第一部は同じく幕末維新期を描いた司馬遼太郎の『竜馬がゆく』『花神』などを元に脚本家・小山内美江子が書いたオリジナルストーリーでした。
「翔ぶが如く」 (NHK大河ドラマ・1990年)
平均視聴率は23.2%、最高視聴率は29.3%(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。
現在完全版のDVDが発売されており、過去にはNHKオンデマンドで本編放送回の配信が行われていた。
「翔ぶが如く」登場人物
主役の西郷隆盛を演じた西田敏行
第一部「幕末編」は原作の挿話と、同じく幕末維新期を描いた司馬遼太郎の『竜馬がゆく』『花神』などの長編小説や『最後の将軍』『きつね馬』『酔って候』などの短編小説をもとに書かれた、脚本家・小山内美江子のオリジナルストーリーである。また、原作では川路利良も中心人物の一人だが、ドラマではあまり踏み込んだ描かれ方はされていない。
もう一人の主役、大久保利通を演じた鹿賀丈史
第一部、第二部を通じてナレーションは全て鹿児島弁である(第一部のナレーションを担当した草野大悟は鹿児島出身)。無論出演者の台詞も大抵鹿児島弁なので、分かりにくい言葉には字幕がついた。もっとも、劇中のナレーションやセリフに使われている鹿児島弁は、標準語に影響されやや洗練されたもの(「唐芋標準語」。特にナレーションはイントネーションのみ)であり、実際の鹿児島弁はより難解で複雑なものである。
西郷を演じた西田敏行は当時有名だった肖像画でよく見られる西郷に近づこうと、メイクや表情など撮影時の努力だけでなく、実際にクランクイン前から体重を増やして撮影に挑んだ逸話がある。 身長については6尺を優に超えていた西郷に対しカメラアングルを工夫することで大柄な印象を操作した。また、鹿賀丈史の演じる大久保もかなり実像に近い演技であると、大久保の子孫から賞賛されている。
伊藤博文(小倉久寛)と木戸孝允(田中健)
明治新政府樹立後,政務に関わることを避けることの多い隆盛のことで利通を責める場面も。弟分の伊藤博文を最後まで案じていた。
「翔ぶが如く」大河ドラマのあらすじ
「翔ぶが如く」大河ドラマのあらすじ
2人は新政府参議にそろって就任するが、封建体制から近代中央集権体制への一大転換は国内に大きな矛盾を生み出しつつあった。それは禄を失った士族達の存在であり、未だ武士道精神から自己を抜け出せないでいる西郷にとって、こうした士族達の存在は対岸の火事ではなかった。
一方の大久保は合理主義家として数々の洋化政策を打ち出していく。互いに相容れない2人のイデオロギーは、いわゆる「征韓論」を以って衝突する。やがて征韓論は白紙撤回され、2人は袂を別った。
そして時代のうねりは、2人を維新後最大の内乱・西南戦争へと駆り立てていく。しかしそれは2人が偽りでない真の友情を全うするためには、避けて通れない道であった。
「翔ぶが如く」エピソード
「翔ぶが如く」エピソード
概要にもある通り、薩摩出身者は全編通して鹿児島弁(島津斉彬は江戸育ちなので共通語)であった。また、第一部では坂本龍馬は土佐弁、長州出身の桂小五郎も長州弁であった。ところが第二部に入ると、薩摩出身者以外の新政府関係者は桂(木戸孝允)を含め、みな共通語になった。
最終話でいとが桜島を眺めるラストシーンでは航空撮影が行われ、現代の鹿児島の風景が映された。
斉彬役の加山雄三は岩倉具視の玄孫である。
西田敏行演じる西郷隆盛と鹿賀丈史演じる大久保利通が主役。大河ドラマ初の2部構成作品(第一部29話、第二部19話の全48話)。