フォルクス、ウェンディーズ、らんぷ亭…ダイエーグループだった飲食店たち
2016年5月28日 更新

フォルクス、ウェンディーズ、らんぷ亭…ダイエーグループだった飲食店たち

かつて日本有数の企業集団であったダイエーグループ。その中で外食チェーンであったフォルクス、ウェンディーズ、ビッグボーイ、らんぷ亭などの過去と現在。そしてなぜダイエーは牛肉関係の外食店が多かったのかについて紹介。

45,431 view

かつては栄華を誇ったダイエーグループ

創業者・中内功による強烈なリーダーシップにより、かつては日本最大の流通企業だったダイエーグループ。
マルエツやプランタン、プロ野球のホークスなどの買収により一大企業グループとなっていったが、外食・飲食店チェーンの買収や創業も積極的に行っていたことはあまり一般には知られていない。

ここでは、以前はダイエーグループだった外食チェーンについて紹介する。
昔のダイエー店舗

昔のダイエー店舗

丸が欠けたロゴは2代目のシンボルマーク(1975年 - 2005年)
いつまでも完全を追い求め続ける「永遠の未完成」を意図している。

ステーキハウス『VOLKS フォルクス』(1970年~2005年2月)

ステーキ・ハンバーグ専門のファミリーレストラン。
「VOLKS(フォルクス)」とはドイツ語で「国民・民衆」という意味。

1970年、ダイエーがファミリーレストラン事業の一環として大阪市大淀区(現・北区)に設立し、一号店の中津店を出店。

当時、牛肉は輸入が制限され、ステーキはとても高価なご馳走であった。
ステーキ=お金持ちの食べ物というイメージであった時代に、「サラリーマン家庭でも手軽にステーキが食べられるレストランを」という中内功によるコンセプトで創業された。
ステーキハウス『フォルクス』

ステーキハウス『フォルクス』

カジュアルに手頃な価格で食べれるステーキは多くの家族に喜ばれ、日本のステーキレストランのさきがけとして広まった。
だが、次第に経済成長を遂げ舌が肥えてきた客にとって低価格のステーキでは満足感が低く、かといってステーキの質を高めれば価格が高くなり客が離れるというこというジレンマに。
価格変更を繰り返すなど戦略に一貫性を欠き苦戦した。
日本で初めてサラダバーを導入

日本で初めてサラダバーを導入

1972年にはアメリカのステーキレストランで始まったサラダバーを導入。
チェーン展開するレストランとしては全国で初めてのことであった。
当初はレタスともやしだけという簡素な品揃えであったが、1975年に現在のような多彩な野菜が並べられるサラダバーに充実化が図られた。
現在はおかわり自由のスープバーやブレッドバーも導入している。
フォルクスのステーキ

フォルクスのステーキ

テレビ番組「お試しかっ!」のコーナー「全て当てるまで帰れま10」で紹介されたときの人気No1はUS産 熟成サーロインステーキであった。
(2012年12月10日放送)
2005年にダイエーの経営不振を理由に、「ステーキのどん」を運営していた株式会社どん(現・株式会社アークミール)に全株式を売却した。
※株式会社アークミールは吉野家ホールディングス傘下

現在の店舗数は44店舗。
(2016年2月1日時点)

『Victoria Station ヴィクトリアステーション』(~1999年12月31日)

アメリカ発祥のプライムリブ(ローストビーフ)を中心としたステーキ・ハンバーグ専門のファミリーレストラン。
アメリカ合衆国で展開していたチェーン店を、ダイエーが日本国内において店舗展開した。
ヴィクトリアステーション

ヴィクトリアステーション

欧米の古い客車をデザインにした店内や、サラダバーのシステムを早くから取り入れ、当時先進的な存在であった。
実際に海外の鉄道で使用されていた貨車や車掌車を改装し、客席の一部にしていた店舗もあった。
最盛期で30店舗程度まで拡大していったが、その後、ダイエーの経営悪化により1999年12月31日を以って全店が閉鎖。
運営会社のヴィクトリアステーションジャパンは、2001年にダイエー系のアミューズメント施設を運営するファンフィールドに吸収合併され消滅した。

かつて、ダイエー傘下でファミレス事業を行っていた株式会社ビッグボーイジャパンが現在でも北海道内で「ヴィクトリア・ステーション」と言う屋号でステーキ中心のファミレス事業を行っているが、こちらとは一切関係はない。
ステーショングリル(横須賀)

