ダスティ・ローデスの魅せるプロレスを大検証!熱狂のエルボードロップ!
2016年11月25日 更新

ダスティ・ローデスの魅せるプロレスを大検証!熱狂のエルボードロップ!

プロレスに生涯を捧げた、アメリカンドリーム・ダスティ・ローデス。なぜ観客をあれほどまでに大熱狂させたのか。ダスティ・ローデスのアメリカと日本の試合を振り返りながら「魅せるプロレス」を検証する。

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ダスティ・ローデスのプロフィール

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詳し過ぎるプロフィールは退屈になる可能性(危険性)があるので、簡単なプロフィールを紹介し、早く試合の話をしたい。
ダスティ・ローデスの本名は、ヴァージル・ラネルズ・ジュニア。
1945年10月12日生まれ。
出身はアメリカ合衆国テキサス州オースティン。
プロレスデビューは1968年。
アメリカンフットボールをやっていたローデスは、同期にブルーザー・ブロディ、ボビー・ダンガン。先輩にはザ・ファンクス、後輩にはスタン・ハンセン、テッド・デビアスと何とも豪華な顔ぶれ。
ダスティ・ローデスは、身長187センチ、体重137キロ。
何といってもダスティ・ローデスにとって、最初の大きな出会いは、あの狂犬・ディック・マードックだ。
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テキサス・アウトローズ

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ダスティ・ローデスは、セントラル・ステーツ地区でディック・マードックとコンビを組み、テキサスアウトローズを結成し、NWA、AWAのリングで大暴れ。
二人ともラフファイターで、強気の性格。
ディック・マードックは控室で先輩レスラーがいても、「知るか」「関係ねえ」という態度で、挨拶するようなレスラーではなかった。
テキサスアウトローズは、日本のリングでもファイトしている。
国際プロレス、全日本プロレス、新日本プロレスでも、ディック・マードックとダスティ・ローデスのタッグは、ファンを熱狂させた。
テキサスアウトロースは、生傷男・ディック・ザ・ブルーザーと破壊者・クラッシャー・リソワスキーの最凶コンビとも抗争を繰り広げた。
ここでダスティ・ローデスに転機が訪れる。
1974年、ダスティ・ローデスはベビーフェイスに転向し、新たな活躍の場が広がるのだ。
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ダスティ・ローデス、ディック・マードックVSラッシャー木村、タイガー戸口

1981年12月8日、蔵前国技館。第2回MSGタッグリーグ公式戦60分1本勝負。
全米で暴れまくったテキサス・ジ・アウトローズが新日本プロレスのリングで復活。
対するは相手にとって不足なしの強豪タッグ、ラッシャー木村とタイガー戸口。
木村と戸口はローデスに的を絞り、パンチ、キック、エルボー、ヘッドバットでローデスの額を割り流血戦。
素早くマードックにタッチしたローデス。怒りのマードックはキック、エルボー、二人の頭をつかまえて同士打ちのラフファイト。
そして、ついに出たマードックの必殺技、戸口に垂直落下式ブレーンバスター! 決まれば誰も返したことがない大技だけに、木村がすぐにカット。
ローデスも痛烈なエルボースタンプを戸口と木村にお見舞いするが、再び場外乱闘。木村がローデスをフェンスに叩きつけるが、勢い余ってオーバー・ザ・フェンスで木村、戸口組の反則負け。
オーバー・ザ・フェンスのルールは意味がないとマサ斉藤が長州力に語っていたが、後にこのルールはなくなった。
今はフェンスを超えても反則負けにはならない。

アメリカンドリーム

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ご存知の通り、アメリカンプロレスは、ベビーフェイスVSヒールの図式で試合が組まれることが多い。
ダスティ・ローデスは、1974年頃から、CWFを主戦場に完全にベビーフェイスとしてファイトすることになる。
観客を大熱狂させるアメリカンドリーム・ダスティ・ローデスの誕生だ。ローデスはまさにアメリカマット界でスーパーヒーローになった。
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ダスティ・ローデスの特長は、何といっても明るいパフォーマンス。
初めてダスティ・ローデスの試合を観た時は衝撃的だった。
1979年、新日本プロレスのリングに初登場する前、ダスティ・ローデスを紹介するVTRはアメリカの試合だった。
ダウンした相手にジャンピングエルボードロップを炸裂させるシーンなのだが、ローデスは自らロープに飛ぶと、いきなり凄い踊り、凄い踊り、踊りに踊りまくってから高々とハイジャンプしての強烈なジャンピングエルボードロップ!
こんなレスラーは見たことがなかった。
キレイなホワイトの頭髪、太った肉体、試合中のダンス。
あまりにもインパクトが強く、ひと目見ただけで記憶に残る。
パイルドライバーも、相手選手を持ち上げたら、わざわざ四方に見せてからのジャンピングパイルドライバー!
プロレス専門誌でも、アメリカンドリーム・ダスティ・ローデスの記事や写真は、心躍る思いで見ていた。
ダスティ・ローデスの魅力を言葉で表現するのは難しいが、アメリカのファンがこれほど大熱狂するのは、やはり魅力的だからだと思う。

