いろんなタイプの女の子(ときに幼女や逆に年齢のいった人格も)を描き分け、とりPOPの見せ所ですね^^
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一流ミュージシャン?
校内バンド合戦、音痴だと嫌がってたヴォーカルもノリノリに!
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ちなみに、その前のイオたちの練習風景。
ここらにもこの当時のとりPOPのほどを感じる、とり信仰の筆者ですが、いかがでしょうか?f^^;
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