小室哲哉とYOSHIKIが約5年半ぶりに対談!ユニットV2の復活も?
2021年7月19日 更新

小室哲哉とYOSHIKIが約5年半ぶりに対談!ユニットV2の復活も?

1991年にTMNの小室哲哉とXのYOSHIKIによって結成されたスーパーユニット「V2」。 音楽史を塗り替え90年代を席巻した時代の寵児・小室哲哉とYOSHIKIの垣根を超えた伝説のユニットとして当時話題となりました。 そんな2人が、約5年半ぶりに「YOSHIKI CHANNEL」にて対談をする事が決定! それに先駆けてこの伝説のユニット「V2」について紹介していきます。

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二人の天才による歴史的融合「V2」!

音楽史を塗り替え90年代を席巻した時代の寵児である小室哲哉とYOSHIKIの2人。
小室はバイオリン、YOSHIKIはピアノと言ったように、クラシック音楽をバッグボーンに持つという共通項は見られます。
しかし、この歴史的な融合は当時双方が背負っていたパブリックイメージからは想像できないものでした。
そんな、一見両極ともいえる二人はなぜ巡り会ったのでしょうか?

出会いは、破竹の勢いで快進撃を続けていたXの中心人物YOSHIKIに小室が興味を持ち、90年に行われたXの日本武道館公演を観に行った事がはじまりだそう。
その後二人は意気投合し、「みんなを驚かせてやりたい」とV2の結成に至りました。

V2というユニット名の由来は、このプロジェクトからイメージする言葉が
「VIOLENCE・VICTORY・VIOLET・VARIABLE・VERSUS・VISUAL」
といったVから始まる言葉が多かった事からV2と名が付けられたと言います。
また、V2とは第二次世界大戦中にドイツが開発したミサイルの名称で、CDのジャケットにもこれを想起させるものが描かれています。

小室とYOSHIKIはソニー系のレコードレーベル所属でしたが、ここに当時ポニーキャニオンに所属していたTHE ALFEEの高見沢俊彦を加える計画もあったのだとか…。
二人がこのプロジェクトを「戦略ユニット」「業界向けロケット」と呼んでいた事から、V2には制約ばかりの音楽業界を掻き回すという思惑が込められていたのは間違いなさそうですよね!

そして91年の10月にプロジェクト発表記者会見が開かれました。
12月に東京ベイNKホールにて一度きりのライブ「V2 SPECIAL LIVE "VIRGINITY"」を開催。
翌92年1月に両A面シングル「背徳の瞳~Eyes of Venus~/Virginity」のリリース。
そして、本作は50万枚に迫る売上を記録しました!

V2 背徳の瞳 小室哲哉 YOSHIKI G-Stage

V2として唯一リリースされたシングルで、オリコンチャート初登場2位を記録し、47.7万枚を売り上げました。
ジャケットにはV2ロケットが描かれており、エクスタシー音楽出版からバンドスコアも発売されました。
「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」は小室哲哉が2011年にリリースしたコンピレーション・アルバム『TK BEST SELECTION IN EPIC DAYS』にリマスターされたものが収録。
そのほか、小室哲哉の2012年のリミックス・アルバム『Digitalian is remixing』にピアノ・ソロ・バージョンが収録されています。
タイトルの「背徳の瞳」はYOSHIKIによって、「Virginity」は小室によって付けられています。
また、タイトルに全て「V」の文字を入れたいという小室の発案を受け、「Eyes of Venus」というサブタイトルもYOSHIKIが考えています。
当初はYOSHIKIのエクスタシーレコード所属のバンドから誰かボーカリストを起用する予定でした。
しかし企画倒れに終わり、仮唄のつもりで録音された小室のボーカルでそのままCDリリースとなりました!

V2が残した唯一のオリジナル作品「背徳の瞳~Eyes of Venus~/Virginity」!

V2が唯一手掛けたオリジナル作品は、「背徳の瞳~Eyes of Venus~/Virginity」に収録された二曲のみとなっています。
V2を印象を彷彿とするイントロのピアノパートで幕をあけるM01「背徳の瞳~Eyes of Venus~」。
これ は、Xの代表曲「紅」や「Silent Jealousy 」のムードを漂わせたドラマティックな楽曲となっています。
小室のシンセサイザーとYOSHIKIのドラムによる異種格闘技感はまさに鳥肌物です!
そして、小室の独特なヴォーカルの中毒性が高く、病みつきになること間違いなしの楽曲と言えます。
小室は「もしV2が再結成する事があってもボーカルはやらないから安心してね」と発言していたり、ファンからもしばしばネタ的に扱われるボーカルですが、このボーカルなくしてV2のアイデンティティは存在しないですよね!
しかし、実はこのボーカルはデモ段階の仮歌だったもの。
当初はYOSHIKIが主宰するエクスタシーレコード所属のボーカリストを起用する予定だったと後に語られています。
本作は発売も延期され、レコーディングも難行していたようです。
おそらくスケジュールの都合で実現しなかったのではないだろうかと推察されます。

