映画『ドラえもん・のび太のパラレル西遊記』
映画ドラえもんシリーズの中では、特に恐怖的な演出が多くホラー要素が強い。内容は妖怪に支配されるパラレルワールドと化した世界を修正するため、のび太たちが『西遊記』の登場人物に扮して、ドラえもんと共に妖怪たちと戦うというもの(敵役が過失とはいえドラえもん自身が生み出してしまったというところが他の作品とは一線を画している)。この戦いの際、のび太が孫悟空、ジャイアンは猪八戒、スネ夫は沙悟浄、しずかは三蔵法師の役に就いた。また、映画作品としてドラミが登場したのは『のび太の魔界大冒険』以来であり、本作でも同作と同様にのび太たちの危機を救う。
原作漫画のない映画『ドラえもん・のび太のパラレル西遊記』
本作の製作時、藤子・F・不二雄が体調不良で入院していたため、存命時のドラえもん映画作品の中では唯一、原作漫画の大長編ドラえもんが描かれていない
その代わり、フィルムコミックが初めて発売され、上下巻とも表紙絵は藤子が描いている。
本作は西遊記がモチーフであり、唐の時代の中国を舞台としている。脚本はもとひら了が担当したが、「西遊記の世界」というアイディアは藤子・F・不二雄本人から出されたものである