長きに渡って愛され続けた国民的漫画『こち亀』
昨年、惜しまれつつも40年の歴史に幕を閉じた週刊少年ジャンプの漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。おそらく、『こち亀』目当てでジャンプを定期購読していた人というのは、『ONE PIECE』や『NARUTO』などの作品と比べて、かなり少数派になるのでしょう。しかし、雑誌の中盤以降のページを開けば、かならずいつもそこにあるこの作品には、何とも言えない安心感があったものです。
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舞台版は、アニメの声優をつとめたラサール石井が両津を演じた
そんな『こち亀』は、長きに渡る歴史の中で何度か、映像化・舞台化されています。舞台のほうは、初演が1999年。主人公・両津勘吉を演じたのは、テレビアニメ版で声優をつとめたラサール石井。彼は同舞台の脚本・演出も担当しており、2001年、2006年、2003年、2016年と、計5回に渡って興行が実施されました。ちなみに、最新版となる2016年の舞台では、主要キャストにあたる中川がモデルのユージ、麗子が原幹恵、大原部長が俵木藤汰となっています。
「ほげええええええええええ!」でお馴染みのドラマ版
『こち亀』の映像化といえば、2009年放送のテレビドラマ版が有名。両津勘吉役に当時SMAPの香取慎吾、中川役に速水もこみち、麗子役に香里奈が配された本作は、香取版両津の口ぐせ「ほげええええええええええ!」が絶大なインパクトを誇り、いまだ一部ネットユーザーからネタにされ続ける怪作として扱われています。
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香取版両津の『こち亀』は、2011年に映画化もされた
なおこのドラマ版は、平均視聴率9.3%と決して良好な結果ではなかったものの、昨今の日本映画界に蔓延する「少しでも話題になったドラマは映画化する」という悪習から、2011年に『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE ~勝どき橋を封鎖せよ!~』が公開されました。ドラマ版のレギュラーメンバーに加え、深田恭子、谷原章介、沢村一樹といった人気俳優を招へいしたものの、興行収入は8億1700万円と、あいかわらずイマイチな結果に。
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さて、『こち亀』の映画といえば、この『~勝どき橋を封鎖せよ!~』をイメージする方もいるでしょうが、こちらは初の映画化作品ではありません。ほんとうの映画第1弾が公開されたのは、今から40年も前のこと。1977年12月24日に東映より公開され、主人公・両津勘吉は「ナハナハ!」のギャグでおなじみのせんだみつおが演じました。
主人公の名前が「両津勘吉」ではなく「両津平吉」となっている
映画が公開された1977年12月というのは、ちょうどこち亀の連載が開始されて1年経つか経たないかという時期。連載1年目にして劇場版が公開されるなんて、当時から人気があったことは間違いありません。
しかし、この映画化に際してひとつ問題が浮上します。それは、両津に「名前」がないということです。今でこそ「勘吉」という名があるわけですが、当時は「両津」「両さん」と苗字のみで呼ばれるキャラだったため、正式名称がなかったのです。そのため、せんだ版両津には「平吉」という名前が付けられています。
しかし、この映画化に際してひとつ問題が浮上します。それは、両津に「名前」がないということです。今でこそ「勘吉」という名があるわけですが、当時は「両津」「両さん」と苗字のみで呼ばれるキャラだったため、正式名称がなかったのです。そのため、せんだ版両津には「平吉」という名前が付けられています。
ルパン三世の実写版の続編よりも、こち亀の実写版、いつになったらソフト化になるんだ。両津はせんだみつお、寺井は荒井注! pic.twitter.com/PA9oLhEk7K
— やんやレコード (@yanya_record) September 10, 2014
右)両津「平吉」役のせんだみつお
なお、気になるせんだ以外のキャストですが、こちらは意外と豪華な陣容となっています。メインキャラクターの一人「寺井」役には、元ドリフターズの荒井注、初期の漫画版において両津と名コンビを組んだ戸塚役に、吉永小百合と共に日活の黄金期を支えた名優・浜田光夫を起用。他にも、田中邦衛、夏木マリ、由紀さおり、由利徹、たこ八郎など、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。
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©舞台版「こちら葛飾区亀有公園前派出所」製作委員会2016