またM01「背徳の瞳~Eyes of Venus~」 は、それぞれの作曲パート分担がわかりやすいと評される事もあるのですが、歌詞の「孤独に抱かれ」は小室で「孤独に抱かれて」はYOSHIKIによるものであったりします。
そのためファンでも区別がつかないほど込み入ったコラボレーションになっているのだそうです。

そしてM01がYOSHIKIテイストならばM02「Virginity」は小室テイストの楽曲!
プログレッシブ・ロックの要素を前面に打ち出した楽曲となっています。
小室がプログレから強い影響を受けているという話は、かなり有名な話ですよね。
この曲は小室のボーカルと共にYOSHIKIの語りが大胆にフィーチャーされているのですが、なんとYOSHIKIがボーカルを務める可能性もあったそうですよ!

V2 - Virginity

「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」と同時期に開始され、同じ手法で制作が進められました。
少年的な声で歌うことを意識したのだそうです。
レコーディングは10月24日にYOSHIKIがXのコンサートで倒れる中、
最初に小室の歌入れが行われたと言います。
YOSHIKIの回復後に今度は小室が倒れる中、YOSHIKIが先に小室によって制作された詞の
モチーフ・展開の構成をヒントに書き上げた「Virginity」の英語によるナレーションのレコーディング。
レコーディングは4-5時間かけて行われ、その後に小室が日本語詞を制作しました。
「Virginity」のパーカッション・パートはYOSHIKIによって全ての譜面が書き起こされ、
YOSHIKIが小室の所有するシンクラヴィアのディスクに収録されていた2000余りの音色を全て聴き、
生音と対比させながら選んだそうです。
音色の打ち込みは今までは他のマニピュレーターと小室が共同で直接関わっていましたが、
本作で始めて全ての打ち込み作業を他人に委ね、小室は飽くまでも第三者として相談に乗った上で
「1音ずつ打ち込むように」と指示していたと言います。
また「Virginity」のドラムは全て打ち込みを予定していたそうです。
しかし、生音と対比する中で、生ドラムと打ち込みの混成となりました。

小室哲哉のTKサウンドとヴィジュアル系の位置関係!

よく弱い犬程よく吠えると言いますが、弱い人間ほど自分より強い相手に対し、
劣等感・嫉妬心・同族嫌悪と言ったネガティブな感情を吠えることで正当化し解消しようとしますよね。
つまりは、相手の価値を下げるような誹謗中傷や批判をする事で、自分の価値を上げようともくろむという子なんです。

これは、かつてのヴィジュアル系を批判していた人たちにも言えることではないでしょうか。
ヴィジュアル系差別の空気が蔓延していたあの頃です。
こういった風潮を作り出したのは、いつの時代もメディアの権力を掌握していた一部の大人たち。
全く新しい価値観を持ったYOSHIKIをはじめとするヴィジュアル系アーティストは、洋楽世代であるこの大人たちにとって不都合でしかありませんでした。
何せ大人たちには今まで築き上げてきた信念体系を脅かすこと恐れたことから、ヴィジュアル系をニセモノであると批判したのです。

しかし優れた人間というものは、自分の価値観や立場を脅かす存在であっても相手を認める強さを持ち合わせているもの。
当時はヴィジュアル系バンドに対して評論家や畑違いのアーティストたちが、こぞって差別的な発言を繰り広げていました。
そんな中で「YOSHIKIは国宝級のアーティストだ」と表立って評したのが小室哲哉その人でした。
それだけでなく、90年代のヴィジュアル系ムーブメントに対しても引退を意識するほどの衝撃的なものであったと心情を吐露していたこともありました。
音楽史を振り返り90年代にヴィジュアル系ムーブメントなどなかったかのように語る音楽評論家や音楽ファンが少なからずいる中で、これは極めて貴重な証言だと言えますよね!

また小室は、YOSHIKIよりも年齢的にもキャリア的にも上です。
そういった立場の人間が、後輩をリスペクトし自ら手を差し出したというのは凄いこと!
こういった小室のアーティストとしての柔軟性が、後のTKブームへとつながっていったのかもしれませんね!

