2017年6月19日 更新

現代アイドルを民俗芸能目線で見たらこうなった!

日本の芸能史に女性芸能者あり。今も、祭礼を活かしつつ歌舞でファンを魅了する女性たちがいます。「お祭り系」をコンセプトとし、「フェスティバル」「ポジティブ」「アクティブ」な8人ユニット『FES☆TIVE(フェスティブ)』さんです。結成は2013年。結成当時、祭礼をテーマにしたアイドルというのは異色の存在だったそうです。

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平安末期(12世紀)の源平合戦を記した『平家物語』。この物語の「祇王(ぎおう)」の段に「白拍子のはじまりけることは、むかし鳥羽院の御宇に島の千歳・和歌の舞とて、これら二人が舞ひ出したりけるなり」という記述があります。
白拍子(しらびょうし)。
男装した女性や子供が今様(いまよう)などを歌いながら舞った、その人を指す言葉です。「今様」とは当世風・今風を意味する言葉で、平安時代中期から鎌倉時代にかけて流行した歌謡のことを指します。
言うなれば平安時代のJ-POPです。平安時代末期、源氏と平氏を両天秤に掛け対等に渡り合った後白河法皇(1127〜1192)は、この今様がお好きでした。

女性の歌舞は古代から息づく姿

何が言いたいかというと、平安末期には仮装した女子が流行り歌を歌っていて、彼女たちが時の最高権力者や貴族たちにも人気だった、という事実です。そしてその起源は巫女舞に遡ると思われますので、女性の歌舞というのは日本の歴史の中で、古代から息づく姿だったりします。そして祭祀や祭礼の中で育まれた女性たちによる芸能の歴史の中で、安土桃山時代についに1人の女性が誕生しました。女性芸能者・出雲阿国(いずものおくに)です。
阿国は、「ややこ踊り(少女による小歌踊り)」を基に独自の踊り「かぶき踊り」を開発、このかぶき踊りが現在の歌舞伎に繋がったとも言われています。

『時慶卿記』(安土桃山時代~江戸前期成立。西洞院時慶・著)の慶長5年(1600)7月1日条に、京都近衛殿や御所で雲州(出雲のこと)のクニと菊の2人が「ややこ踊り」を演じたと記されており、この「クニ」が阿国と言われています。

そして阿国が北野社の能舞台を代用して「歌舞伎踊り」を始めたのは慶長8年(1603)。その当時の様子を描いたと思われるのが京都国立博物館所蔵の「阿国歌舞伎図」。重要文化財(国宝)に指定されている屏風です。

日本の芸能史に、女性芸能者あり

そして今も、祭礼を活かしつつ歌舞でファンを魅了する女性たちがいます。
「お祭り系」をコンセプトとし、「フェスティバル」「ポジティブ」「アクティブ」な8人ユニット『FES☆TIVE(フェスティブ)』さんです。
『FES☆TIVE(フェスティブ)』

『FES☆TIVE(フェスティブ)』

結成は2013年。結成当時、祭礼をテーマにしたアイドルというのは異色の存在だったそうです。「アイドル」と祭礼=お祭り・・・確かに現代社会では繋がりが薄いですよね。
しかし、日本文化の歴史から見れば、これほど王道のコラボは・・・実は無かったりする気がします。現在の私たちの生活の中でお祭がそこまで重要ではないだけです。

『FES☆TIVE(フェスティブ)』ライブ!!

先日、彼女たちのライブを見に会場まで足を運びました。
ファンとの一体感。距離感。これは・・・どこかで見た記憶が!京都国立博物館所蔵の「阿国歌舞伎図(おくにかぶきず)」だ!そして彼女たちの服の色は、紫を黒に見立てれば、まるで五色のよう。五色というのは、五行思想に基づく5つの色のことで、祭礼には欠かせない色たちのこと。内訳は青(緑)、紅(赤)、黄、白、玄(黒)です。
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お祭りをコンセプトにされている、とのことでしたが、彼女たちはまさに祭礼そのもので、そしてその中で歌舞をしている日本の芸能史そのものかもしれない・・・そう感じました。

「温故知新」という言葉がありますが、彼女たちが表現しているのはまさに日本芸能史の温故知新。連綿と続く女性芸能を受け継いだ姿だと、感じました。

海外でも活躍されている彼女たち。どんどん日本らしさを海外で発揮してほしいと強く思います。17世紀に阿国踊りを見た人たちも、きっとこんな風に楽しかったんだろうなあ・・・!

FES☆TIVEワンマンライブ ワンマンダイジェスト

【最後に】

女性芸能者は売春もしていたのでは?という質問をする人がいます。それはその時代ごとの風潮。平成の今には、その風潮は全く関係ありません。
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