るろうに剣心最終回食中毒事件!
2017年11月1日 更新

るろうに剣心最終回食中毒事件!

るろうに剣心の作者和月伸宏くんは「キャプテン翼」のアシスタントの時の後輩で、「キャプ翼」連載終了後ちょっとしてから「るろ剣」連載開始して大人気に!その後ボクも「るろ剣」の手伝いに入る事になりました。志々雄編のラスト、対志々雄戦あたりから最終回まで、一応助っ人扱いだったので毎回ではなかったのですが他のアシスタントの関係でだんだん入る回数が増えていってるろうに剣心の最後のあたりは他のレギュラーアシスタントより多く入ってました。で、そのるろうに剣心最終回の時の事…

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明治剣客浪漫です。

明治剣客浪漫です。

ワッキー…ホントは和月くんの事はそう呼んでいました(命名は和月くんの担当編集だった後のジャンプ編集長S木さんです)…と「キャプテン翼」で一緒に仕事をしたのは1年くらいでしょうか?

でも「翼」に入る前に「メカドック」の次原隆二さんのところにいて次原さんからいろいろ話を聞いていましたし、「翼」が終わった後は連載が始まるまで「デスノート」の小畑健くんのところにいてそちらからも話を聞いたりしていました。

「るろうに剣心」が始まってからも別の後輩のアシスタントが入っていたのでいろいろ聞いていて…で、結局後半手伝いに入ることになりました。

実はそれどころかそのままその次の作品「ガンブレイズウエスト」と「武装錬金」に丸々はいっていました。考えてみたらかなりの時間入っていたんですね。

るろうに剣心

「るろうに剣心」和月伸宏くんの仕事場はボクが行っている間にも何度か引っ越しているのですが
となり街の駅の周辺でボクの家から割と近く、通いでの仕事…

自転車やバイク、スクーターを使って通っていたのですが最後の頃は健康に気を使って歩いて通勤していました。

そんなアシスタントの健康の話なのですが、「るろうに剣心」最終回の時の事です。

和月くんの仕事場は割と拘束時間が長い方で週に5日くらい入っていたと思います。

前半は割と待ち時間が長いのですが、だんだん仕事量が増えていきあがる前は徹夜気味になり…本当に締め切り間際になって危なくなるとアシスタントは交代で数時間の仮眠をとっての作業と…
結構ハードな仕事になることが多かったです。

そしてその「るろうに剣心」の最終回、たぶん5人のアシスタントが入っていたと思うのですが
最終回ということもあって割と順調に仕事が進み、後一日かからずに(おそらく)あがるだろうという日の事です。

順調にすすんでいたせいか徹夜にはならず、ボクは自宅に戻って睡眠、昼過ぎに仕事場に入りました。

仕事場に入ると少しずつ泊まり込みのアシスタントも起きてきてすぐに全員揃ったのですが、仕事に入る前にアシスタントだけで食事に行くことになりました。

これで原稿が上がるまでノンストップで作業という事になりそうですからしっかりとした食事をと思い、近くのスーパーの最上階に入っているファミレスに行くことにしました。
食中毒ってホントに手が震えるんです

食中毒ってホントに手が震えるんです

全く気づかなかったのですがちょっと前から食中毒の症状で手に震えがきていたようでした。
食中毒と言えばこの時からさらに十数年前「わたるがピュン!」のなかいま強と麻雀をしているときに買ってきたかき揚げ弁当を食べたら目がかすみ手は震えだし…食中毒になったことがあります。
なかいまに「ゴメン、食中毒みたいだ麻雀できない」って言ったら「負けてるからだろ!」って冷たく言い放たれたことが…

ほら、手が震えてるでしょ!

さすがに何を注文しのかは覚えてないのですがみんなそれぞれ、起き抜けの食事だというのに
次はいつ食事をとれるかわからないということもあって結構ガッツリとしたメニューを注文したと思います。

その中の一人、ボクの隣に座っていたK君(今回記事に書くと話してないのでイニシャルで書かせてもらいます)もちろんガッツリとした食事を注文したのですが、それとは別にちょっと変わったジュース…野菜ジュースのようなものも頼んでました。

順番に食事が運ばれてきて、いつものようにみんなでワイワイと話しながら食べていたのですが、ふと気づくとKくんが全然食べていません。

どうしたのかなと思っていたら、急に店員さんに声をかけました。

「あの~…、このジュース痛んでいると思いますよ!」

「はっ?」と店員さん…

何を言い出したのかとみんな黙ってKくんを見ると「ほらっ、手が震えているでしょ!」と、店員さんの前に手を差し出すと確かにプルプルと震えています。

「このジュースを飲んだらすぐにこうなって、他にまだ何も食べてないから恐らくこれが原因です」

Kくんは冷静に何事もなかったように淡々と店員さんに説明します。

「も・申し訳ありません!」平謝りの店員さんですがkくんはクレームをつけるわけでもなく「ほかのお客さんに何かると大変なのでしっかり調べてくださいね」とだけ言ってまた黙って下を向いてみんなの食事が終わるまで待ってました。
時代劇が大好きだったKくん

時代劇が大好きだったKくん

レギュラーはローテーションを組んで入れ代わり立ち代わりで入っていて、それに僕のような助っ人扱いが数人…入れ替わりも多かったのでかなりの大人数のアシスタントと和月くんの仕事場では一緒に仕事をしました。

その中でもKくんとは結構ウマがあってもしかしたら唯一カニ目の助手席に乗ったことがある仕事仲間かもしれないです。

最近会ってないけどカニ目も治ったことだし遊びに行こうかな?

こ・こんな時に…

すぐに食事をすませて、仕事場に戻ったのですがその途中「Kくん大丈夫?」と尋ねるとKくんは
「ダメです、たぶん仕事できません、目の前がクラクラします」と言って仕事場とは別に寝室として借りていた同じマンションの別の部屋に直行しました。

「どうする病院行く?それとも救急車を呼ぶ?」と聞くと「大丈夫です、このまま寝てれば治ると思います」と言って布団に入ってしまいました。

で、僕が仕事場に行き和月くんに状況を説明しました。(何といても和月くんを含めてもメンバーの中で僕が一番年上だったんです)

ボクの説明を聞いた和月くんは「しょ・食中毒?…こ・こんな時に…」

もう原稿が上がる前ですし残り4人アシスタントが入ってますし今から探して見つかったとしても来るのは何時間か後ということで「大丈夫何とかなるでしょ?みんなでがんばろ!」という事になりそれまで順調に進んでいたせいか原稿はそれほど遅れることもなく無事あがりました。

Kくんは仕事中に起きてくることもなくぐっすりと熟睡、仕事が終わって掃除をすませ起こしに行くと「すいません、ご迷惑をおかけしました、」と和月くんや仕事仲間に謝って「まだフラフラします」と言いながら帰っていきました。

たいした事件というわけでもなかったのですが最終回の最終日に起きた…という事で強く印象に残っているのです。ボクもいろいろなことを経験しやすい体質だと思っていたのですがK君もそうだったのかなと思います。

数か月後ボクの家に遊びに来たKくん

「もうすっかり元気になりましたよ!」といってマンションの駐車場でロードレーサーを乗り回して見せてくれたのですが『エイティ』と呼ばれて軽く80キロオーバーだった体型とは程遠くスリムになっていました。

「あれからご飯が全然食べられなくなっちゃったんですよ!」

でもそれからさらに数年後に会った時はまた元の『エイティ』でしたけど(笑)

ここでしか読めない!ナカガー書き下ろしの「時空探偵マツ・de・DX」はコチラから

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