衝撃のラスト「男坂」が30年を経て週プレNEWSにて復活!
「漫画屋にとって『オレはこいつを描きたいために、漫画屋になったんだ!』という作品がある。
デビュー以来十年有余、オレも今やっと、ガキのころから描きたかった作品を手がけている。
その喜びでいっぱいだ。
燃えろオレの右腕よ!そしてすべての試練をのり越えて、はばたけオレの『男坂』! 」
週プレNEWSでの男坂
車田先生の望むラストまで持っていかすことができるかどうかは読者の購入にかかっているので、応援しよう。
なぜ、この時代に「男坂」が復活したのか?
「リングにかけろ」「風魔の小次郎」で立て続けにヒットを飛ばした車田正美先生が構想10年と銘打って出された作品。
当時、「この時代に喧嘩漫画!?ちょ、ちょっと時代錯誤じゃない?」
「マァ、車田先生のことだからなぁ。本宮ひろし先生の喧嘩漫画も好きだから、こういうのも悪くないね」と思いつつ、ラストの「未完」。これは衝撃だった。
平成の現代でさえも、これは打ち切りだな、とわかっていてもラストはさすがに上手にまとめてエンドになるのだが、後にも先にも「未完」と堂々と編集長とかに文句を言ったのは車田先生だけである。
感覚としては会社の社長や上司に文句を言っているようなもの。
すごすぎる先生である。
未練たらたらで終わった「男坂」。
伏線がたくさん貼られていたというのもあり、イチファンとしてもできることなら再連載してほしいと願っていた。
それから30年…
車田先生の漫画デビュー40周年(2014年)を記念し、WEBの「週プレNEWS」にて「8話だけのみの連載」という約束で「男坂」を復活させることができたのだ。
時代が呼んだのか…!?
車田先生の執念が呼び寄せたのか…!?
この平成の世に…!
WEB漫画連載とはいえ、無料での提供となるので出版社としては収入源がコミックスのみということになるため、コミックスの売り上げが悪かったらまた打ち切りになるという危険性もはらんでいるのだが…。
平成の世に時代錯誤ともいえる、喧嘩漫画が再連載させたところに車田先生の執念を感じた。
復活したと思ったらまた打ち切りという最悪の事態にならないよう願うばかり。(^^;
車田先生インタビュー掲載あり「男坂」にかける意気込みと喜びが
また「男坂」を描けることに喜びがあふれています。
職業病でもある指の骨がすり減っているそうで、「いつまで漫画を描けるかわからない」と告白しているが、楽しくてしょうがないというコメントもある通り、初心に戻っているようです。
――意気込みをお聞きして、ますます期待に胸が膨らみます! とは言え『男坂』は、30年前の作品です。今の読者がどんな感想を抱くか、期待だけではなく、不安もありませんか?
車田 不安はないね。俺は全力で描くだけ。それに、楽しくてしょうがないんだ。『男坂』は、もう仕事だとか、それこそ金のためにやってんじゃないんだよね。楽しいから描いてるんだ。もちろん、ものすごく力入れてるし、ネームも構図も、直して直して、時間もかけてるけど、疲労感もない。楽しくてしょうがないんだ。そこに尽きる。
――とは言え、「これを描くために漫画家になった!」と連載を開始した作品です。連載の最終ページに描かれた、“完”ではなく、“未完”の文字に悔しさが滲み出たと想像したんですが?
車田 まあ、打ち切りを知らされ、あと数話で、つじつま合わせして終わらせるくらいなら、“未完”で終わった方が潔いだろってな。今、冷静に顧みれば、『男坂』の連載を始めたのはバブルの直前なんだ。ワンレンだボディコンだ、DCブランドだと世の中が浮かれ始めてる時代。そんな時に、「日本男児とは?」「日本が世界から狙われている!」なんて熱血漫画は、時代に逆行してたんだろうな。
不安ありまくりの平成なら、意外と受け入れられるかもしれないですね…!?
「男坂」とは…一言でいえばスカッとする世界規模での「喧嘩漫画」!
彼の男気に惹かれた日本中の硬派たちが仁義軍団を結成、海外からの脅威に立ち向かうというストーリー。
日本侵略をもくろむシカゴのドン、フォアマンの兵士たちから日本を守るために戦うなど、壮大なスケール。
義務教育はどうなってるの?
