2025年大阪万博が決定!成功に向けて考えておきたい提言コラム!!
2018年11月25日 更新

2025年大阪万博が決定!成功に向けて考えておきたい提言コラム!!

大阪の、いや日本にとって大きな意味を持つ2025年の大阪万博開催が決定しました。1964年東京五輪、1970年大阪万博の再現との声も聞かれますが2025年の日本の姿は果たして?本稿は2017年春から夏に連載し好評を博した作家・木原浩勝氏による大阪万博応援を目的とした提言コラムをまとめたものとなります。

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それを裏付けている……かもしれないデータを書いておく。

通商産業省が発行した『日本万国博覧会政府出典報告』に”日本館の反響調査”が記載されていて、その中に日本館に来場した日本人1,000人に対して行われた年齢別の調査結果がある。

これによると10代は18.5%、20代は22.4%、30代は23.1%、40代は7.4%、50代以上は4.3%となっていた。

娯楽が今ほど手軽で多くもない時代、おそらく足腰が弱っているとは思えない40代、50代以上のこの落ち込んだ来場者数は一体何を意味するのであろうか?

日本で開催された万博の”日本館の数字”であるのだから、迂闊に見過ごしてはいけないデータであると思う。

ここで可能性の一つとして考えられるのが「人混み」である。
どこもかしこも人、人、人……自由に動けない、好きな場所に辿り着けない……この窮屈、閉塞ともいえる会場環境がこの数字の落ち込みに表れているのではないだろうか?

これは一種の”ままならない移動”と同質であると思える。
65歳以上が30%を超えるであろうと予想される大阪万博2025でこの”同質”がひとたび発生すれば……そう、移動しにくい、不便だ、動けなかった……などと声が上がれば、その風評は瞬く間にネットを駆け巡り、到底目標の来場者数を満たすことは難しいであろうと考えられるのだ。

この前提を踏まえて、「万博好きやん(scan)研究所」は2025年の大阪万博全景を「地上」「地下・上空」の観点から予想してみたいと思う。(勝手に)

「万博好きやん(scan)研究所」が考える、大阪万博2025会場-地上編-

1、全てのパビリオンはバリアフリーで、高低差による問題を無くしていただきたい
2、パビリオンは全て杖や車イスの来場者の安全はもちろん、素早い緊急対応が出来ることが望ましい
これらは65歳以上が7.0%だった1970年の大阪万博ではおそらく優先事項にならなかった観点。
1970年は「未来を感じる」的に動く歩道がありはしたものの、(故障多し)2025年には来場客の年齢層や車イス利用の観点で広めの通路はもちろん「動く歩道」いや、車イス対応の移動ベルト、リフター、エスカレーター、大型エレベーター、補助動力付きスロープが必須となる可能性が高い。

高低差移動は高齢者にとって大敵なのだ。もちろんそれは世界各国から来て下さる方々の目に映る日本の高齢者はもちろん障害者への対応意識に繋がるのだから、とっても重要なのである。
つまりは場内の至る所に高齢者対応の標準設計思想がはっきりと反映されていなければならないということだ。

確保すべき予算は1970年に比して高まることは間違いない。
ただし、私たちは65歳以上の多数の来場者の皆さんが車イスや杖を必要としていると考えているのではない。
2025年の日本は、この先さらに増える高年齢の方々が暮らしやすい未来型都市のデザインを分かっている国なのだ。
というアピールを海外に向けて発信しておきたいからだ。
他の国だって時間の問題で、やがてはやってくる世界なのだから「高齢者ケアの先進国」の未来をここで見て、感じていただきたいのだ。
次にメインとなる「パビリオン」。
従来の万博では、来場者が会場内のパビリオンを自由に見て回ったのは当り前の話。

しかしながら、高齢者の増加を加味して導線の確保を考えると、1970年のような広大な会場内にユニークなパビリオンが林立する光景はあるにしても、来場者を一旦最上部にエスカレーター、エレベーター、リフターで運んでしまい、スロープやエスカレーターを使って降りながら見て回る想定が効率的かもしれない。

降りながら見終わったら出口というわけだ。もちろんそれは介護する方への負担を少しでも減らすことに繋がるはずだし入場者の通行もスムーズとなる。
しかし、会場全体の共有部分や日本関連のパビリオンだけが対応しても意味がない。
海外の全パビリオンがこれに倣っていただかなくては、来場者の行く先が片寄ってしまうからだ。(例えば車イスの方は車イスに優しいパビリオンに集中する)
車イスのお客様が単に設備だけの理由で国内パビリオンの博覧で1日が終わったら“万国”の名が泣くってもんです。

とはいえ来たるべき2025年の日本が高齢者大国になっているとは知らない海外の国々が、いざパビリオンの建設を考えた途端、その費用は、想定を軽く上回るはずだと予想する。
重要事項であるが故に、そのケアをしっかりやって開催地決定会議の際には不利ととられないようにプレゼンしていただきたい。
さて1970年は山を切り開いた会場内をフル活用して、様々な導線で来場者を楽しませてくれた大阪万博。

