東京五輪でのブルーインパルスの活躍で思い出す!GSブーム末期に現れたバンド「ザ・ブルーインパルス」とは?
2021年7月31日 更新

東京五輪でのブルーインパルスの活躍で思い出す!GSブーム末期に現れたバンド「ザ・ブルーインパルス」とは?

東京五輪でのブルーインパルスの雄姿を見て、「昔ブルーインパルスっていうバンドがいたよな?」と思い出してしまったので、記事にしてみることにしました。

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GSブーム末期に颯爽と現れた「ザ・ブルーインパルス」!!

紆余曲折を経て、無事開会式が実施された2020年東京オリンピック。開会式当日の7月23日には、航空自衛隊のブルーインパルスが東京上空を飛行し、SNS上ではブルーインパルスの雄姿を撮影した写真の投稿が相次ぎ、大いに盛り上がっていました。そんなブルーインパルスですが、「そういえば昔グループサウンズ(GS)に“ブルーインパルス”っていうバンドがいたよな?」と思い出してしまったので、このたび記事にしてみることにしました。

五輪で活躍したブルーインパルスはこちらですが…

今回特集する「ザ・ブルーインパルス」はこちら!!

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1968年10月、「太陽の剣」で颯爽とデビュー!!

ザ・ブルーインパルスが結成されたのは1968年のこと。まず名古屋にて「ザ・ダックス」というバンドが長谷幸也(ヴォーカル)、湯村寿明(リードギター)らを中心に結成され、当時隆盛を極めていたジャズ喫茶を中心に活動していました。そして長谷、湯村の2名に、茨城で活動していたバンド「ザ・シャイナーズ」から大越反二(ドラムス)、萩谷清(サイドギター)、矢口隆(ベース)の3名が加わり、1964年の東京オリンピックで活躍したブルーインパルスから名前を取った「ザ・ブルーインパルス」を結成。そして彼らは、当時アイドル的な人気を博していたアメリカのバンド、ザ・モンキーズの前座として日本武道館のステージに立つなど、順調にキャリアを積み重ね、同年10月にレコードデビューを果たすこととなります。
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デビューシングルのタイトルは「太陽の剣」。当時日本ビクターが発足させたばかりのRCAレーベルの第1弾(邦楽)としてリリースされました。作詞は奥村チヨ「恋の奴隷」などで有名ななかにし礼、作曲は赤い鳥「翼をください」などで有名な村井邦彦が担当。このコンビは、同年6月に萩原健一が在籍していたザ・テンプターズの代表曲「エメラルドの伝説」をヒットさせたばかりであり、ザ・ブルーインパルスへの期待も相当なものであったことを伺わせます。シングル「太陽の剣」ですが、イントロのブラスアレンジが印象的なロック色の強いGS系歌謡曲で、ザ・テンプターズが歌っても違和感の無さそうな佳曲だったのですが、オリコン最高位は54位と、小ヒットに留まりました。
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1969年、ムード歌謡へとシフト。

オリコンにチャートインは果たしたものの、大ヒットとまではいかなかったザ・ブルーインパルス。その後も新宿ACB(アシベ)などを中心にライブ活動を精力的にこなしていた彼らですが、翌1969年3月には2枚目のシングル「メランコリー東京」を発表しました。
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こちらのシングルですが、「太陽の剣」とは一転してムード歌謡的なサウンドとなっています。1969年当時、GSは急速に人気が低下しており、前述のザ・テンプターズや沢田研二が在籍するザ・タイガースなども売上枚数の低下に悩まされていました。その一方で、パープル・シャドウズが1968年に発表した「小さなスナック」がミリオンセラーを記録する大ヒット。同曲はGSのカテゴリではあるものの中身は完全な歌謡曲であり、このヒットによりGSの歌謡曲化に拍車がかかり、ザ・ブルーインパルスもその流れに飲まれたと推測されます。
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1970年、アングラソングに挑戦するも…

上述の通り、GSブームの衰退に翻弄され音楽性が変化していったザ・ブルーインパルス。1969年にはヴォーカルの長谷が脱退し、代わりに長瀬実が参加。1970年の大阪万博で演奏するなど活動を継続していました。そして、同年4月には3枚目のシングル「苦しみのロック」を発表しました。
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「苦しみのロック」ですが、ムード歌謡然とした「メランコリー東京」とは一転したアングラソングであり、アングラ系で当時「ケメ子の唄」などがヒットしたことから、そのブームに便乗してリリースされたものと思われます。しかしながら、1970年当時はGSブームがほぼ完全に去っており、GSというカテゴリでリリースされたこのシングルに、注目が集まることはありませんでした。そして、この「苦しみのロック」がザ・ブルーインパルスのラストシングルとなり、バンドは同年5月に行われた新宿サンダーバードでのライブを最後に活動を停止、解散となりました。
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