あんたたち、どうやって生活してんの…という現実的な突っ込みはナシ!これが車田なんだから。
とにかく男とはなんたるものか!
熱血をこれでもかこれでもか!と、つぎ込んでいる。
1~3巻でめちゃくちゃ伏線張りまくりで未消化のまま終了してしまったというのもあり、今後この伏線が回収できるかどうか、そして車田先生が描きたかったであろうラストを読めるかどうかは私たちファン、読者にかかっている。
「男坂」の濃ゆすぎる登場人物
菊川 仁義(きくかわ じんぎ)
必殺技は石頭。
東雲中学1年の男子生徒で13歳になるまで1度も喧嘩に負けたことがなかった。
アメリカ留学を前に九十九里を訪れた武島将と運命的な出会いをし、敗北を喫する。
その後、鬼山にいる伝説の喧嘩鬼に弟子入りをして、大きく成長し、黒田闘吉との戦いをきっかけに仁義軍団の長となる。
出生は本人も知らず、小船に乗せられ、朝陽と共に九十九里不知火海岸に流れ着いたところを王林寺の菊川道元和尚に拾われ、育てられたことしかわかっていない。
“リングにかけろ”の石松みたいな感じである…
武島 将(たけしま しょう)
菊川仁義の最大のライバル。
長ランを着ているが、学年や年齢はハッキリしていない。
「敗北よりも死を選ぶ男」であると師から聞いており、仁義がそのただ1人の男と認識して「最後の硬派」と呼んだ。
部下たちからは「ドン」と呼ばれている。
幼いころから日本の首領となるべく、「勝者の教育」を受け、地上に現存するすべての格闘術を10年で会得した。
“リングにかけろ”の剣﨑と見間違えてしまうわ。
黒田 闘吉(くろだ とうきち)
13歳の少年。
小泉今日子こと、キョンキョンが好き。
カナヅチ、船酔いしやすい。
字が下手で、女には弱いところがある。
部下のアンパン(※シンナーのこと)を禁ずるなど「軟派みてえなマネ」を嫌っている。
千葉県南西の99校を傘下に入れ、次に東雲中学を目指した。
菊川仁義と出会い、野球対決など通じて心を通わせ、仁義軍団結成のきっかけを作る。
赤城のウルフ(あかぎのウルフ)
上州赤城軍団のヘッドで弓矢の名手。
秘打、赤城おろし。
小学生パチンコチャンピオンという肩書も持つ。
闘吉をおちょくるのが好きだというお茶目なところも。
総勢130の配下と共に仁義の下につくべく九十九里に集結し、武島軍団の刺客に襲われる仁義を救った。
女性に対する甘さは無い。
左目に眼帯をしているが、その由来は解明されていない。
“風魔の小次郎”の死牙馬(しぐま)にそっくり。
梓 鸞丸(あずさ らんまる)
白い長ラン服を着た男で、副長の梓蘭丸は弟。
若年でありながら日本国の行く末を看破する先見の明、人の心を読み取る洞察力、澄み切った湖の様な瞳、まさしく人の頂点に立つ器を兼ね揃えた男である。
中学生とは思えぬ佇まいに、対応も大人です。
洞察力に優れ、のちに横浜百花撰のメンバーから、仁義軍団の軍師と呼ばれた。
長髪のキャラは車田先生の作中によく出ますね。
近いと言えば“聖闘士星矢”の紫龍。
鸞丸が元でそのあと紫龍になったんじゃないかと思ってしまう。
喧嘩鬼(けんかおに)
作中で語られる「喧嘩鬼の伝説」によると、喧嘩鬼は、鬼山でケンカの修行をしており、山中を通る人に喧嘩をしかけては、負けた者の生首を引きちぎって食べてしまうという。
武島将と出会った後に、菊川仁義は1週間、鬼山を彷徨って喧嘩鬼に弟子入りを志願した。
喧嘩鬼は仁義を「男坂」を上りきれるかもしれない男として認め、喧嘩の奥義を伝授することになる。
いつかお顔を拝めるでしょうか?