それに対して2025年は「上に上げて、下に誘導する」発想で多くのパビリオンが設計される可能性を現実的に考えて「超安く」仕上げるとすれば、“巨大な総合ビルディング形式”を採用して国別のフロアを設置し、各階(各国)を観覧して回る万博というのも悪くはないかもしれない。
現実的に考えれば「万国博覧会インテリジェントビル」のなかに各階各国が出展する形の万博もそんなにバカバカしい姿ではないのだ。
当然パビリオンは万博の華なのだから全てにおいて望んでいるわけではない。ただ単に合同的なパビリオンは(小さな国など)1970年にもあったのだから案として初めてというわけではない。
しかし!我々だってわかっている!魅力的な万博は様々な形のパビリオンが林立しているべきなのだ!
誰だってパビリオンの少ない万博ってどうなんだ?と言うに決まっている。
あくまでも開催地・日本の人口に対する年齢的背景という事情があるのだから“案として有り”としておきたいのだ。

万国博覧会である以上、当然多くの諸外国に参加していただいて初めて成立する。それが独立したパビリオンであるなら、その設計思想に組み込むべき高齢者対応を、日本が諸外国にお願いして回って、了解してもらうのはかなり大変なことではある。

さらに、出来ることなら予算の少ない小さな国にも数多く参加していただいて、史上最大の参加国万博までを視野に入れていただきたいので、いかに大変であっても参加体制を整えて「世界初の人類社会の未来型万博」を実現させるというのもまた一つの型であると思うのだ。(日本のテーマがテーマなんだし)

会場全ての構成において65歳以上の来場者を想定し、高齢者対応という通常以上の予算をかけて設計しなくてはならないパビリオン。そもそも国民の1/3が65歳以上の国の万博に出展したいと思う国がどれ程あるのかがわからないだけに心配でならない。

それでも来たるべき日本を理解した上でなんとか各国に出展していただきたい!
各国共、未来型高齢者・障害者対応設計・建築のまたとないデモンストレーションになるんですから……。

だとすれば、万博開催決定会議を成功させる上ではこんなプレゼンテーションも想定されるかもしれない。
「会場のパビリオンは貴国のデザインに合わせて日本が基本設計の対応をいたしますから出展していただけませんか?」と。
とにかく、大阪人(関西人)のツッコミはキビシイ。「こんなパビリオンの少ない万博は万博ちゃうで!」などと言われては大変なので多種多様なパビリオンの出展が理想的であることは念を押しておきたい。(あくまで開催地として大阪に決まれば)

次回、第4回目は「映像なんかじゃ驚かない!」予想はさらにややこしくなるよーに続く。

「映像なんかじゃ驚かない!」

民族、風俗、習慣、環境、宗教、食事、観光・・・・・・。

いくらインターネットが普及したとしても、体感しなければわからない・伝わらないものの方が多い。

おそらく2025年は見て回る展示物型式主体から、ほとんどがVR(ヴァーチャルリアリティ)を中心とした体感主体や実物可動主体型の展示へと移行しているはずだ。

2017年の現在だって、単に映像ならプロジェクションマッピングであろうと16Kモニターを使っていかに美しかろうと、リアルであろうとデカかろうと、立体だろうとVRだろうとさほど驚かない時代なんです。

単に経験が無いだけでその存在や基本概念は知られているのだから驚きが小さいといった方がいいのかもしれないが、とにかくバーチャルはバーチャルだ。

2025年の万博は「展示物を見る」・「バーチャルという仮想体験」だけではおよそ長期間は成り立たず、会場や各パビリオンで「本物を体感してもらう」「来場した証を手に入れる」ことこそが、来場者の満足度を高めることに繋がるのだろうと予想する。(一例として70年にも“来場スタンプ”なるものがありました。おそらく日本初の広域スタンプラリーでしょう。私は集めるのに必死になった経験あり)

【来場スタンプとは】

そもそも来場スタンプは大阪万博1970会場内のパビリオンをはじめ随所に来場記念用として設置され自由に押せたものでした。その数実に92個!

会場は甲子園球場の約83個分の広さがありましたから、1甲子園球場に対して1.11スタンプ……およそ1個のスタンプということになります。

会場移動にモノレールや動く歩道もありましたが、その場所が外周部や中央の一部だったのでスタンプ集めにはほぼ役に立たず、ひたすら徒歩で集めなければならなかったものです。スタンプは概ね辿り着いたパビリオンに入場して出口手前で押すことになっていましたから、そのハードルの高さ故にこれまで存在は広く知られていたもののフルコンプリートの紹介はおろか、長い間総数さえよくわからない……などと言われ続けてきました。

まったくの来場者用記念スタンプとしての役割だけで一応作ったけど、「その先は集めたい人だけで考えてね!」的な大阪万博1970のスタンプは、まさに日本のスタンプラリーの元祖にして最大規模であったといえるのではないでしょうか?
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