とり・みきギャグ確立の祖
デビュー以来、秋田書店で作品を発表して来た、とり氏の連載4作目。月刊少年チャンピオンで連載した前作「たまねぎぱるこ」は、とっぽい魅力の女の子ぱるこを主人公に据え、かわいいドジっ娘ねむりを脇においたギャグ漫画でしたが、今作は女の子バリエーションを増やすべく女主人公3人と主人公の男の子を据えています。またその後のとり作品の大きな要素となる「スター・システム」の走りとなるのもこの作品です。
多くは演劇・映画・プロスポーツなどの興行分野において、高い人気を持つ人物を起用し、その花形的人物がいることを大前提として作品制作やチーム編成、宣伝計画、さらには集客プランの立案などを総合的に行っていく方式の呼称。また、資本力やニュースマスコミを利用した大々的な宣伝の反復などによって、そのような花形的人物を企画的に作り出すシステムもこの一環として指す。
転じて、漫画などで、同一の作家が同じ絵柄のキャラクターをあたかも俳優のように扱い、異なる作品中に様々な役柄で登場させるような表現スタイルも、スター・システムと呼ぶようになった。日本の漫画分野で初めてこの手法を用いたのは手塚治虫であり、彼が複数の作品のなかで、自らの友人や友人の祖父、さらには実の妹が描いたキャラクターを登場させたことに始まるとされている。
今作にも、その後のとり作品で活躍する“名俳優”が数多く登場します^^
またとり作品のギャグの基本、リズムといったものも、この作品に源流となる部分が大きいと、とり信仰の筆者は独断と偏見で思う次第ですf^^;
とりかまワールドへの招待
とりかま学園(高等学校)を舞台とした学園ギャグ漫画である。前作『バラの進さま』から登場人物を一新しつつも、最初期はその流れを汲んだ設定だったが、次第に登場人物個々の性格を前面に押し出した内容となって毎回主役が変わるようになり、連載全回通して描かれた登場人物は1人もいない。回ごとのストーリーには作者が造詣を持つSFや落語が下地になっているのもある。
とくに引用のように、最初の学園ものという設定は次第にとくに重きを置かれず、どんどんギャグ漫画として自由になっていく感じですね。
第1話「学校にもどってみればの巻」
主人公・葵達郎が盲腸手術での入院から学校へ戻ると、見知らぬかわい子ちゃん三人が生徒会三役となっていました。野泉かつら、北沢静、深水くるみの三人です。二学期初めに転校して来て、男子の圧倒的人気で当選したのです。
三人に振り回されるタツローくん。しかも彼の一人住まいのおんぼろアパートの横にはマンションが建っていて、向かいの部屋にはカーテンを開け放って下着姿の三人が、、タツローくんの受難の日々が始まります、、>_<
第2話「見たな〜!!の巻」
知られたからには、、とタツローくんを裏の生徒会の僕とすることに。前話でタツローに意図せずちょんと手に触れられたくるみは、ウブすぎて子どもができたらどうしようとタツローに結婚を申し込む始末。いずれにしても三人の僕としての地位は確定したのでした、、T^T
とりギャグのプレーヤーたち
主人公(?)と主人公三人組
以下、登場人物たちをご紹介します。
1年生。アパート「あくつ荘」に一人住まい。前述のように裏の生徒会の秘密を知ってしまい、彼女らの僕のように使われる。
野泉かつら
2年生、生徒会長。裏の生徒会の頭脳。
北沢静
2年生、副会長。裏の生徒会の武闘派。空手などを使うよう。
深水くるみ
1年生、書記。小学生のような容姿と行動だが、高校生。
「るんるんカンパニー」として行動する。
、、というフォーマットで始まったのですが、、なにか事件が起こってそれをるんるんカンパニーが解決、タツローくんはいつも振り回されて、、というパターンから、3人やタツローくん以外の登場人物たちも目立って来てどんどん自由になってくるにつれ、るんるんカンパニーへの変身やコスチューム姿はなくなります。