SF西遊記スタージンガー
『西遊記』を基にした石川英輔による小説『SF西遊記』を原案とするSFアニメ。孫悟空の緊箍児の輪といった、原典に基づくギミックも細部に取り入れられている。富田祐弘のアニメ脚本家としてのデビュー作でもある。
本作は、1970年代後半の『宇宙戦艦ヤマト』に始まる松本零士ブームの最中に製作された。前番組『惑星ロボ ダンガードA』から引き続き松本がアニメ用の設定を描き下ろしたが、コミカライズに関しては松本自身は行なわず、桜多吾作が『テレビランド』で、池原しげとが『冒険王』で漫画版の連載を担当した。また、それまでフジテレビの日曜19:00枠では『マジンガーZ』→『グレートマジンガー』→『UFOロボ グレンダイザー』→『惑星ロボ ダンガードA』と巨大ロボットアニメが続いていたが、本作で等身大のヒーローが活躍する路線へと転換された。とはいえ、原典の孫悟空が巨大化できるという設定があるからなのか、『SF西遊記スタージンガーII』への改題とともに主人公クーゴが巨大化して戦う設定が追加された。
SF西遊記スタージンガー OP ED
あらすじ
ジャン・クーゴ
ジャン・クーゴ(=孫悟空)
本作の主人公。地球出身。孤児という境遇から抜け出したいがために、自らサイボーグになる事を志願する。就職先では一所懸命に働いたが、成り上がり者であることを嘲笑され、「太陽系一の暴れん坊」になった。その高い能力をキティ博士に見出されたが、「女の護衛など御免だ」と反旗を翻す。後に捕縛されるが、オーロラ姫の大王星への道中の護衛を条件に解放された。性格は短気で粗暴だが、モンスター世界の現実をよく認識している。よって、善意を疑わないオーロラとよく衝突していた。
主演の石丸博也は、後にジャッキー・チェンの吹き替えを担当することになるが、本作でのクーゴのカンフーアクション的なセリフ(「アチョー」「ホアー」など)をジャッキー吹き替え時に随分活かしたと言う。
【クーゴの愛機】
スタークロー
全長5メートル、重量730キロ、スピード500コスモノットのメカである。クローベルト(一種のワープ)で飛べば太陽から地球までわずか1秒。アストロボー(キティ研究所のエネルギーポリマー柱を一本失敬、改造して作り上げた物、如意棒に相当)を持つクーゴは空中戦が得意である。その他、フルオート司令コンピュータ、オーディオとビデオアンテナ、ビーム砲のクローバラスター、スペースレーダーなどを搭載している。『西遊記』における金斗雲に相当。玩具には1号と表示した。
いずれも東映動画と旭通信社の共同製作。全73話。毎週日曜 19:00 ~19:30で 放送。