ステーショングリル(横須賀)

ヴィクトリアステーション元社員らにより当時のスタイルに近い形のレストラン「ステーショングリル」が横須賀にて1店舗のみ出店されている。
プライムリブも提供中。

プライムリブも提供中。

アンガス・ビーフを使用した「プライムリブ」は、最高級の厚切りローストビーフ。
ヴィクトリアステーションの看板メニューであったプライムリブを当時のレシピで再現している。

『Big Boy ビッグボーイ』(1977年11月~2002年12月)

1936年にボブ・ワイアンがアメリカのカリフォルニア州グレンデールで創業したステーキ・ハンバーグ専門チェーン。
1977年、日本ではダイエー系列のレストランとして、株式会社セントラル・レストラン・システムズを設立、翌年株式会社ビッグボーイジャパンに商号変更し、国内第1号店を大阪府箕面市に開店した。
Big Boy ビッグボーイ

Big Boy ビッグボーイ

マスコットキャラクターの名称は「ボビー」。
ビッグボーイを象徴する赤と白のチェック柄のズボン姿とサスペンダーを着用し、ハンバーガーを持つ仕草で愛されている。
55 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

【大型トレード】どっちがトクした!?秋山・渡辺智を獲得したダイエー?佐々木・村田を獲得した西武?

【大型トレード】どっちがトクした!?秋山・渡辺智を獲得したダイエー?佐々木・村田を獲得した西武?

1993年のプロ野球オフシーズンには、パ・リーグの主力選手が動く大型トレードがありました。西武(秋山幸二、渡辺智男、内山智之)とダイエー(佐々木誠、村田勝喜、橋本武広)のトレードです。当時、ダイエー・根本監督がチーム改革のために動いたという大胆なトレード。その試みは成功したのでしょうか?佐々木、村田の西武での活躍は如何に。。。
izaiza347 | 1,349 view
1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会  ライブドアvs楽天  旧vs新  置き去りになった近鉄ファン

1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会 ライブドアvs楽天 旧vs新 置き去りになった近鉄ファン

近鉄とオリックスの合併、球界再編問題、ストライキ、IT企業のプロ野球参入合戦、近鉄バッファローズ消滅、オリックスバッファローズ、楽天イーグルス誕生 夢と感動がいっぱいのプロ野球の裏側では、それを支えるドロドロの利権と古い体質を持つ巨大な権力があった。
RAOH | 2,135 view
昔はCMでおなじみだったのに・・・倒産、吸収合併などした企業!!

昔はCMでおなじみだったのに・・・倒産、吸収合併などした企業!!

昔はテレビをつけると、必ずと言っていいほどコマーシャル流れていた有名企業。いつの日かCMも見なくなってしまった・・・倒産や吸収合併などで無くなった有名企業をまとめてみました。
ギャング | 70,230 view
心霊スポット?光の当たり具合よって「ダイエー」のロゴが浮かび上がるイオンの看板が話題に!!

心霊スポット?光の当たり具合よって「ダイエー」のロゴが浮かび上がるイオンの看板が話題に!!

皆さんご存知のスーパーマーケット・ダイエー。昭和時代は日本を代表するスーパーのひとつであったものの、バブル崩壊後の1990年代より業績不振になり、2015年からはイオングループの完全子会社となりました。そんなダイエーの「看板」が、今ツイッターでちょっとした話題となっています。
隣人速報 | 7,861 view
時空探偵マツ・de・デラックス【case LEOPARD-美しき獣-】第3話

時空探偵マツ・de・デラックス【case LEOPARD-美しき獣-】第3話

とある町の1台しか在庫を持たない中古車屋”ガレージ MIDDLE EDGE”。店主は性別不明の「マツ・ド・デラックス」。そしてその2階には謎の探偵「松田K介」と助手の「富田葵」が事務所を構える。そこには店舗に飾られた「名車」に係る「依頼人」が訪れ、様々な人間模様が・・・・。第1話は「日産レパード」を中心に親子の絆を再確認させるため時空探偵「マツ・de・DX」が時を超えて奔走する!!ベテラン実力派漫画家「なかがわひろき」×昭和の生き証人「山本圭亮」がお送りするSF昭和ファンタジー!ミドルエッジだけで読めるスペシャル連載が満を持して登場!!

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト