2025年大阪万博が決定!成功に向けて考えておきたい提言コラム!!
2018年11月25日 更新

2025年大阪万博が決定!成功に向けて考えておきたい提言コラム!!

大阪の、いや日本にとって大きな意味を持つ2025年の大阪万博開催が決定しました。1964年東京五輪、1970年大阪万博の再現との声も聞かれますが2025年の日本の姿は果たして?本稿は2017年春から夏に連載し好評を博した作家・木原浩勝氏による大阪万博応援を目的とした提言コラムをまとめたものとなります。

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この効果を考えて現在の大阪市近圏を見れば空港が関西・伊丹・神戸と三つも集中しているのだから海外からの玄関口としては申し分ない。国際と名の付く博覧会は是が非でも日本で、大阪で開催していただきたい。(こりゃ大阪万博とカジノ構想がセットになるわけだ)

ここまで何度”大阪”と書いてきたか分からないが、経済的活性化は何も大阪に限った事ではない。

隣接する兵庫県・京都府・奈良県・和歌山県にとっては直接的な大問題なのだ

えっ?それってどれくらい大きい問題なのですか?……

ここでもう一つ、大阪万博1970の開催地となった大阪府吹田市の当時の人口を例にして、万博がいかに大きなイベントであったかを感じていただきたい。

1960年代に千里ニュータウン開発と、それに伴う大阪市内からの鉄道網の整備で人口が急増した吹田市。吹田市ホームページによると、1960年に116,765人だった人口が1970年には259,619人となっている。(10年間で人口が142,854人増……、たった10年間で倍以上の人口増加ってだけでも凄い)

一方、大阪万博1970の一日当たり平均来場者数はおよそ350,922人。ただでさえ人口急増で活況を呈していたであろう吹田市に、毎日その総人口の1.35倍に当たる人々が“万博来場者”として半年間、訪れ続けていたのだ。

例えるなら大阪市のベッドタウン吹田市に、毎日毎日「甲子園球場を7.4回埋め尽くす」人波が押し寄せていたということだ

しかもその内、外国人来場者が一日当たり約9,300人。
いいですか?吹田市が10年かけて増やした総人口の倍以上の人数が、たったの一日に来場したんです。

それも183日間!
更に言うならば吹田市の面積36.09㎢に対して、大阪万博1970の会場面積は3.3㎢。つまり市全体のわずか9.1%に当たる土地に、市の総人口の1.35倍に当たる人々が訪れていた半年間。

……このおそるべきとも言える活況、想像出来ますか?

万博来場者はもちろん大阪と大阪万博だけを楽しんだ訳ではないでしょう。近隣で食事もすれば宿泊もしたでしょうし、万博以外の観光やショッピングも楽しんだはず。更には万博の準備期間に近隣圏で働いた人々の数をも加えて考えたら、それはやはり隣接地域に莫大な経済効果をもたらしたであろうことが容易に想像出来るのです。

どうです?大きな問題なんですよ!大阪万博2025!!

もちろんこの数字が47年も前のモノだとは分かっている。
しかし、たとえ来場者数がこの半分であったとしてもオリンピックをはるかに凌ぐ数字なのだ。

当研究所所員一同(3人)は8年後の大阪に再びこんな活況が生まれたら……と、皆さんと共に考えてワクワクしたいのです!

開催地がパリになったら一体どうなるのやら……

さて、次回のコラムでは大阪万博2025を「テーマ」から考えてみましょう!

万博が掲げるテーマ、そこから読み取れる危惧

1970年の大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」
2025年の大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」
見ての通り1970年には「人類」が、2025年には「社会」がテーマに刻まれている。

1970年のテーマに「人間」ではなく「人類」という大ゲサとも思える言葉がサラッと使われている点は、1957年にソ連が(当時はソビエト社会主義共和国連邦って国があったのですよ。現ロシアと書くのはカンタンですが)打ち上げに成功した人工衛星スプートニク1号から始まり、アメリカ合衆国のアポロ計画成功あたりまでの報道が無関係ではない。

加熱する宇宙開発の報道に「人類」という文言の使用は不可欠であったからだ。
おそらくそれを実感したピークは1969年に人類が初の月面着陸を実現した時だろう。

当時の様々なニュース媒体に「人類初」が喧伝されていたために「人類」という言葉は今よりずっと身近なモノであり、未来を示す言葉でもあったのだ。
さて2025年。こちらは「社会」だそうだ。これは万国博覧会らしい言葉なのだろうか?
2025年は、(というよりも2017年時点においても)地球という惑星を一つとして認識することが出来ても、もはや「人類」を一括りでは考えにくい時代なのかもしれない。
世界の国々、民族の誰もが個人レベルで世界中に自らの考えや主張の受発信を自在に行えるようになった現代。

そんな時代にもはや「人類」的な意味は一つに括れず、むしろ「地球」に対しての何らかのテーマに置き換えた方がふさわしいような気がする。もっとも単純に「地球」で括ったら万博でなく環境博になってしまうような気もする……。

まあ……それで2025万博のテーマが人類を取り巻く「社会」になったのかもしれない……「社会」と「万博」……。
どうもしっくりとなじまない。
そもそも今の、いや未来における万国を博覧する「万国博覧会」とはなんだろう?
大雑把に言うと「博覧会」の博覧とは、何らかのテーマに沿って物品や資料を集めて展示・陳列して見せる催しのことだ。

この点だけを考えると、1970年の日本には冠に国際と付けて開催できるほど巨大な展示会場など無かったのだから、新しい会場まで造って博覧会を開くことに大きな意味を見出しやすかったわけだ。

現在なら同じ役割りをこなす幕張メッセやビッグサイト(国際展示場)があるっちゃある。
だから単に万国博覧会と名の付いた“巨大な展示会が無いだけ”と言ってもいいような気がする。
現在の視点で考えても陳列せずに単に知るだけならインターネットで出来るし、見るだけならGoogle Earthで世界の隅々まで見ることが出来るのに、私たちは一体何を博覧するのだろうか?

ほんの少し前なら軍事衛星でしか見ることが出来なかった画像を、個人個人が掌で見ることが可能だなんて誰が想像したであろうか!?
そう、現代はすでに一種の未来そのものなのだ!
見たいものはすぐに、どこからでも掌で見ることが出来る、伝えることが出来るインターネットによって広がった世界。
だとしたら今、見ることの出来ないモノや世界とは何だろう?

おそらくそれを「社会」を通して見せてくれるのが大阪万博2025。
しかし、やはり万博で見せてもらえる「社会」ってなんだろうと思います……。「社会」って具体的には分かりにくい。
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