とはいっても、もちろんV2は小室からの一方的なアピールで誕生したわけではありません。
小室が「あの頃YOSHIKIが言うことを聞いたのはhideと僕ぐらいだった」と語っているように、YOSHIKIもまた小室をリスペクトしていたのです。
これは今も続く二人の関係性から伺い知る事が出来ますよね。

そして最後に、小室がYOSHIKIから強い影響を受けていたと語るエピソードがあります。
それは小室とヴィジュアル系の関係性について言及しているもの。
1990年に小室率いるTM NETWORKはTMNと改称してグループのリニューアルを宣言しました。
そしてハードロック/ヘヴィメタルへのアプローチを試みたアルバム「RHYTHM RED」がリリースされました。
ガンズ・アンド・ローゼズ、モトリー・クルーなどからの影響を取り入れた作品と言われているわけですが、そこにはXから植えた影響も少なからず反映しているのではないでしょうか。
それというのも、このアルバムに収録されている「TIME TO COUNT DOWN」。
この楽曲は、流麗なピアノのイントロや、ツーバスが炸裂するハードロック・ヘヴィメタル調のテイストを持った楽曲なんです。
それは、どこかXを彷彿とさせるものがあるんですよね。
ライブパフォーマンスでも小室は、YOSHIKIそっくりのドラムプレイを披露するなどしており、この頃のTMNにはその影響が顕著に現れていたといえますね!

また、TM NETWORKが1987年に発表した名曲「BE TOGETHER」は、小室がBOØWYの「B・BLUE」を意識して作った楽曲です。
BOØWYもその成功の裏に「歌謡ロック」と揶揄されていた側面がありましたが、小室は公にリスペクトを表していました。
ビートロックや、ニュー・ロマンティック、LAメタル、プログレッシブ・ロックなどを取りれた小室哲哉のTKサウンド。
それとヴィジュアル系の位置関係は、ルーツの観点から見てそう遠くないものであったといえますよね。
しかしながら、小室サイドにはゴシック経由のデカダン的な要素や、パンク・ハードコア経由のアグレッシブさやヴァイオレンスな側面は皆無。
このことからも、両者の間には決定的な違いも存在していることが分かりますね!

TM NETWORK MV全世界配信! Now distributed worldwide!【Time To Count Down】Music Video Short Version.

TM NETWORKからTMNへのリニューアル後の第一弾シングルです。
「20世紀最後のカウントダウンの緊張感」を表現した楽曲。
イントロの速弾きのピアノソロから始まり、TM NETWORK時代にはあまり使用されなかったディストーションギターとツーバスのドラムが印象的です。
この曲では、一見打ち込みに聞こえる16分音符刻みのバスドラムですが、打ち込みではなく山木秀夫がツーバスを演奏しています。
また、ハードなディストーションギターはナイト・レンジャーのブラッド・ギルスによる演奏となっています。

V2コンビの対談決定!V2がHYDEを加えて復活も!?

2015年にSNSで小室哲哉がファンからの質問に直接答える企画がありました。
そこで、「いまコラボするなら誰としたいですか?」という質問がありました。
それに対し小室は、「V2をHYDEとYOSHIKIとやりたい」と答えていました。
また、小室は一度きりのライブを収めた「V2 SPECIAL LIVE "VIRGINITY"」の復刻を望むなど、
可能性は0%か100%のどちらかと前置きはしつつもV2再結成に対しては前向きな姿勢を示しているんです。
そして2022年には「背徳の瞳~Eyes of Venus~」が発売30周年を迎えます。
この記念すべきメモリアルイヤーに過去作のリマスター復刻や新生V2の誕生はあるのだろうか?
そして彼らが、また音楽業界に大きな衝撃を与えてくれる事を期待せずにはいられませんよね。

そんな期待に胸膨らます我々ですが、そんなメモリアルイヤーに先駆けてなのかはわかりませんが、
2016年1月1日配信の「YOSHIKI VS 小室哲哉 新春対談スペシャル」以来およそ5年7カ月ぶりに、
V2コンビの対談が決定しました!

日本を代表する音楽家2人がどのようなトークを展開するのか、そしてV2復活という嬉しいニュースがあるのではないか、今からとても楽しみですよね。
YOSHIKIと小室哲哉による気になる対談の模様は、2021年7月21日(水)19:00からニコニコ生放送およびYouTubeの「YOSHIKI CHANNEL」で配信とのこと。
ファンの方はもちろんのこと、気になる方は是非チェックしてくださいね!
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