ダスティ・ローデスVSスーパースター・ビリー・グラハム

ダスティ・ローデスVSスーパースター・ビリー・グラハム

これぞアメリカンプロレス。これこそダスティ・ローデスのファイトスタイル。
1977年、WWWFヘビー級選手権。王者のスーパースター・ビリー・グラハムに挑戦したダスティ・ローデス。
MSGは、ダスティ・ローデスがリングに登場しただけで大歓声が巻き起こり、抜群のフットワークでボクシングスタイルを見せると観客は立ち上がって大騒ぎ。
アメリカのファン気質として自分たちも派手にはしゃぎたいというものがあるにせよ、会場がずっと湧きっ放しというのが凄い。
対戦相手のスーパースター・ビリー・グラハムがマネージャーと一緒にリングに上がると、たちまちブーイング。
ダスティ・ローデスがオーバーアクションでグラハムを挑発すると大歓声が湧く。
マネージャーがゆっくりとグラハムのTシャツを脱がそうとすると、ゴングがまだ鳴っていないが、ローデスはグラハムにキック!
そしてマネージャーを蹴散らしてリング外に下がらせ、試合を始めてしまう。
ローデスの得意技であるエルボースタンプをグラハムの脳天に炸裂させるたびに大歓声。
卒倒するグラハムには深追いせずに、ローデスはダンスを踊り、観客もオーバーヒート。
怪力で知られるビリー・グラハムは強敵だからこそ、試合も面白くなる。
場外乱闘の流血戦となったが、ダスティ・ローデスはテキサスアウトローズ時代に培ったラフファイトもお手のもの。
フライングメイヤーから全体重を浴びせた顔面へのパンチ攻撃でグラハムを追い込む。
とにかくダスティ・ローデスの間合いが素晴らしく、観客を1秒たりとも飽きさせない。
最後は、ローデスがグラハムからフォールを奪おうとするが、ローデスが両脚をロープに引っ掛けていることがバレて、レフェリーがカウントを取らない。
しかしカウントスリーが入ったと思い、ローデスが両手を上げて観客にアピール。
レフェリーが「NO!」と言い、ローデスと口論しているところへビリー・グラハムが強烈なタックル!
脳震盪を起こしたかダウンしているローデスにグラハムがカバーに入り、カウントスリーで勝利。
気づいたローデスは怒り心頭。
グラハムをダウンさせ、十八番のジャンピングエルボードロップ4連発! ファンは大熱狂。
さらにロープに飛ばしてエルボーバットでグラハムを場外に吹っ飛ばす。
試合には敗れたが、ダスティ・ローデスの上手さと強さが光ったプロレスだった。

ダスティ・ローデスVSスーパースター・ビリー・グラハム ブルロープマッチ

ダスティ・ローデスがアメリカマットで得意としていたブルロープマッチ。
互いの手首にブルロープ(荒縄)を付け、試合中は離れることができない。
そしてブルロープにはカーベル(鐘)がついていて、このカーベルでの凶器攻撃もOKというルール。
因縁の対決。
スーパースター・ビリー・グラハムとブルロープマッチで決着をつけようとするダスティ・ローデス。
ローデスはブルロープマッチの戦い方を熟知している。
いきなり凶器(カーベル)攻撃でグラハムを一撃で倒したが、深追いはせずに挑発的なダンスで会場も大歓声。
間合いと駆け引きの上手さは、天性のものか。
魅せるプロレスは単なるショーではない。アメリカのファンは目が肥えている。ショーアップし過ぎの派手なだけのパフォーマンスは、一歩間違えばお遊戯になってしまう。
ダスティ・ローデスはあくまでも勝負をしているから受けている。
グラハムの脳天に痛烈なエルボースタンプを見舞い、グラハムが場外に逃げようとするとロープを引っ張って逃がさない。
ローデスは強烈なストンピング。さらにエルボーと攻めるが、グラハムもロープでローデスの首を絞める。
チョーク攻撃で苦悶の表情のローデスに声援が飛び、グラハムにはブーイング。
ローデスは反撃し、フライングメイヤーからストンピング。しかし必殺技エルボードロップは交わされ、グラハムはローデスの額にバイク、凶器攻撃のラフファイト。流血戦となり観客もエキサイト。
グラハムは怪力を利してローデスにベアハッグ。ローデスは技を掛けられながらグラハムの脳天にエルボースタンプ!
一進一退の攻防。
グラハムも負けていない。コーナーポスト最上段に上がるが、ローデスはロープを引っ張って落下させる。
ローデスの反撃。凶器攻撃2連発。ローデスが叫べばもう会場はオーバーヒート。
コーナーに追い込み、ニーパット! 凶器! グラハムは場外転落。そのまま上がれずにリングアウト。
ダスティ・ローデスの完勝だ。 
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