概要
本作は、手塚プロアシスタント経験者らで構成された企画集団「ひろみプロ」が企画した「少女版SF変身物作品」を具体化したものである。月曜19時の放送枠での「女の子を視聴中心対象とした児童一般向けの企画」として、対案に『キューティーハニー』が出されていたが、コンペの結果、本作が月曜19時の放送作品に採用された。(『ハニー』は土曜20時30分枠にて放送された)当初の企画書には「正義を貫くと、一年しか延命できない寿命がさらに縮まる」といったハードな設定が存在していた。NETサイドはこうした設定がともすれば作品を陰鬱にすると考え、「女子児童向け」として少女物の要素を強くし、魔法少女物にみられる学園ドラマを物語の主軸として再構築した。キャラ原案として漫画家の永島慎二を迎え、小松原一男のデザインワークを経て、現行の形にまとめられた。
「サイボーグ少女」という画期的要素をもった本作であったが、先に述べたように、サイボーグの設定は延命や人間に戻すといったSF要素は薄められ、「リミット」の性格や心情に影を落とすことに向けられた。またサイボーグ化によって得られた「ミラクルパワー」は、単に魔法に代わる超能力のような扱いとなる。これが発揮されなくとも話が成立する平凡なドラマ作りが行われることになってしまい、結果、視聴率的にも振るわなかった。だが本作でみられた作劇の実験的手法は、のちの『魔女っ子メグちゃん』にて開花することになる。
1974年~75年まで放送されたシリーズ第七作「魔女っ子メグちゃん」の間に位置する本作、
「ミラクル少女リミットちゃん」は、1973年~74年まで放送された東映魔女っ子シリーズ第六作です。ただ、上記の概要にもありますが魔女っ子というよりどちらかと言えば『新造人間キャシャーン』みたいな感じです(笑)。
諸事情によるオープニングの冒頭の「ご挨拶」変更の経緯
オープニングの冒頭では、リミットがサイボーグであることを視聴者に分からせるよう、リミット自身による「ご挨拶」がある。放送時期により2種類存在する。
第1話から第7話の「サイボーグであることを気にしていない」趣旨のもの。
第8話から最終回の「サイボーグだから秘密の力がある」という趣旨のもの。
第8話以降の変更は、リミット自身の肉体的欠陥を卑下するような印象を避けるためだといわれ、NETで放送された別の番組にて差別的表現にクレームがつき、自主規制がなされた時期と重なっている。また、再放送では、第1話から第7話の物も使われている。
ストーリーの一部を紹介
リミットちゃん サイボーグ化の経緯
サイボーグとして生きるリミットちゃん
リミットちゃんとコンプレックスと
「どうせあたしは機械人形よ!」と、 なにかにつけてスネる始末。父親が授業参観に来なかった事を「あたしが機械人形だから授業参観にこなかったんでしょ!」と吐き捨て、怒った父親に張り倒されるなんてことも。「パパなんか大嫌い!」と泣きながらサイボーグボディを嫌がるリミット…
そのたびに、父の温かい励ましを受け、また身体への改良も加えられ、日々を明るく過ごすよう努めていました。そして父もまた、娘の願いを叶えるべく研究に尽力するのでした。
打ち切りに近い終わり方
本編の最終回は、担任の女の先生が結婚するので、教師を辞めてリミットたちの学校を去る話。
…なのですが、ここから先はネタバレになってしまうので今回のストーリー紹介はここまで!
簡単なキャラクター紹介
西山 理美 / リミット 声 - 栗葉子
現在は小学五年生として過ごしています、お転婆ですが心やさしい少女です。自身がサイボーグであることは秘密で、カモフラージュ用に食事を摂る機能もあり、食べた物は超小型核融合炉の反応源として利用されています。
赤いベレー帽に、白い幅広カラーを付けたノースリーブの黄色い上着、青いホットパンツと赤いロングブーツというコスチュームを愛用。ベレー帽、上着に付けたペンダント、ブーツ、通学用ナップザックなどのコスチュームは実はそれぞれ七つ道具の一部になっています。
後ろのパンダみたいなやつは愛犬の「グー」(サイボーグ)