Spiral Lifeとは、渋谷系の括りを否定し、オルタナティブ・ロックを追求して僅か3年で解散を選んだバンドの事。
2016年5月22日 更新

Spiral Lifeとは、渋谷系の括りを否定し、オルタナティブ・ロックを追求して僅か3年で解散を選んだバンドの事。

1993年から1996年まで活動した二人組のバンド「Spiral Life」。車谷浩司と石田小吉の二人が織りなす先進的なサウンドは、徐々に人気を獲得。しかし、絶頂期に解散。今も色褪せない「Spiral Life」の音楽を振り返ります。

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僅か3年間の活動だった「Spiral Life」(スパイラル ライフ)

AIRの車谷浩司とSCUDELIA ELECTRO(MOTORWORKS)の石田小吉(=石田ショーキチ)のユニット。
1993年9月にデビュー、1996年3月活動休止。

オリジナルアルバム3枚を含む7枚のアルバムと、7枚のシングル(マキシ含む)、6本のビデオをリリース。
「Spiral Life」(スパイラル ライフ)の二人

「Spiral Life」(スパイラル ライフ)の二人

左が石田小吉(いしだ しょうきち)、右が車谷浩司(くるまたに こうじ)

人気絶頂期に解散

BAKUというバンドで、10代にデビューして、一世を風靡した車谷と、ミュージシャンでありつつ、サウンドプロデューサー的な面も強く持ち、デビューを目指していた石田が、後にSPIRAL LIFEのディレクターとなる人物を介して知り合い、結成される。
FURTHER ALONGの頃

FURTHER ALONGの頃

90年代の渋谷系ムーブメントの中、どちらかというとその枠に当てはまる事なく、それぞれ好きな音楽で一つの方向性を示していたバンドであった。

故に本人達は渋谷系として認知される事に否定的であったが、まさに当時のムーブメントの中心である渋谷界隈の外資系レコード店などでは彼等の人気は絶頂に達していた。その為、現在でも渋谷系アーティストの一角として認識されている。

人気絶頂の中、次第に二人の音楽性は異なる方向に向かってしまう。車谷はよりラウドなロックサウンド、石田はよりエレクトロニックなサウンドを目指しに行った。
結果、車谷の脱退を機に事実上の解散となった。
物静かな印象の二人

物静かな印象の二人

解散ライヴは1996年3月23日の横浜アリーナでした。

2013年、石田小吉のインタビュー(総合カルチャーサイト「Real Sound」)によると当時、本人たちは「渋谷系」の括りに入れられていると感じつつ、自分達はロック的なスタンスで音楽活動をしていたので、サンプリングを行う渋谷系ではないと感じていたそうです。
さらにコアな渋谷系の人々からは「あんなの渋谷系じゃない」と言われたとの事。

オルタナティブ・ロックを追求した「Spiral Life」

いわゆる型にはまらず、アンダーグラウンドの良さを生かしながらも自分たちの音楽を志向していくオルタナティブ・ロック(日本では和製英語のミクスチャー・ロックとも言われた)。
日本では90年代にレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ニルヴァーナにより、シーンが確立されました。

Spiral Lifeも90年代のそうした音楽性を内包したバンドでした。
デビュー直後は「サウンド・オブ・マイ・ジェネレーション」を掲げ活動します。儚くも切ない印象のメロディにギター音を重ね、新たなオルタナティブ・ロック(もしくはギターロック)を追及していきました。
2nd アルバム 「Spiral Move TELEG...

2nd アルバム 「Spiral Move TELEGENIC2」

1994年7月20日発売
オリコン最高10位

解散後はソロミュージシャン、プロデューサーとして活躍

Spiral Life解散後にソロ活動として始動したAIRであるが、BAKU〜Spiral Lifeの流れから一転してラウドサウンドを追求しに行った。
当時、邦楽界でのラウドロックサウンドは今よりも認知が高かったわけではなく、AIRは時代的な観点からするとパイオニア的な存在感があった。
故に彼をリスペクトする者、そしてフォロワーが次々と現れ、有名な所であるとDragon Ashの降谷建志やRIZEのJESSEなどがAIRからの影響を公言している。

一方、石田小吉は、Spiral Life解散後、自信の活動としてScudelia ElectroやMOTORWORKS(メンバーはL⇔Rの黒沢健一、スピッツの田村明浩、RaFF-CuSSの堀宣良)といったバンドを結成するが、それと同時にプロデューサーとしての色を強める。
数々のアーティストのプロデュース業に携わる事になるが、中でも有名なのがスピッツである。スピッツの「ホタル」「放浪カモメはどこまでも」「遥か」「夢追い虫」といった楽曲は、石田ショーキチ(※Spiral Life解散後はカタカナに改名)のプロデュースである。
「AIR」として活動を行った車谷浩司

「AIR」として活動を行った車谷浩司

「MOTORWORKS」 石田小吉は右から2番目

「MOTORWORKS」 石田小吉は右から2番目

洗練された名曲が揃った「Spiral Life」動画集

【ANOTHER DAY,ANOTHER NIGHT】

デビューアルバムと同時に発売になったシングル曲。“2人で作った最初の曲”だそうです。
2人が初めて会ったときに石田がこの曲の入ったテープを車谷に聴かせたというエピソード有。

ANOTHER DAY,ANOTHER NIGHT / SPIRAL LIFE - YouTube

1993年9月1日発売
1st.album 「FURTHER ALONG」からの一曲。
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