ケイト・ブッシュについて
Kate Bush
エミリ・ブロンテが書いた同名小説にインスパイアされ自作した、「嵐ヶ丘(Wuthering Heights)」で1978年にデビュー。いきなり全英チャート1位となったこの曲は、日本では後に明石家さんまが司会をつとめた人気番組、『恋のから騒ぎ』のオープニングで使われたことでも知られています。デビュー当時の特徴であった高音ヴォーカルは、徐々に大人っぽい落ち着いたヴォーカルへと変化していきますが、その表現力にはますます磨きがかかっていき、難解な歌詞と幻想的かつ緻密なサウンドによって創り出されるケイト独自の世界観は、誰にも真似することの出来ないアートとして高い評価を得ております。ビョークやクリッシー・ハインド、アニー・レノックスといった大物女性アーティストからも賞賛されるなど、ミュージシャンからも尊敬される唯一無二の存在と言えます。
via gaffa.org
Kate Bush - Wuthering Heights - Official Music Video - Version 1
デビュー曲「嵐ヶ丘」
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Kate Bush - Live At Hammersmith Odeon 1979
「ビフォー・ザ・ドーン」までは、ケイト・ブッシュ唯一のコンサート・ツアーであった1979年「ツアー・オブ・ライフ」の映像。VHSやLDで発売されたことはありましたが、DVD化はされてません。パントマイムを駆使したシアトリカルなステージは、それまでのロック・コンサートの概念を超越した、スペクタクルなライヴでした。
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突然のライヴ開催発表
「来る8月から9月に、ライブ公演を行う運びとなりました。
是非おいでください。会場でお会いできるのを楽しみにしています。
詳細についてはこれからこのウェブサイトで発表していきます。
とりあえず、コンサートの日付とチケット販売についての情報をお知らせします。
いつもありがとうございます。
ケイト」
2014年3月21日、ケイトの公式ホームページに、突然ケイト本人からのコメントで、まさかのライヴ開催の告知が出たのです!これには、全世界のケイト・ファンが狂喜乱舞。ケイトのライヴを観るチャンスがあるなんて想像すら出来なかったので、その興奮は言葉では表現できないほど。この日は、英国を中心に(とはいえ、全世界的にもニュースになってましたが)テレビ、ラジオ、インターネットなど、あらゆるメディアがこのニュースを報じ、BBCが「インターネットがメルトダウンした」と表現するほどの熱狂ぶりでした。公演は8月26日にスタートし、最終的には10月1日まで、全22回(22日)公演の開催が発表されました(当初発表された15日公演+追加公演の7日)。
会場はロンドンのイヴェンティム・アポロ
Eventim Apollo
会場は、聖地というべき、イヴェンティム・アポロ。前述の、それまでケイト唯一のツアーであった79年「ツアー・オブ・ライフ」最終公演を行った場所であり、ファンであればVHSやLDで繰り返し何度も鑑賞してきたであろう伝説のライヴ会場、旧ハマースミス・オデオン!わずか3,600席ほどしかない会場なので、単純計算でも22日間で合計約8万枚しか販売されない、まさにプレミアムなチケットとなりました。
チケット大争奪戦
飛行機嫌いで有名なケイトだけに、イギリス以外での公演はそもそも期待してませんでしたが、そうなると、こちらからイギリスまで行かないと、ケイトのライヴを観ることは出来ないわけです。つまり、世界中のファンがこのプレミアムなチケットを取り合う大争奪戦となってしまいました。
ファンに与えられた、先行販売のチャンス!
どうやったらチケットを確保できるか、そわそわしていると、ファンに朗報が届きました!ケイト・ブッシュのオフィシャル・サイトにメール・アドレスを登録していたファンに、先行販売の案内が来たのです!そのメールには、アルファベットと数字を組み合わせた10文字のアクセス・コードが記載してあり、それを入力すると先行販売サイトにログインできるというものでした。これにより、筆者は幸運にも一般販売より48時間早い、3月26日に無事チケットを購入することが出来たのです。但し、この先行販売分も即ソールド・アウトとなったので、本当にラッキーでした・・・。
Before The Dawn チケット
チケット購入の際、2種類の座席を選択できました。Stallsが1階席、Circleが2階席。StallのL列は、前から7列目くらいの位置でした。チケットには購入者の名前がしっかりと印字されており、当日入場の際、パスポートなどの写真付き身分証明書の提示を求められました。本人確認を行うことで、転売やダフ屋を禁止するという、徹底ぶり。ちなみに、一人あたり最大4枚までしか購入出来ないという規制もありました。
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一般販売も即完売
3月28日の一般販売も、即ソールド・アウトとなる熱狂ぶりでした。筆者の知り合いの中にも、一般販売の開始時刻と同時にアクセスしたのに間に合わなかった、という人が多数いらっしゃいました。一方、前述の先行販売では自分の知るかぎり、ほとんどの人が買えたようなので、アーティストのオフィシャル・サイトに登録しておくのは無駄じゃないんだな、と思い知らされましたね~。
参加ミュージシャンたち
Drums: Omar Hakim
Percussion: Mino Cinelu
Bass: John Giblin
Guitars: David Rhodes
Guitars, Bouzouki, Charango: Frissi Karlsson
Keyboards, Guitars,Programming, Vocals: Jon Carin
Keyboards, Uilleann Pipes,Accordion: Kevin McAlea
Piano (The Ninth Wave[Pre-Recorded], Prologue,Among Angels),
Pre-Recorded Synths: Kate Bush
CHORUS: Jacqui DuBois
Sandra Marvin
Bob Harms
Jo Servi
Albert McIntosh
ウェザー・リポートなどで知られるオマー・ハキムがドラム、ピーター・ガブリエル・バンドのデヴィッド・ローズがギター、ケイトの過去のレコーディングにも多数参加しているジョン・ギブリンがベース、という豪華な布陣。さらに特筆すべきは、ケイトの息子であるバーティー君(アルバート・マッキントッシュ)もコーラスで参加している点。このとき、まだ16歳だった彼ですが、ケイト曰く「優れたシンガー、優れた役者である」とのことで(親バカぶりが微笑ましいですね!)、当ライヴにおいても、寸劇を演じたり、ソロでも1曲歌ったり、と大活躍!
ケイトの息子、バーティー(アルバート・マッキントッシュ)
35年ぶりのライヴを開催したのも、このバーティーくんの存在があったからこそ。ケイトが「ライヴでもしようかしら」と言ったときに、バーティーくんが「絶対やるべきだよ!」「なぜお母さん(ケイト)が、みんなから愛されているのか、知りたい」と強くプッシュしてくれたのだとか。バーティーくんがお願いすれば、またケイトもライヴをやってくれるかもしれませんね(笑)!