70年代からダンス・シーンに革命をもたらした、シック
2016年7月11日 更新

70年代からダンス・シーンに革命をもたらした、シック

1970年代後半から80年代にかけて一大旋風を巻き起こしたシック。ディスコからはじまり、その影響力はヒップホップにまで及びます。

3,211 view

プロデュース

ナイル&バーナードのチームは多くのアーチストをプロデュースしていますが、その代表となるのは、なんといってもダイアナ・ロスのアルバム「ダイアナ」(1979年)とシングル「アップサイド・ダウン」(1980年)でしょう。どちらも大ヒットしています。

"Upside Down" - Michael Jackson at Diana Ross Concert (1980)

Michael visits Diana at one of her Live-Concerts and dances with her to "Upside Down" ... Lovely!
ダイアナ・ロスの成功により、次々にプロデュースの依頼が舞い込みます。

その中でもナイル・ロジャースがプロデュースしたデヴィッド・ボウィの「レッツ・ダンス」(1983年)やマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」(1984年)は代表作と言えるでしょう。

David Bowie - Let's Dance

Music video by David Bowie performing Let's Dance. Taken from the album 'Heroes' Buy the David Bowie back catalogue on iTunes here: http://smarturl.it/bowiei...

Madonna - Like A Virgin

© 2006 WMG Like A Virgin (video)

グッド・タイムス

Risque (1979)

Risque (1979)

3枚目のアルバム「危険な関係 Risque」が1979年に発売され、このアルバムからも全米ナンバー1ヒット「グッド・タイムズ」が生まれ、いよいよシックの人気はピークを迎えました。

【収録曲】
1.グッド・タイムス
2. 暑い夏の夜
3. キープ・ダンシング
4. 禁じられた恋
5. ラヴ・ユー
6. ウィル・ユー・クライ
7. 私はどうなるの
Queenの全米No.1ヒットAnother one bites the dust
(ベースソロまんまイントロにした盗作)と、
Sugarhill GangのRappers Delightのサンプリングの元となった1曲目。
それだけパクられやすいアイディア豊富な名曲という証拠か?
8分を超える聴きどころは、パクられたベースソロ。
で、驚きは2曲目。
スペイン語を交えたおしゃれな歌で、永遠と同じ歌詞を繰り返す。
これが何とも言えないGrooveを生み出し、永遠に続いて欲しいと思わせる6分を超える甘美な曲。
まるでプログレのバンドかと思わせる演奏時間の長さ。
テクニックに自信があるから演奏時間が長くなるのだと思うが、ひけらかすような鼻に付くものは無い。
3曲目ではタップダンスの靴底の音を披露するし、
4曲目は各人のソロばかりでなく、ストリングスが美しい。このセンスは何処から来るのか?
いわゆるブラコンっぽい曲もあるが、下世話な夜のドライブで彼女を口説くみたいな乗りは微塵も無い。
で、踊れるのかと言うと洗練され過ぎでイマイチ踊れない。
と言うよりも演奏技術に耳が行って聴き惚れてしまう。

自らは歌わず、女性2人を主役に据えて歌わせるという発想、
生粋のプロデューサーなんだろうな。
とにかく素晴らしい真似のできない美意識だ。
この後もシックは「Real People」(1980年)、「Take it off」(1982年)、「Tongue in Chic」(1982年)、「Believer」(1983年)とコンスタントにアルバムを発表していますが、次第にプロデュース業へと移行していき活動停止。

ようやく1992年に再始動となりますが、その間パワー・ステーションなどで活動していたドラムスのトニー・トンプソンは参加せず、その後、2003年に死去。
バーナード・エドワーズも1996年に急死してしまいました。
Chic

Chic

因みに、1979年「Good Times」が全米で大ヒットしている頃、ハーレム出身の若者3人組が「Good Times」のリズム・トラックをそのまま使い、「ラッパーズ・ディライト Rapper's Delight」として発表しました。
この3人組がシュガーヒル・ギャングで、この曲は史上最初にチャートインしたラップ曲となり、ヒップホップをメジャーにしポップス界に大革命をおこしました。
シュガーヒル・ギャング

シュガーヒル・ギャング

34 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

知ってましたか?あの曲もこの曲も、80年代の音楽シーンはナイル・ロジャースがつくったんです!

知ってましたか?あの曲もこの曲も、80年代の音楽シーンはナイル・ロジャースがつくったんです!

「おしゃれフリーク」などのヒット曲で知られるシックの中心メンバーであるナイル・ロジャース。80年代、特に前半のポップスシーンを支えていたのはそのナイル・ロジャースだったといっても言い過ぎではないでしょう。それはナイル・ロジャースがプロデュースした作品をみてみると一目瞭然です。
obladioblada | 5,681 view
【洋楽ヒットチャート】1970年代の10年間でアメリカで最もヒットした洋楽トップ10

【洋楽ヒットチャート】1970年代の10年間でアメリカで最もヒットした洋楽トップ10

アメリカのビルボードでは、毎年の年間チャートに加え、10年ごとに「◯◯年代の10年間チャート」を発表しています。今回は、1970年代(1970年〜1979年)の10年間シングルチャートから上位10曲をご紹介します。アメリカで最もヒットした洋楽を10位からカウントダウンで見てみましょう。
izaiza347 | 578 view
【荒木師匠】ジュリアナでお立ち台の女王と呼ばれた荒木久美子は現在占い師!?

【荒木師匠】ジュリアナでお立ち台の女王と呼ばれた荒木久美子は現在占い師!?

1990年代前半にボディコンで扇子を持って踊る、ジュリアナ東京というディスコが流行りましたよね。そんなジュリアナ東京のお立ち台で一際目立ち、お立ち台の女王やディスコの女王としてメディアにも出演していた荒木師匠こと、荒木久美子さん。占い師になったという噂もありますが、現在は何をしているのでしょうか?今回はそんな荒木師匠についてご紹介します。
そうすけ | 582 view
往年のディスコブームが再び!「日比谷ラジオシティ」復活ナイト第二弾が銀座・ジニアス東京にて開催!!

往年のディスコブームが再び!「日比谷ラジオシティ」復活ナイト第二弾が銀座・ジニアス東京にて開催!!

オールリファイン株式会社が、ディスコブームの中で人気を誇った大箱ディスコ『日比谷ラジオシティ』復活ナイト第二弾の開催を決定しました。
隣人速報 | 607 view
伝説のディスコ「ジュリアナ東京」誕生から30周年!『ジュリアナ東京30周年記念イベント』が開催決定!!

伝説のディスコ「ジュリアナ東京」誕生から30周年!『ジュリアナ東京30周年記念イベント』が開催決定!!

伝説のディスコ「ジュリアナ東京」が誕生して30周年を迎えることを記念した『ジュリアナ東京30周年記念イベント』の開催が決定しました。
隣人速報 | 2,962 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト